第14話
「さて、準備はいい?」
「いつでもいいよ~」
次の日、セレーナは防具を身に付け 準備を完了し、ユーマもフードの付 いたコートを着ると狩りに行く準備 が整った。
「じゃあ、行こうか」
セレーナは剣を持つと部屋を出てい きユーマも後を追った。
「いいユーマ?今日はウルフを討伐 するからね?群れでいるから周りを 注意してね」
「うん、お姉ちゃんが直ぐに来れる 位置に待機して、それで自分が魔法 を使える位置で戦うこと。でしょ? 」
町を出て地図で森の位置を確認する と真っ直ぐに森へ向かった。 道すがらセレーナが戦闘での注意を するとユーマは正確に答えてきた。
「ユーマ、モンスターの位置わかる ?」
森の入り口に立つとセレーナは森の 中でモンスターが何処にいるか尋ね た。
「うんとね……あっち。あっちにだ けモンスターが一緒にいるよ」
「多分ウルフの群れだね、現状では 手掛かりがないからそこに行ってみ よ、ユーマ準備して」
セレーナはいつでも戦える様に後ろ 腰に回していた剣を左腰に位置を変 え、いつでも抜ける体勢にした。
「は~い!」
ユーマはコートの両ポケットから水 晶を取り出すと、水晶同士をくっ付 けた。 そして両手を左右に広げると水晶同 士が鉄の棒と繋がっていた。
「よっと、準備できたよ」
バトンの様に体の周りを回転させて ユーマは問題無いことをアピールし た。
「行くよ」
セレーナが前を歩き出し、ユーマも 後を歩き周りを警戒しながら森の奥 に進んで行った。
「!?お姉ちゃん!!真っ直ぐこっちに何 か来るよ!」
セレーナはユーマの声に直ぐに反応 し剣を抜いた。 すると前からウルフが群れで襲いか かってきた。
「出来たら少しずつ相手をするつも りだったのに」
セレーナもウルフが見えると駆け出 し、ウルフが飛び掛かってくるのに 合わせて剣を振っていた。
「火よ、彼の者を焼く火となれ!フ ァイヤー」
ユーマも詠唱し魔法を使うとウルフ と戦い始めた。




