果たして僕に夏は来るのだろうか。
思いっきり短編
思いついたのでざっと書いてみました
ちらっと読んでみてください
果たして僕に夏は来るのだろうか。
冬は我慢の季節だと人は言う。雪の下で春を待ちながら太陽の光も見ないでただただ耐えるのだと。僕もその通りだと思う。反論もしない。そして夏が来て日の光の下思い切り手の平まで広げて成長するのだ。
2008年8月XX日13時 場所・日本
すべての日本にいるすべての人々は日の光を浴び、いらない紫外線の前で日傘を広げたり日焼け止めクリームを塗ったりサングラスを掛けたりして対抗している。
ただしどんな場合にも例外的存在が必ずいる。いや、いなくてはならない。例外的立場にいる僕から見るとそう言わなくてはならない。
新聞記者をしていた僕は絶対的悪を取材していて事故にあった。当たってきた車のドライバーは警察に当てるつもりは無かったとずっと弁解していた。必死な顔をして謝っていたが僕にはすべて分かっていた。あいつらかと納得した。訴えたところで優秀な弁護士をつけて事件を闇に葬り去る彼らにはそういうものは絶対的に無駄というものだ。
しかし、彼らはもっとひどいことをした。今では真相 疑惑 最後に僕 が土の中だ。家の中で生活していて酸素を吸い、飯をかっくらっている。だが、ぼくの生死は彼らの手の内だ。生きてはいるが今では完全な永遠の牢獄だ。目を閉じ、耳を澄ますとまだ僕の家の上には土が掛けられている音がする。
酒 女 食べ物 全て玄関のエスカレーターから配達される。僕がドアノブに手を掛けても回せないのに地上からはそういったものが送られてくる。
夢はあるが希望はない
なんでもあるがほしいものはない
絶望の中にいるが死ぬ勇気もない
無理にドアを開けたらいやなことが起きそうだ。今のままであれば平安無事が約束されている。今の生活を僕は捨てられるのか。事実今の生活を受け入れ楽しんでいる僕自身がいる。昔の生活はうそみたいだ。最近では自分の想像かもしれないと疑う自分がいるが必死に振り払う。玄関と居間の往復が毎日の中で増えてゆく。ソファーを玄関に近いドアの方に移動させた。
もう うんざりだ。ドアに一歩ずつ近づく。取手に手を掛ける。そして・・・・
果たして僕に夏は来るのだろうか。