第103話
「駄目に決まってるでしょ」
「お~…結婚って悪い事なの?」
「結婚ってのはね?一緒にその人と一生暮らすって事なんだよ?」
セレーナは分かりやすく教えていた。
「お~?」
「要するにユーマにはまだ早いって事」
「お~…ならお姫様困ったまま~…」
ユーマがしょげて呟いた。
「わかったわ。お姫様に会って理由を聞いて見ましょう」
「ありがとう~!お姉ちゃん!」
「もう」
抱きついてきたユーマをそっと抱き締めた。次の日、セレーナを乗せて魔導騎兵と共に城にやって来た。
コンコン
「入るのじゃ」
「こんにちは~♪」
元気良くユーマはフローラの部屋に入った。
「おぉ、ユーマ殿?セレーナ殿も一緒か?」
「はい、結婚の事について話を聞きたくてやって来ました。」
「おぉ、その事か」
フローラはお茶を用意すると語り始めた。
「話しは少し前になる、妾に結婚を申し込んできた貴族がいてな?身分は問題ないのじゃが中身がの~…」
「王様に頼めば断って頂けるのでは?」
「政略的には問題ないから厳しいの~…」
フローラはため息を吐いた。
「ですがそれでなぜユーマを婚約者にしようと?」
「ちと調べての?ユーマ殿はあのソラ・トレイルのお孫さんなんじゃろ?」
「やはり、気付かれましたか」
セレーナはバレてしまったと思った。
「お姫様、お婆ちゃんを知ってるの?」
「知らない方が難しいな。あの宮廷魔法使いのソラ・トレイルを。しかもこんな後継ぎが居たとはな」
「ほぇ~。お婆ちゃん、有名人だったんだ」
ユーマは驚いていた。
「なんじゃ?知らなかったのか?」
「うん…お婆ちゃんとは永く居られなかったから…」
「すまぬ…」
フローラは申し訳なさそうにした。
「それで、ユーマと婚約が繋がるのですか?」
「ソラ・トレイルの孫となればその血筋を欲しがる貴族は多かろう。王族とて例外ではない。実際ユーマ殿は色んな物を作っておるし、魔導機も沢山持っとるしの」
フローラの説明を聞いたセレーナは…
「姫様の王位継承権は?」
「兄上が居るからの」
無いに等しいらしい。
「お~…わかんない」
ユーマには難しかったようだ。
「いっそ妾も冒険者に…待てよ?」
フローラは悪巧みを考え始めた。
「では、これで…」
嫌な予感を感じたセレーナは逃げ出そうとしたが…
「待つのじゃ」
フローラに止められた。
「のうセレーナ殿?お主等が炊き出しをしてる場所を管理する必要があるとは思わぬか?」
「えっと…」
「妾は思うのじゃよ?誰かしら貴族に近い者を彼処に置き、地域を管理する必要があると」
淡々と語り出すフローラ。
「そして妾も外を知るべきじゃと思うのじゃよ」
「姫様!流石に無茶苦茶ですよ!」
「ユーマ殿?」
フローラはユーマを見つめると…
「妾の事好きか?」
「お~?嫌いじゃないよ?」
「王位継承権が無ければ婚約者が平民でも問題ないな」
まさに好き勝手にしているフローラだった。




