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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
53/120

53話


「ハッ!」



「シャウ~!進め~!」



「がぅ!」



セレーナとシャウはスピードを上げて森に一直線に向かった。



「ユーマ、森に着いたら二手に別れて探すよ?」



「うん!」



森に着いた時の行動を予めセレーナは決めると…



「お姉ちゃん!見付けたら教えてね~!」



森の入口に着きユーマと二手に別れて捜索を開始した。



「エピナ草…エピナ草…あ!あった!」



ユーマはエピナ草を見付けるとポーチにこれでもかとばかり詰めた。



「よし!お姉ちゃんに知らせよう」



カチャとマジカルガンナーを構えると…



ドン!ひゅー…パン!



ユーマは新しい弾、信号弾を打ち上げた。



「シャウ!」



「がぅ!」



駆け寄ったシャウに乗るとユーマは…



「シャウ、入口に戻って!」



セレーナと別れた場所に向かった。



「ユーマ!」



ユーマが暫し待っているとセレーナがやって来た。



「お姉ちゃん、一杯採れたよ」



「なら急ぎましょう」



セレーナが馬を走らせるとシャウも後を追いかけた。がしばらく走り続けると…



「グフグフ」



ゴブリンの群れに出会した。



「こんな時に…ユーマ!」



「うん!」



ユーマが杖を出そうとするが…



「先に行きなさい!」



「お姉ちゃん!?」



「アタシがここを引き受けるから薬草を届けなさい!」



セレーナは殿をつとめると言い出した。



「でも!」



「行きなさい!貴方のお姉ちゃんはゴブリンにやられるお姉ちゃんかしら?」



セレーナの笑顔を見たユーマは歯を噛みしめ…



「絶対帰って来てよ、お姉ちゃん!」



「はい♪」



「シャウ!」



シャウに走り出してもらい群れを抜け出した。



「さて、と…」



セレーナは剣を抜くと…



「カワイイ弟の為にも雑魚には退場してもらいましょうか?」



笑顔が消え去り真剣そのものだった。



「さぁ!行くわよ!」



セレーナが馬から飛び降りるとゴブリンに突っ込んで行き…



「グギャ~!?」



ゴブリンを次から次へと斬り倒していった。



「悪いけどアンタ達に付き合ってる暇はないのよ!」



「ギャァ~!?」



剣舞と言っても差し支えない程の動きでセレーナはゴブリンを倒し続けた。結果、瞬く間にゴブリンの群れを壊滅させた。



「さてと、ユーマを追い掛けないと、ハッ!」



セレーナは剣に付いた血を振り払い鞘にしまうと馬に乗り町に向かった。一方ユーマは…



「シャウがんばって!」



「がぅ!」



シャウは主のために全力で走り続けていた。



「あ!町の入口だ!シャウもう少し!」



「が、がぅ!」



シャウはスピードを落とさず町の入口までたどり着いたが…



ドサッ



「シャウ!?」



入口に入った瞬間、シャウは倒れこんだ。



「シャウ!しっかり!」



「がぅ~…」



シャウは体力の消耗でもう動けなかった。



「シャウ!よいしょっと!」



ユーマは杖を浮かばせるとシャウを担ぎ上げ…



「(ファリー!何処にいるの!)」



「(ご主人様!町の北西の位置です。今魔力を高めるのでたどってください!)」



「(わかった~!)」



ビュン!



ユーマは町中を飛び進んでいった。



「あ!アキナさん!」



「お~!オチビ!こっちだ!こっち!」



「アキナさん、シャウをお願い!」



アキナの前で停止するとユーマはシャウを預けた。



「おばあちゃん!」



「ユーマ君!」



「採ってきたよ!」



ユーマは家の中に飛び込むと近くにあったテーブルにエピナ草を取り出した。



「坊や、ホントに採ってきてくれたのかい!?」



「早く飲ませて上げて!シャウ!」



お婆さんにエピナ草を渡すとユーマはシャウに近寄り…



「疲れし者を癒せ、リフレッシュ!」



シャウに治癒魔法をかけた。



「がぅ…?がぅ!?がぅ!」



シャウは自分の体から疲労がとれると起き上がり…



「がぅ~♪」



スリスリ



ユーマに頬擦りして元気になった事をアピールした。



「ユーマ君、セレーナさんはどうしたんですの?」



「そだ!お姉ちゃん!」



ユーマが慌てて走り出そうと振り返ると…



ドン



「こら!ちゃんと前を見てから走らないと駄目でしょ?」



「お姉ちゃん!」



セレーナの足にぶつかり、顔を上げるとセレーナの笑顔が見えユーマはセレーナの足に抱き付いた。



「ほら、お姉ちゃんは大丈夫だから」



セレーナがユーマを抱っこするとユーマはセレーナに抱き付いた。



「よしよし♪頑張ったね」



「ホントにありがとう」



するとお婆さんが外に出てきた。



「これで娘も助かるよ」



「お礼ならこの子に言ってください。決めたのはこの子ですから」



セレーナはユーマを降ろすと頭を撫で、ユーマは目を細め気持ち良さそうにしていた。



「セレーナさん、これからどうしますか?」



セリーは日がくれてきた空を眺めてからセレーナにこの後をどうするか決めかねていた。



「お嬢ちゃん達、今から宿を取りなおすのは大変だろ?家で良ければ泊まっていきなさい」



「いえ、今から宿を…」



「気にしないでおくれ。あたしに出来る恩返しはこれ位なんだよ」



「セレーナさん、ここはお婆さんの顔を立ててあげませんか?」



エリシアはお婆さんの気持ちを汲み取り、泊まる事を提案していた。



「…わかりました。お世話になります」



セレーナが折れて泊まる事になった。


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