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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
46/120

第46話


「あ!町だ~!」



ユーマの声に先を見ると小さく町が見えた。



「やっと着いたわね」



セレーナ達も足早に町向かうが…



「規制中?」



町に入れずにいた。



「そうだ。現在ある貴族様がこの町に滞在されている。都の方から来られた方なので丁重におもてなししているのだ」



「つまり不審者は入れないと?」



セリーが少しトゲのある言い方をした。



「悪いがそう言うことだ」



セレーナ達は町を離れ近くの森にやって来た。



「お姉ちゃん?何で町に入れないの~?」



「う~ん、大人のワガママかな?」



「ワガママはメ~!」



ユーマは可愛く怒って見せた。



「そうですね。ワガママは駄目ですね」



そんなユーマをセリーは頭を撫でてなだめた。そして夜も深まると…



ドォーン!!



町の方から煙が上がった。



「な、なに!?」



「町の方からだ!」



「ユーマ君!起きて下さい!」



爆発音と同時にセレーナ達は目覚め、セリーはユーマを抱っこして起こそうとしていた。



「むにゃむにゃ…お姉ちゃん?いちゅからこんにゃにお胸大きくなったにょ?」



ゴチン!!



「イッターイ!?」



寝惚けてるユーマに高速で拳骨が落ちた。



「起きた?」



「うぅ~…僕何も悪いことしてないのに…」



「お・き・た?」



セレーナが黒い笑顔で問い詰めると…



「起きました!」



ユーマは恐怖で目を覚ました。



「オチビ、魔法で町の様子はわからないか?」



「むり~!」



『ならアッシにお任せくだせ~!』



するとチュウ太が名乗り出た。



『アッシが折り紙ネズミと偵察してきやす!』 



そう言ってポーチから折り紙ネズミが何匹も出てきてチュウ太と町に向かった。



「がんばってね~!」 



ユーマが暢気に見送ってから三十分後…



『旦那~!』



チュウ太達が帰ってきて折り紙ネズミ達もユーマを取り囲んだ。



「何かわかった?」



『何でも貴族の泊まっている屋敷が襲われたみたいです』



「厄介事ね」



だがそれでは終わらなかった。



『その際にご令嬢が拐われたみたいっす』 



「下手に関わらない方が良いわね」



「そうですね、今から関わると犯人扱いになりかねません」



セレーナとセリーの意見にアキナは文句を言わず賛同した。



『お嬢、悪いことに襲撃者がこの森に潜伏した可能性が高いっす』



「どういう事?」



『気になって辺りを詮索したんすが隠れられそうなのがこの森っす』



チュウ太の情報にセレーナは…



「巻き込まれる前に逃げる?」



「そうしたいですけど…」



「立場が悪くならないか?」



二人の反応を見たセレーナはユーマに頼んだ。



「ユーマ、私達以外に人が居ないか探してくれる?」



「わかった~!」



ユーマは杖を出すと探知魔法を発動した。



「む~…アッチ!五、六人いるよ」



「チュウ太、偵察お願い」



『ガッテン!』



ユーマの魔法に引っ掛かった反応をチュウ太が偵察に向かった。



「チュウ太待ちね」



少ししてチュウ太が戻ってきた。



『お嬢、残念な知らせっす。この先に賊らしき数が五人、ご令嬢らしき人が一人』



「仕方ない」



セレーナが剣を構えるとアキナ達も各々の武器を持った。



「ユーマ?万が一に備えて貴族の護衛をお願い」



「魔法でやっつけるのは駄目なの?」



「貴族に魔法を見られると厄介な事になりそうだから控えてくれる?」



万が一貴族に気に入られでもしたらそれこそ厄介である為、セレーナはユーマに魔法を使うのを制限した。



「わかった~!」



「ファリー、シャウ。ユーマの護衛をお願いね」



「お任せです!」



ファリーとシャウもユーマの側に付いた。



「じゃあ行くわよ?3、2、1、0!」



セレーナがカウントすると、セレーナとアキナとユーマは飛び出しユーマは貴族の護衛に、アキナとセレーナは二人ずつ相手をし、隙をついてセリーが矢で賊の足を狙い射ち動けないようにしていった。



「この~!」



すると賊の一人がユーマに向かっていった。



「えーい!」



ユーマは覚えたての棒術と…



「グハッ!?」



魔導機のおかげで賊を撃退した。



「ハッ!」



その隙を逃さず、セリーは矢を次から次へと賊の足に矢を命中させた。



「まだやる?」



セレーナの問いに賊は足を抑えながら項垂れた。



「アキナ、縛ってくれる?」



「任しときな、大人しくしてろよ?」



アキナは若干脅しながら賊を縛りあげた。


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