第八話 勇者狩り
この作品では三週間ぶりです。忙しすぎる…orzそして短くて申し訳ない…スマホほんとやりづらい
『ジョブ』…それは不変なるもの。人々はジョブを与えられ、それに従いその一生を終える。
ただし中には意図せず、または意図的に変わる者もいる。
代表的な例が、『戦士』から『騎士』。これは戦士の中でも名誉な例であり、紛うことなき好例であり、誰しもがなれるものではない。
しかし誰しもが望み、簡単に『堕ちる例』もある。
それらの『ジョブ』を持つ者は総じてこう呼ばれる。
『罪人』…。
『盗賊』や『強盗』、『詐欺師』…彼らのジョブは様々だが、漏れ無く掟や法に触れ、追放された者たち…。
彼らの中には徒党を組む者も現れ、そしてある制度に目をつける。
『勇者支援制度』。
勇者とは、魔王を討つ運命を与えられると同時に、多大な恩恵を得る。
中でも一番重要なのが、『信用』。
勇者というだけで無条件に信用されるというのは重要なメリットだ。
追放された彼らと違い、審査の厳しい町や城にもフリーパスで入れるというのは、天と地の差がある事だ。
彼らとて腹は減る。服や武具などは消耗する。ずっと外で生きていくわけにはいかない。
行商人や吟遊詩人のような旅人を襲う事も出来るが、買い物の値引きや宿などの誘致、勇者を名乗る方が勝手がいい。
彼らの手口はこうだ。
町や村に向かう途中の勇者達を殺し、心臓にあるコアを破壊する前にクリスタルを部位ごと(大抵は腕)切り取る。
そして服の袖などに巧妙に隠し、さも自分の腕かのように門番、または商人に見せる。
しかし切り取られた腕も次第に腐敗し、クリスタルの表示も薄れる。
クリスタルは心臓のコアと同様砕いて金にする事も出来るが、勇者の証明が無くなってしまう。
そうすると新たな『獲物』を探して刈る。
彼らはいつしか、『勇者狩り』と呼ばれるようになった…。
そしてここにも勇者狩りの一団が一組…。
「あーあ、またノエルに先越されたかぁ!」
「ここらの魔族って以外と複数同時に現れるからな。お前が取り逃がしたやつらは必然、俺らに向かってくるもんよ」
「にしてもアリスが二桁一番で、ノエルが二番かぁ…俺、勇者なのに」
「私が一番なのは当然じゃない」
「ソアラ、そんなに焦らなくても。私も…一桁だし…」
「ミゼルは、案外回復って出番ないからな。仕方ないよ。でも二桁三番手は俺のもんだからな!」
「えぇー!」
姿を隠す茂みの向こう、四人の少年少女が騒いでいる。
「親分、今…」
「あぁ。あのガキ、勇者っつったな」
いくつものギラギラとした目が、その様子を捉えていた。
「向こうは…四人か。二人分足りねぇな」
親分と呼ばれた、ボサボサの長髪の男が呟いた。伸ばしっぱなしのクチヒゲと顎髭が繋がり、頬がこけてギョロっとした目を強調させる。
「まぁ今回は上々じゃないスか。女二匹、売り飛ばせばあぶれたやつらの飯代くらいにはなりやすよ」
親分よりやや小柄な、同じくやつれた男が笑う。ハの字に下がったら眉が揺れた。
「なるほど…ありゃ上玉だな」
「野郎はどうしやす?」
「殺しても構わんだろう、いつも通りだ。男は殺し、女は…」
親分は仲間を見渡し、溜め息をついた。
「構わんが、売り物にあまり傷をつけるなよ?」
面々が小さく喜ぶのを見ると、息を殺し制止を呼び掛けた。
「だが、まだだ。やつらのレベルはまだ10そこそこだ。やられることはねぇだろうが、万全を期す」
「まぁたギルテの旦那の心配性が始まった」
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