第42話
ルーガを出たセレーナ達は次の町を目指していた。
「シャウ~?」
「がぅ?」
次の町に向かってから三日、突然ユーマがシャウに声をかけた。
「変な音しない?」
「がぅ?」
シャウは耳をピンと伸ばすと…
「!がぅ~!」
突然唸り声を上げた。
「どうしたの?」
「お姉ちゃん、何かここ変」
「アキナ、セリー、気を付けて!ユーマの探知に何か引っ掛かりかけてる!」
アキナとセリーが周りを気を付けるが…
「何かって…何もないだろ?」
見晴らしも良く辺りには何も異変が無かった。
「気のせいでは?」
「オチビの感だって外れるだろ?」
「生憎、ユーマの感って外れたことないの」
セレーナが呟いた瞬間…
「下!?みんな!後ろに飛んで!」
ユーマが叫んだ瞬間、セレーナ達は後ろに飛んだ。
「キシャ~!」
地面の中から巨大な蟻のようなものが現れた。
「魔法の鎖よ!彼の者を捕らえよ!マジカルチェーン!」
セレーナが着地すると同時にユーマも荷物から飛び降りマジカルチェーンで巨大な蟻を拘束して時間を稼いだ。
「あっぶねー。まさか下からとは予想外だぜ」
「魔物に常識を求めては駄目ですね」
セレーナ達は荷物を下ろすと戦闘態勢になった。
「ファリー、荷物をお願い」
「お任せです!」
『主よ。いい機会だ、アレを試そう』
セレーナ達は荷物をファリーに任せ、マジカルガンナーは何かを試そうとしていた。
「わかった~!」
ユーマはポーチから弾を出さず、別のポケットに入れておいた弾をマジカルガンナーに入れた。
「いっくよー!!」
ドンと撃ち出すと…
ズドン!!
巨大蟻に当たると爆発した。
「ちょっ!?何今の!?」
「えっとね~…自信作!」
『炸裂弾だ、主』
何とも物騒な物を作っていたユーマだった。
「フッ!」
すると蟻の甲殻が一部割れており、セリーがそこに矢を撃ち込んだ。
「もういっちょ!」
今度はアキナが矢に拳を当ててねじ込んだ。
「デャァ!」
ザシュ!
更にセレーナが蟻の足を切断した。
「キシャ~!?」
蟻は痛みで悶絶していた。
「もう一個~!」
ズドン!
ユーマは更に炸裂弾を撃ち込んだ。
「キ…シャ…」
それが止めとなり巨大蟻は動かなくなった。
「もう大丈夫みたいね。流石に焦ったわ」
「しかし固い甲殻だな?オチビの魔導機が無かったら危なかったかも知れないな」
「とにかく急ぎましょう。蟻と同じなら巣があるかも知れません。集団で襲われたら危険です」
セリーは注意を促し…
「そうね、急いでここを離れましょう」
セレーナ達は荷物を担ぐとその場を離れた。




