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第2話
「抜けた~♪」
森を抜けるとユーマは嬉しそうに声 をあげた。
「ほらユーマ。町が見えるよ」
女性が指差すとユーマに町の場所を 教えた。
「お姉ちゃん、早く早く~♪」
「はいはーい」
女性は答えると歩くスピードを少し だけ速めた。
「町だ~、町だ~…?」
「どうしたのユーマ?」
突然ユーマの声が止まった事に不審 に思った女性がユーマに声をかける 。
「…お姉ちゃん!!あそこ!!馬車が襲わ れてる!!」
「えっ!?」
ユーマが指差す方を見ると小さく馬 車らしき物が止まっていた。
「ユーマ、何か見える?」
「うーん、あ!!ゴブリンに襲われてる !!」
「わかった、行くよユーマ!!しっかり 捕まってて」
女性は馬車に向かって走りだした。