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小さな僕は魔導機使い!?  作者: 猫丸
新たな旅立ち
44/120

第44話


「シャウ~?」 



「がぅ?」 



「ここ掘れニャンニャン」



突然のユーマの無茶振りにシャウは…



「が、がぅ!」



応えてザッザッザッと掘り出した。



「ここに何か有るのですか?ご主人様」



次の日、ユーマの探知魔法を頼りに工場の入口を探していた。



「うんとね、ここら辺が反応強いよ」



「ここら辺って更地よ?」



「また地下にあるのか?」



セレーナとアキナがぼやいていると…



「がぅ!」



「お~!シャウ、スゴーイ!!」



シャウが一メートルほど掘ると入口らしき物が現れた。



「…普通こういうの見つけるのって犬だよな?」



「あの主従に常識を求めては駄目よ」



何とも酷い言われようである。



「ん~!開かないよ~!」



「どいてみなオチビ。オリャ!」



アキナが力を込めて引っ張ると扉が開き中に梯子が見えた。



「これじゃあシャウが降りれないね、よし」



ユーマは杖を浮かべると自分が乗り…



「シャウ、乗れる~?」



「がぅ」



シャウは杖の上に器用に座った。



「何気にシャウって器用ですよね」



「無駄にね」



誉められてるのか、けなされてるのか、わからない状況だった。



「とにかく、降りて見ましょう」



セレーナ達が降りて行き、ユーマも杖を操り中に入った。



「薄暗いわね、ユーマ」



「暗きを照らせ、ライト~」



ユーマ達の上に光球が現れ道を照らした。



「さて、何が出るのかしらね」



セレーナ達は慎重に奥へ進んだ。



「何があるのかな~?」



『反応が確認出来たということは使用可能なはずだ』



「危険な物じゃなければね」



セレーナが念をおした。



「がぅ」



シャウが吠えたので先に進むと広い部屋に出た。



『やはり、工場のようだ。ただ停止しているがな』



「じゃあ魔導機はないのですか?」



『いや、何処かに保管されているはずだ。探して見てくれ』



セレーナ達は手分けして探し始めた。



「どこかな~?」



『主よ、その部屋に入って見てくれ』



「わかった~」



ユーマが近くの部屋に入ると…



『どうやら管理人室の様だな』



「なにそれ~?」



『主よ、そこの壁を照らしてくれ』



壁を照らした。



『ふむ、どうやらここの地図のようだ…ふむ、覚えたぞ。セレーナ達と合流しよう』



「わかった~、お姉ちゃ~ん!!」



ユーマが呼ぶとセレーナ達が集まって来た。



「何か見付かった?」



『うむ、私が地図を覚えたので集まって貰ったのだ』



「じゃあ何処に向かうのですか?」



セリーが尋ねると…



『保管庫だ。そこに魔導機があるはずだ。主よ、先導を頼む』



「わかった~!」



マジカルガンナーが案内を引き受けた。



『そこを右だ主』



「お~!シャウ、あっち~」



「がぅ」



シャウに跨がりユーマが先導する事、数分… 



『どうやらここのようだ』



「む~!開かな~い~!」



「任せなオチビ」



アキナが扉をこじ開けると…



「空っぽ~?」



『いや、棚を見てくれ』



皆が棚に近付くと見覚えのある物が置いてあった。



「オール?」



『オール?主よ、これは万能折り紙だ』



「折り紙?」



セリーの質問にマジカルガンナーはわかりやすく答えた。



『この万能折り紙は、折り紙という遊びを発展させ折り込み作った物に変わる道具だ』



「なるほど。作った物に変化ですか、これは役に立ちそうですね」



『そうだな。所で先程から此方を盗み見ている奴よ、姿を現したらどうだ?』



マジカルガンナーに声をかけられた物が現れた。



『よくアッシに気付きやしたね?』



棚の影から赤いネズミが現れた。



「ネズミさんだ~♪おいで~♪」



ユーマはしゃがむと手を差し出しネズミはユーマの手を登り肩に座った。



「アナタは何なの?」



『アッシは折り紙の管理魔導機っす』



『なるほど、お前が居れば折り紙が自由に使える訳だな』



マジカルガンナーだけは理解が早かった。



『例えばこんな事が出来やす』



ネズミが手を降ると折り紙が宙を舞い自然に折り込まれてネズミの形になった。



『アッシはこんな風に折り紙を操れやす』



ネズミは自己アピールを必死にしておりマジカルガンナーにも指摘された。



『なぜそんなにアピールをしているのだ?』



『アッシはこの言語のせいで何方からも相手にされなかったんすよ。世間曰く売れ残りって奴なんすよ』



「じゃあ僕と一緒に行こうよ」



ここでユーマの気前の良さが発揮された。



『いいんすか!?こんなアッシでもいいんすか!?』



「うん♪」



『旦那!』



ヒシッとネズミは抱きついた。



「全く…勝手に決めないの」



「だめ~?」



ユーマがセレーナを見つめると…



「ちゃんと面倒みるのよ?」



「わかった~!」



『ありがとうございやす!』



ネズミは勢いよく頭を下げた。



『旦那の為なら例え火の中水の中!何でも役に立って見せやす!』



『これから同じ魔導機同士、主の為に役に立とう』



『よろしくっす!』



魔導機同士も問題無さそうだった。



『所でお主に名前は有るのかね?』



『いえ、ありやせん』



「じゃあね~…チュウ太!」



ユーマは少し悩んでネズミにチュウ太と名付けた。 



『イエッサー!アッシは今日からチュウ太と名乗りやす』



『では、チュウ太。折り紙は幾つほど余っているのだね?』



『アッシの管理内は百でさ~』



意外と多かった。



「さて、魔導機も見付かったし引き上げましょう」



『旦那、ここの工場はどうしやす?もう何も残っていやせんよ』



『なら廃棄して構わんだろ?』



マジカルガンナーがそう言った瞬間…



『じゃあ、ポチっと』



ビービー!



「な、何ですか!?」



『ご安心くだせ~、廃棄の為の自爆スイッチを入れただけでさ~』



『それは我々が逃げ出す時間はあるのだろうな?』



マジカルガンナーが不安な質問をした。



『……あ』



『セレーナ!急いで脱出だ!主も急げ!』



「アンタが売れ残った理由がわかった気がするわ!」



セレーナは叫びながら走り出し、ユーマもシャウにくわえられて逃げ出していた。



『すいやせ~ん!?』



その後ろをチュウ太と折り紙ネズミ達が追い掛けていた。



「急げ~!」



「そだ!風よ!彼の者達に風の加護を!アクセル!」



ユーマは全員に加速魔法をかけた。



「ありがとうございます、ユーマ君!」



「急いで!」



「見ろ!梯子だ!」



セレーナ達は梯子を見付けると一目散に駆け上がった。



「がぅ!」



シャウは首を動かしユーマを背中に乗せると梯子を駆け上がって見せた。



ズドーン!



全員が脱出したと同時に工場が爆発し土煙が上がった。



「ゼーハー、ゼーハー。駄目かと思った…」



大の字になっているアキナが呟くと…



『申し訳ありやせん!この罪は、腹をかっ捌いて…』



「次から気をつけようね~」



『旦那~!こんなアッシを許してくれるんすか!』



チュウ太が感激していると…



「このやり場のない怒りはどうしたらいいのかしら?」



「まぁ、オチビが許したんだし。多目に見てやれよ」



セレーナはやり場の無い怒りを何とか静めた。



「とにかく移動しましょう」



「でも目立つわよね」



セレーナがネズミ達を見て…



『それでしたら、旦那。お持ちの折り紙を出してくだせ~』



「わかった~」



ユーマはポケットから折り紙を出した。



『では、ほいほい、ほいっと』



チュウ太は万能折り紙を折り込んでポーチを作った。



『さぁ、お前達!中に入るんだ』



万能折り紙で作ったポーチを下に置くとネズミ達はポーチの中に入っていった。



「スゴーイ!全部入っちゃった~!?」



『名付けて万能ポーチっす!これ一つで荷物が幾らでも入るっすよ!』



「へぇ~、便利だな」



意外と高性能だった。



「取り合えずここを離れましょう。さっきの爆発に気付いてる人がいるかも知れないし」 



セレーナ達は手早くその場を離れた。



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