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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
48/120

第48話


「まだ少し慌ただしいが気にしないでくれたまえ」



「は、はい」



客室に通されるとセレーナが真ん中に、セリーとアキナは両サイド、ユーマはセレーナの膝の上に座っていた。



「まずは自己紹介だ。私はジオ・ファル・レオニスだ」



「Aランクハンターのセレーナです。こちらにいるのがCランクのアキナとセリーで…」



「ユーマです!」



膝の上でユーマが片手を上げて自己紹介した。

 


「子連れでハンターかね?中々大変だろ?」



「いえ、この子は私の弟みたいな者でして」



「僕もハンターだもん!」



ユーマがプンプンと怒り始めたがセレーナが頭を撫でて静めていた。



「失礼しますわ」



すると着替えに行っていたエリシアが戻ってきた。

 


「では、改めて礼を。娘を救ってもらい感謝する」



「本当に助かりましたわ」



エリシアがソファに座ると改めてジオはセレーナ達に礼をした。



「いえ、私達は偶々居合わせただけですので」



「それでも救ってくれた事に変わりはないのだよ」



「それで君達にこれを」



ジオが手を上げると待機していた執事が小さな袋をセレーナ達に渡した。



「これは?」



「報酬と言った所かね。私にはそれくらいしか出来ないからね」



「何かな~?」



徐にユーマが袋を開け始めた。



「こら、駄目よ?」



「わぁ~!金ぴかだ~!」



「金貨!?」



ユーマが袋から出した物を見ると金貨だった。



「これは貰い過ぎです!」



セリーが慌てて返そうとするが…



「その中には口止め料も入っているのだよ」



「口止め料?」



アキナが聞き返すとジオが答えた。



「あぁ、他の貴族に知られると厄介でね」



この時セレーナはまた厄介事に関わったなと思った。



「私達は成り立ての貴族なのだよ。それが拐われたなど知れたら他の貴族から何を言われるか」



「貴族の面汚し…と思われてしまうと?」



「簡単に言うとそうだな」



事情を飲み込めたセレーナ達は…



「わかりました。この事は胸の内に」



「すまないな」



黙っていることにした。



「にゃんにゃ~ん」



「がぅ~♪」



すると退屈になったユーマが部屋の隅で丸まっていたシャウにジャレていた。



「ふふふ、可愛いですわね」



「ほら、ユーマ?」



「お話終わった~?」



ユーマは暢気に近付いて来た。



「終わったよ」



「眠た~い」



「あぁ、途中で起こしちゃったもんね?いいよ寝てて」



言われるとユーマはセレーナの胸の中で眠った。



「なら、今日の所はここで休むといい」



ジオが手を上げると待機していた執事が部屋の用意に向かった。



「そんな、お気遣いなく」 



「今からその子を起こすのも可哀想だろ?」



ジオは眠ったユーマを指差して言った。



「今日は休んでいって下さいな」 



セレーナがアキナとセリーを見て二人が頷いたので…



「では、好意に甘えさせていただきます」



休んでいくことになった。


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