第105話
「お姉ちゃんの為ならえーんやこーら!」キィン!
翌日、ユーマはミスリルを使いセレーナの剣を打っていた。
「お~!完成~!」
ユーマは剣を完成させると…
「弾を入れて…」カチャン!カチッ!
柄に弾を込めるとトリガーを引いた。すると剣が魔力を帯びて光っていた。
「えい!」ドカン!
『チュウ!?』
ユーマが剣を振ると魔力で出来た斬撃が飛んで行った。その威力に見ていたネズミ達は驚いていた。
「お~?魔力が切れたの」
実験を終える頃には剣に帯びていた魔力も切れた。
「お姉ちゃんに渡すの~!」
ユーマはセレーナ達が居る場所に向かった。
「お姉ちゃ~ん!」
「ユーマ?どうしたの?」
「プレゼント!」
ユーマはネズミ達から剣を預り差し出した。
「普通の…剣じゃなさそうね」
「うん!あのね!」
ユーマは剣の取り扱いを説明した。
「もう…魔導機じゃないのこれ」
セレーナは驚きを通りすぎて呆れていた。
「でも、ありがとう♪」
「えへへ」
ユーマは嬉しそうに照れた。
「おぉ、ユーマ殿」
「お姫様~?」
するとフローラがやって来た。
「何をしてたのじゃ?」
「お姉ちゃんに剣を作ったの!」
「なるほど。納得なのじゃ」
フローラは話を聞き納得したが…
「ユーマ殿?そんな簡単に魔導機が作れるのか?」
「お~…出来たの~」
「これは大発見か?」
疑問を持ち、そして大発見の現場に立ち会った気がしてならない。
「らんらららん♪」
「これが近くの村の様子か」
「そうですよ、姫様」
セレーナはユーマを連れてフローラに近くの村の様子を見せていた。
「アレが行商と言う者か?」
「はい」
「オヤツ~♪」
フローラが指差した方には行商が来ていた。
「あ!ユーマ!」
ユーマは行商を見ると駆け出していた。
「お?坊主じゃないか」
「お?おじさん、こんにちはなの」
知り合いの行商がいた。
「なぁ、坊主?ちと頼まれてくれないか?」
「なに~?」
「今からカレーを作れないか?他の行商の奴等が美味しいってのを信じねぇんだよ。子供が作ったものだからって理由でな?」
行商のおじさんは訳を説明してユーマに頼んできた。
「お~?なら、材料を集めるの~」
「頼む。材料費出すからよ」
「任された~」
ユーマは早速材料を集め始めた。
『チュウ~!』
「グツグツ~♪煮込んで~♪美味しくなれ~♪」
ユーマはネズミ達を出すとカレーと簡易屋台を広げた。
「いらっしゃいませ~♪」
『チュウ~!』
そして瞬く間に売れた。
「ほかほか~♪」
お金の入った袋を大事そう抱えてるユーマだった。
「全く」
セレーナは呆れながらも頑張った事を内心褒めていた。
「お~♪お?」
「っと?どうしたの?」
突然ユーマが止まった。
「大変!」
ユーマはトテトテと走り出した。
「ユーマ!?」
セレーナとフローラは慌てて追いかけた。
「お婆ちゃん!?大丈夫!?」
「おぉ…何処の子かわからんけどありがとうねぇ」
ユーマはしゃがんでいたお婆さんの背中を擦った。
「お家まで送ってくの」
「大丈夫だよ~…」
「ダメなの!無理しちゃダメなの!」
ユーマがお婆さんの体を気にかけていると…
「ユーマ!」
セレーナとフローラが駆け寄った。
「お姉ちゃん!お婆ちゃんが苦しんでたの!」
「お家まで送ります。掴まってください」
「すまんのぉ」
お婆さんはセレーナに手を借りて自分の家まで送って貰った。
「お~…大丈夫~?」
お婆さんの家に着くとお婆さんはベットに寝かされ、ユーマが覗きこんでいた。
「大丈夫だよ~…」
「あの?ご家族の方は?」
「あたしゃ、一人暮らしだよ」
お婆さんは頭を横に動かして答えた。
「お~…」
「しんみりさせたね。気にしないでおくれ」
「お婆ちゃん?寂しくないの?」
ユーマが不安そうに訪ねた。
「この歳になりゃ寂しいのにもなれちゃうよ」
「お~…ダメなの。寂しい事を言ったら」
「おや、怒られちまったね」
ユーマはセレーナの足にしがみつくと…
「お姉ちゃん?お婆ちゃんを村に連れてこう?」
「え?」
流石にセレーナも戸惑った。
「村?もしかして…この先の姨捨村から来たのかい?」
「はい」
「最近噂になってたんだよ。何処かの冒険者がお年寄りを助けてるってね」
どうやらセレーナ達の事は知れ渡っているようだ。
「お婆ちゃん?行こう?寂しくないよ?」
「とても村まで歩けないよ」
「お~…」
ユーマは困ってしまった。
『チュウ!』
すると折り紙ポーチからネズミ達が出てきた。
「お~?ネズミさん?」
『チュウ!チュウチュウ!』
ネズミ達は任せろと言いたそうに胸を叩いた。
「ネズミさん?なんとか出来るの?」
『チュウ!』
「お願いします」
『チュウ~!』
ネズミ達は早速作業に移った。
『チュウ~!』
ネズミ達は廃材を集めて馬車を完成させた。
「なるほどね。馬車ならお婆さんを運べるわね」
「お婆ちゃん、行こう?」
ユーマはお婆さんにもう一度訪ねた。
「わかったよ~。ここまでしてもらって悪いね~」
セレーナ達はお婆さんの荷物を纏めるのを手伝い、馬車で村まで帰った。




