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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
49/120

第49話

チュンチュン



そして次の日の朝…



「ん…ふぁ~。朝…ね、ユーマ?起きて」



「ん~?お姉ちゃん?」 



「そうだよ?」



ユーマは少し寝ぼけていた。



「ん~…すぅ」 



「ほら、ちゃんと起きて」



「ふぁ~い」



ユーマは欠伸をしながら背筋を伸ばした。



「お、オチビ。起きたか?」



「おはようございます、ユーマ君」



アキナとセリーも目覚めて来た。



『いい朝だぞ、主』



「マジカルガンナー、おはよう~!」



『ふむ、元気なのは良いことだ』



マジカルガンナーにも褒められユーマは喜んだ。



「では、ごあいさつして出ましょうか?」



「そうね」



セレーナ達はジオに挨拶して宿舎を後にした。



「これからどうする?」



「取り合えず宿を決めましょう」



セレーナ達は宿を探してあることに気付いた。



「お姉ちゃん、荷物は森だよ?」



「あ!」



セレーナ達は荷物を忘れている事に気付いた。



「取りに行かないと不味いわよね」



そんな事を話していると窓をコンコンと叩かれているのでユーマが窓に近付いた。



「どちらさま~?」



『旦那、アッシっす』



窓の外にチュウ太がやって来ていた。



「どこにいたの?」



『荷物番をしてやした。それと荷物をこちらにお持ちしやした』



外を見ると裏路地に自分達の荷物が見え折り紙ネズミ達が手を振っていた。



「ユーマ、荷物を取ってくるから待っててね」



「はーい」



セレーナ達は荷物を取りに向かった。



『旦那、ご無事で何よりっす』



「お姉ちゃん達がいるから大丈夫~」



『下手したら魔物より怖いかも知れないっすもんね』



チュウ太がそんな事を呟くと…



「チュウ太~…後ろ」



『後ろがどうか…した…』



笑顔でセレーナ達が立っていた。



「へぇ~…魔物より怖い…ね?」



『お嬢!言葉のあやっす!』



「問答無用!」



チュウ太はそのまま折檻を受けた。



「さて、これをどうするかね?」



セレーナはテーブルの上に金貨の入った袋を置いた。



「流石に金貨五枚ですからね」



「単純に分配していいんじゃないか?」



「そうね、そうしましょう」



セレーナ達は金貨は四人で分配した。



「しばらくは余裕ね」



「私も仕送りに余裕が出来ました」



皆懐が増えて喜んでいた。



「じゃあマジカルガンナー?アナタの知ってる魔導機がある場所までどれくらい?」



『今のペースで行けば七日程だな』



「となると、食料は多目に買い込んだ方が良いわね」



セレーナは旅に必要な物を考え始めた。



「お姉ちゃん…」



「ん?どうしたのユーマ?」



「チュウ太がね?いい考えがあるって」



セレーナ達がチュウ太を見ると外で必死にアピールしていた。



「入れて上げて」



「わかった~。チュウ太~、入っていいって」



『お嬢の慈悲に感謝しやす!』



チュウ太は部屋に入ると土下座して感謝した。



「それで?いい考えってのは何?」



『こんな時の折り紙っす!』



「折り紙が何の役に立つんだ?」



アキナの疑問にチュウ太は胸を張って答えた。



『万能折り紙でリュックを作って中に保存すればいつまでも新鮮なままっす』



「そんな事可能なんですか?」



『可能っす!』



セリーの質問に胸を張って答えた。



「どうする?」



「取り合えず保存食を買って、それで少し新鮮な物を試して見てはどうでしょう?」



「それでいきましょう。チュウ太、ユーマが背負える位のリュックをお願い」



セリーの提案を受け、セレーナはチュウ太にリュックを作るように頼んだ。



『がってん!』



チュウ太は折り紙でササっとリュックを作った。



「わーい♪僕のリュック~♪」



ユーマは初めての自分専用のリュックに喜んでいた。



「重さは大丈夫なのか?」



『その辺も大丈夫っす。魔法で軽量化をすれば問題ありやせん。その辺はアッシが旦那に教えやす』



「お願いね」



セレーナに頼まれたチュウ太は胸を叩いて答えた。



『お任せくだせ~』



「まかせて~」



主従揃って同じポーズをとった。



「じゃあ買い物に行きましょうか」 



「アタシは留守番してるよ」



「アキナさんは嫌いな物はありますか?」  



アキナの留守番兼荷物番の意味がわかったセリーはアキナの分も買うので好みを尋ねた。



「特に好き嫌いはないよ」



「わかりました」



「ユーマ、お買い物に行くよ」



セレーナが呼ぶとユーマは嬉しそうに近付いて来た。



「お買い物♪お買い物♪」



今にも飛び出して行こうとするユーマの手を握り、セレーナとセリーは市場に出掛けた。



「取り合えず干し肉とパンかしら?」



「そうですね。試す物は何にします?」



「そうね~」



セレーナが悩んでいると…



「お姉ちゃん、見て~。お魚さんがあるよ~」



「ホント、珍しいわね。この辺で捕れるのかしら?」



「セレーナさん!お魚で試しましょう!」



するとセリーが凄い勢いでリュックの試しに魚を使おうと言い出した。



「ど、どうしたの?急に?」



「お魚ですよ!お魚!何時でも新鮮なお魚が食べられるようになるかも知れないんですよ!?」



セリーの雰囲気が魚一色になっていた。



「試しましょう!?」



「わ、わかった!だから落ち着いて?ね?」



「じゃあ私!買ってきますね!」



セリーは尻尾を振りながら魚屋に向かった。



「セリーさん、どうしたの~?」



「どうしたのかしらね…」



どっと疲れたセレーナであった。



「ふんふふふん♪」



「セリーさん、嬉しそう~」



「はい♪」



あの後セリーは袋一杯に魚を買い込んだ。



「これで実験が失敗したらチュウ太の命はないわね」



セレーナのぼやきはセリーに届かなかった。そして別の場所では一匹のネズミ?が背筋を震わせていた。



「ただいま戻りました~♪」



「おつかれ~」



宿に戻ると手甲を磨いているアキナに迎えられた。



「さぁユーマ君!お魚さんをしまいましょう!」



セリーは魚を幾つかの袋に分けるとユーマにリュックに入れるように促した。



「お~!入れるの~!」



「あぁ~!?ユーマ君!お魚さんをそんなに乱暴に扱ってはダメですよ!」



「こう~?」



ユーマが無造作に魚をリュックに入れようとしたのでセリーはユーマに注意して丁寧に扱うように言った。



「そうですよ。優しくお魚さんを傷つけないように入れて上げてください」



「ハーイ」



ユーマはセリーに言われた通りに優しく魚をリュックに入れていき全て入るとリュックを閉じた。



「お~!?全部入った~!?」



『当然っすよ。では、旦那。軽量化の魔法を覚えましょう』



「覚える~」



そしてユーマはチュウ太に軽量化の魔法習い始めた。



『そうっす。あ、旦那。そこの術式がちょっと違いやす』



「ホントだ~。直す~」



ユーマは術式をゆっくり覚えていった。



「できた~」



ユーマが術式を覚えると早速試した。



「重き物を軽やかに、ウェイトライト!」



ユーマの杖が光ると、光はリュックに注がれてすぐに治まった。



「お~!?軽い~♪」



ユーマが跳び跳ねて試した。



「あ~!?ユーマ君!跳び跳ねては駄目ですよ!お魚さんが傷ついてしまいますよ!」



「ハーイ」



ユーマは跳び跳ねるのを素直に止めた。



『ふむ、軽量化か…』



「どうかしたの?」



『いやね、物体の軽量化を出来るなら人間も出来るのではと思ってな』



今一マジカルガンナーの言いたい事が分からなかった。



「どういう事ですか?」



『詳しく言うとだね?武器の重量を自由に変えられるのであれば攻撃するときに重くすれば一撃の威力が増すだろ?』



「確かに」



セレーナ達にもマジカルガンナーの言いたい事が分かってきた。



『主との連携、主の術式展開の速度が上がればかなりの戦力拡大になると思うのだよ』



「う~ん、ユーマ?今より魔法を早く発動出来る?」



「どれくらい~?」



ユーマの問いにセレーナは…



「倍位かな?」



「むり~!」



注文してみたがユーマの答えは不可能だった。



「そうよね」



『でしたら無詠唱魔法を覚えてみてはどうっすか?』



ここでチュウ太から助け船が出された。



「無詠唱魔法?」



『そうっす。威力が多少落ちやすが便利ですぜ!』



「なに~?」



ここでユーマも興味をもったようだ。



『旦那、新しい魔法を覚えませんか?』



「お姉ちゃんの役にたつ~?」



『お嬢?』



チュウ太とユーマの視線がセレーナに集まった。



「ユーマへの負担は?」



『多少魔力を消費しますが問題ないと思いやす』



「覚えてみる?」



セレーナは安全と判断してユーマに尋ねた。



「お~!覚える~!」



ユーマは再び勉強をすることになった。



「じゃあ二、三日したら出発しましょうか?」



「はい、問題ないです」



「アタシもないよ」 



出発の日も決まりセレーナ達は暫し休む事になり各々時間を過ごした。



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