第51話
「ただいま~!」
そして暫しセリー達が談話しているとセレーナとユーマが帰って来た。
「お帰りなさい♪」
セリーに迎えられ、ユーマはシャウに向かって行った。
「シャウ~♪」
ユーマはそのままシャウに抱きついた。
「どうだった?ってのもおかしいか?」
「えぇ、無事引き出せたわよ」
ジャラっと袋を取り出した。
「では、エリシア様。買い物に行きましょう」
「その前に皆様にお願いがありますわ」
「何ですか?」
セレーナが問うと…
「私に様は要りませんわ。もう、皆様の仲間になるのですから」
「…わかりました。よろしく、エリシア」
様を要らないと言われ、打ち解け始めた気がした。
「まずは…服かしら?それと肌着も」
「自衛の為の武器も必要ですね」
「因みに予算は?」
アキナの問いにセレーナは…
「一応、金貨一枚かしら」
「じゃあ、最初は武器とかにしましょう」
セリーの提案で武具屋に行く事になった。
「お買いもの~♪お買いもの~♪」
「がぅ♪」
シャウに跨がり、ユーマ達は武具屋向かった。
「ここだな?ちわ~」
アキナは武具屋とわかると気さくに入った。
「あいよ。手入れかい?」
「レイピアなんて置いてますか?」
「おう!残ってるぞ」
店主が手慣れた感じで壁に飾っていたレイピアをカウンターに置いた。
「エリシア、どう?」
「ちょうどいい重さですわ♪」
「買うかい?」
店主の言葉にセレーナは頷き…
「いくら?」
「銀貨三十枚だ」
「まからない?」
セレーナは駄目もとで頼んでみた。
「他に扱ってる店はないぞ?」
「仕方ないわね」
セレーナは銀貨三十枚を払った。
「まいどあり!」
店主は銀貨を確認するとレイピアをエリシアに渡した。
「ありがとうございます」
「次は防具ね」
「嬢ちゃん達、防具も買うのかい?ならこれを持ってきな」
武器屋の店主は木札をセレーナに渡した。
「これは?」
「この先にうちと提携してる防具屋がある。それを持って行けば少しは安くしてくれるぞ」
「ありがとうございます♪」
セリーが代表して礼を言って店を出た。
「お買い物~!」
「がぅ!」
「離れないようにね~」
ユーマが先頭をシャウと一緒にいるとセレーナに離れないように注意された。
「はーい♪あ!あった!」
ユーマは防具屋を見付けるとドアの前でシャウから降りた。
「こんにちはー♪」
ユーマは元気よく店に入った。
「いらっしゃい。連れかい?」
店主はユーマを指差して後から来たセレーナに訪ねた。
「はい。女性用の防具はありますか?」
「当然。見ていきな」
店主の許可を貰いエリシアは幾つかを取っては戻しを繰り返した。
「こちらにしますわ」
エリシアは比較的軽めの防具を選んだ。
「あの、これを」
セリーは木札を見せた。
「はいよ、武具屋の紹介だな?銀貨四十枚だ」
「はい!」
ユーマはセレーナからお金を貰うと代わりに払った。
「まいどあり」
セレーナ達は店をあとにした。
「後は服ですわね」
「この先に確か有ったわよね?」
「はい。行きましょうか」
セレーナ達は服屋に向かった。
「シャウ~…」
「がぅ?」
「退屈だね~…」
店の入口でお座りしているシャウにユーマがつまらなそうに声をかけた。
『主よ』
「ん~?どうしたの~?」
『暇なら古道具屋に入って見てはどうだ?』
ユーマは服屋の隣にある古道具屋を見た。
「ん~…入ってみる~」
ユーマは古道具屋に入って行った。
「何かないかな~?」
ユーマは古道具屋に入ると棚を眺めていた。すると…
「あれ~?」
棚を見ていると万能折り紙の束が置かれていた。
『旦那旦那』ボソボソ
「なに~?」
『戦力増加の為に買って貰えやせんか?』
チュウ太が服の裏から訴えてきた。
「わかった~」ボソボソ
ユーマは折り紙の束を持って店主のもとに行き折り紙を購入した。
「仲間が増えた~」
早速チュウ太は折り紙をネズミに変えてユーマの足下に集合させた。その数、五十匹。
「ユーマ?」
「ぴゃい!?」
背後で声の低いセレーナの声が聞こえてきた。
「な、何で怒ってるの、お、お姉ちゃん?」
「お店の前に居ないから探したのよ?」
「あ…」
ユーマはすっかりお店の前に居るように言われた事を忘れていた。
「お姉ちゃん、ごめんなさい」
「心配したんだからね?」
セレーナも怒鳴らず、優しく言い聞かせた。
「ユーマ君はネズミさんを出して何をしていたのですか?」
「えっとね~、売ってたの!」
「売ってた?」
セレーナが聞き返すとマジカルガンナーが代わりに答えた。
『そこの古道具屋に万能折り紙が売っていたのだよ』
「折り紙が?そんな偶然に?」
『工場の近くだ。拾われていてもおかしくない』
マジカルガンナーの言葉にセレーナ達も納得した。
「じゃあ皆、入って~」
『チュウ』
折り紙ネズミはユーマが差し出した折り紙ポーチに順番に入っていった。
「一度宿屋に行くか?」
「わたくしなら大丈夫ですわ。出立しましょう」
「わかった。行きましょう」
セレーナ達は荷物を持つと旅路にでた。
「お姉ちゃん」
「ん?どうしたの?」
「僕ね、思い付いた事があるの」
ユーマはおもむろに何かを言い始めた。
「何を?」
「折り紙でお馬さん作ったら旅路が速くなると思うんだ」
「あ…なるほど。それはいい考えね…チュウ太?」
セレーナはシャウの背中でファリーといたチュウ太に訪ねてみた。
『可能でさ~。問題ありやせん』
「お願い出来る?」
『あいさ~』
チュウ太は折り紙ネズミを元に戻すと、今度は馬の形にして具現化しユーマ以外の分を作った。
「これは便利ね。ユーマはどうする?」
「がぅ!」
シャウは伏せるとユーマに背中に乗るように促した。
「シャウがご主人様は自分にって言ってます」
「わかった~!僕はシャウに乗る~」
ユーマがシャウに乗ると嬉しそうにシャウは立ち上がった。
『ふむ、これなら予定より早く着けるのではないか?』
「そうですね。セレーナさん、どうですか?」
「そうね…このペースなら二三日は短縮出来そうね」
セレーナは頭の中で計算すると旅の計画を修正した。
「シャウ~?重くない?」
「がぅ!」
「大丈夫って言ってます」
ユーマはシャウが大丈夫か心配したがシャウは元気に答えて見せた。
「エリシアは大丈夫か?」
「えぇ。乗馬位はたしなみですわ」
エリシアとアキナも大丈夫そうだった。




