表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
50/120

第50話



「しゅっぱつ~!」



「はいはい、落ちないでね?」



宿で休んでから三日、セレーナ達が出発しようとした時…



ズドーン!!



町中で爆発がおきた。



「な、なんだ!?」



「爆発…みたいですね」



「お姉ちゃん?あっちってエリシアさんのお家じゃない~?」



ユーマの言葉にセレーナ達は顔を見合わせた。



「…様子を見に行きましょう」



「そうね、知ってる人が巻き込まれた可能性があるかも知れないんですもんね」



セレーナ達は荷物を宿屋に預けるとエリシアの泊まっている館に向かった。



「これは…」



「ヒデェな」



セリーとアキナは崩れた館を見て顔をしかめた。



「がぅ?がぅ~?」


「シャウ~?どうしたの?」



シャウはユーマを降ろすと瓦礫の周りを行ったり来たりしていた。



「がぅ!がぅがぅ!」



「お姉ちゃ~ん!シャウが何か見つけたみたい~」



「見つけるって…まさか!?アキナ、セリー!」



そこで何かに気付いたセレーナはアキナとセリーと一緒に瓦礫を退け始めた。



「うぅ…」



「エリシア様!しっかり!」



瓦礫を退けるとエリシアが見付かった。



「すぐに医者の所に!」



「アタシが抱えるよ!」



アキナがエリシアを抱えるとセリーと一緒に医者の所に向かった。



「シャウ!他に生存者がいるかわかる!?」



「がぅ~…」



シャウは耳を垂れると小さく鳴いた。



「そう…」



シャウの反応にセレーナはうつむいた。少しして自警団がやって来ると辺りの調査始め、セレーナは暫し見届けるとアキナ達の下に向かった。



「だいじょぶ~?」



「今はゆっくり寝かせてあげましょう」



エリシアが眠るベットの横でユーマが心配しているが、セリーはエリシアを寝かせてあげる事にした。



コンコン



「私だけど、どう?」



「一応お医者さんに診てもらい、私も回復魔法かけたました!」



セレーナが部屋に入ってくるとファリーが治療の経過を説明した。



「う…うぅ…」



「気付かれましたか?」



「ここ…は?」



そして暫しエリシアの回復を待つと気がついた。



「町の診療所です」



「診…療所?ハッ!お父様は!?他の皆は!?」



「残念ですが…」



セレーナが首を振って答えると…



「そん…な…お父様…」



エリシアはうつむいて涙を流した。



「……」



セレーナ達はエリシアが泣き止むまでただ、黙って待ち続けた。



「すん…皆様、はしたない所をお見せしてしまいましたわ」



「いえ、その…」



「大丈夫ですわ、今は落ち着きましたし。それに事情を知りたいのでしょう?」



エリシアは普段のように振る舞い始めた。



「昨晩の事ですわ。館の方にある報せが届きましたの。それは本宅に火を放たれ全焼したと」  



「報せが?」



「私達は真実を確かめる為に本日急遽出立するはずでした。ですが朝になり出立をしようとした時に…」



爆発が起きたらしい。



「これは…明らかに…」 



「仕組まれたものね」



「私もそう思いますわ。多分別の貴族の仕業です」



三人はどんどん話を進め始めた。



「取り合えず私は詰所に行き今回の騒動を話して来ますわ」



「お供しましょうか?」



「…お願いできますか?」



セレーナの提案を受け入れ、エリシアはセレーナと共に詰所に向かった。



「…という訳ですの」



「わかりました。犯人はこちらで捜索します」



「お願いしますわ」



エリシアは詰所に来ても普段と変わらず話を進めていた。それを後ろで見てたセレーナは痛々しく眺めることしか出来なかった。



「では、行きましょう」



「はい」



エリシアが立ち上がるとセレーナは後に続いた。



「ありがとうございました。ここまで親切にしていただいて」



「い、いえ!そのこれからどうされるのですか?」



「そうですわね…」



エリシアは悩み今後の事を考え始めた。



「まさに家無き子ですわね」



何とも笑えない冗談を言うエリシアだった。



「お姉~ちゃ~ん♪」


詰所からセレーナ達が出てくるとユーマが元気に迎えた。



「おっと、いい子にしてた?」



「うん♪」



ユーマはセレーナの足に抱き付き、頭を撫でてもらうと嬉しそうに目を細めた。



「どうでしたか?」



「自警団の方でも犯人は探すのが限界のようですわ」



「そうですか…」



セリーも心配だったのか結果を聞くと耳を垂れた。



「では、私は行きますね」



「ど、どちらにですか!?」



「それは…」



エリシアが口ごもると…



「エリシアさん、どっか行っちゃうの~?」



「えっと…」



ユーマの問いにエリシアが悩んでいると…



「エリシアさんお家なくなったんでしょ~?なら僕達と居ようよ~」



「こ、こら!」



ユーマの物言いにセレーナが注意したが遅かった。



「それは出来ませんわ。これ以上皆様に迷惑をかける訳にはいきません」



「そんなこと気にしなくて…気にしないでいいですよ?」



アキナが言い方を直すとエリシアは首を振って答えた。



「これ以上は駄目ですわ」



「でも~?エリシアさん泊まる所あるの~?」



「うっ…」



エリシアはユーマの問いに詰まった。



「取りあえず、私達と来て頂けますか?」



「わかりましたわ」



エリシアはセレーナ達に連れられて宿屋に戻った。



「では、エリシア様?これからどうなさいますか?」



「何か仕事を探そうと思っていますわ」



セリーの問いにエリシアは仕事を探すと言うが…



「何かお得意な事でも?」



「料理なら出来ますわ」



「給事関係でしょうか?」



セリーが進めると…



「なぁ…エリシア様?一つお聞きしたいんですが…」



「皆様、敬語は不要ですわ。普通に話して頂いて結構ですわ」



「じゃあ失礼して。エリシア様、何か武道を身に付けてないですか?」



アキナは許しを得ると砕けた話し方にすると気になった事を聞き出した。



「えぇ、剣を少し」



「やっぱり」



「レイピアを少し」



エリシアが打ち明けると…



「でも誘拐されてたよね~?」



「こ、こら!?」



セレーナが慌てて止めた。



「うぅ、その通りですわ」



しかしエリシアはめげずに…



「ですけど、自衛くらいなら!」



「縛られてたよね?」



「オチビ!?」



ユーマは一言余計だった。



「うぅん、どうする?」



「ここで見放すのも気が引けます」



セレーナとセリーが相談すると…



「エリシア様、提案です。私達と一緒に来ませんか?」



セレーナが提案を持ち出した。



「い、いえ!これ以上皆様に迷惑を…」



「エリシア様?ご自身の素直な気持ちをお聞かせください」



「私は…」



エリシアは口ごもり…



「…皆様とご一緒…したい…ですわ」



「なら決まりですね」



セレーナが決断させて決まった。



「じゃあこれからの事を決めましょう」



「やはり、必要な物は買い揃えないとですね」



「資金はどうする?」



ここで現実問題が起きた。



「そうね、ここは…」



「ここは?」



セリーがセレーナに訪ねると…



「ユーマ~?」



「なに~?」



「お姉ちゃん、ちょっとお願いがあるの」



セレーナの前にユーマがやって来た。



「あのね?ちょっとお金を貸して欲しいの」



「お姉ちゃん、お金の貸し借りはだめ~って言ってた~!」



「そ、それは…」



ここにきて自分の教えが仇になった。



「お願い、ユーマ?エリシア様を助けたいの」



「わかった~!」



ユーマは懐からライセンスを取り出した。



「ライセンス?」



「ユーマの報酬はライセンスで貯金してるのよ」



セレーナは立ち上がると…



「じゃあちょっとギルドに行こうか」



「お~!」



セレーナとユーマはギルドに向かった。



「本当に良かったのですか?」



「大丈夫だと思います」



「何でもオチビは人の本質が分かるらしいからな」



セリーとアキナが答え始めた。



「本質ですの?」



「えぇ、ユーマ君の直感みたいですけど」



「あんな小さな子にそんな事が出来るのですわね」



エリシアはユーマの凄さに驚いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ