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俺だけレベルが上がらないのに、補助AIの「最適行動」で世界最強に!?  作者: qp46


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第19話 継続中


森を抜けて街へ戻る頃には、日はすでに傾き始めていた。門をくぐった瞬間、張りつめていた空気がほどけ、人の声や屋台の匂いが一気に押し寄せる。その変化に、ようやく戦闘が終わったのだと実感する。


「……今回は、かなり疲れたかもな」


ぽつりと漏らす。


レナがわずかに視線を向ける。


「……それなりにね」


短い返答。それ以上は続かない。


グレートファングウルフとの戦闘は、この辺りの基準を明らかに超えていた。体に残る重さが、それをはっきりと示している。


「とりあえずギルド行くか……報酬も気になるし」


「ええ」


並んで歩く。会話は途切れるが、不自然でもない。それぞれが頭の中を整理しているだけだった。


ギルドに入ると、いつものざわめきが耳に戻る。素材をカウンターに置いた瞬間、受付の手が止まった。


「……これ、グレートファングウルフですか?」


「ああ、多分それで間違いないと思う」


周囲がざわつく。職員は素材を抱えて奥へ消えた。


「時間かかりそうだな」


「上位種だからね。雑には扱えない」


レナが淡々と答える。


待つことになった。


最初は立ったままだったが、途中で空いた席に腰を下ろす。視線を向けられているのは分かるが、気にするほどでもない。


やがて名前を呼ばれる頃には、窓の外はすでに赤く染まっていた。


「確認が取れました。こちらが報酬になります」


提示された金額に、思わず視線が止まる。


(……でかいな)


 


『報酬:18,000Gを獲得しました』


 


(所持金:32,450G)


 


レナも同じ表示を見ている。


「かなりいいわね」


「だな……これは想像以上だ」


それ以上の言葉はいらない。それで十分だった。


ギルドを出ると、空気は少し冷えていた。昼の熱が引き、街は夕方から夜へ移り始めている。


「どうする」


「装備、見直した方がいいな。さすがに今のままだとちょっと怖い」


レナが一瞬こちらを見る。


「……そうね」


それだけ言って歩き出す。


装備屋に入ると、鉄と油の匂いが鼻をつく。店主が無愛想にこちらを見上げた。


「何を探してる」


「剣と防具。できれば動きやすいのがいい」


「予算は?」


一瞬だけ考える。


 


(所持金:32,450G)


 


「……30,000Gくらいまでなら出せる」


 


店主の目つきがわずかに変わる。


「……ほう」


数本の剣が並べられる。一本ずつ手に取り、振り心地を確かめる。


重さ、重心、扱いやすさ。触れた瞬間に、それぞれの違いがはっきり分かる。


(……見えるな)


どれが合うか、自然と答えが浮かぶ。


『推奨:二本目』


(これか)


他も一応確認するが、結局戻る。


「……これでいいか。いや、これが一番しっくりくるな」


「……早いな」


「まあ、なんとなく分かるっていうか」


レナが一瞬こちらを見る。


何か言いかけて、やめる。


(……なんだ)


聞かない。


防具も同じだった。いくつか試着し、動きを確かめ、必要な調整を入れる。その分、時間はしっかりかかった。


気づけば外の光はほとんど落ちている。


「悪くないわね」


「そうだな……思ったより動きやすい」


短く確認して終わる。


会計を済ませる。


 


(所持金:7,820G)


 


(……だいぶ減ったな)


 


店を出ると、街にはすでに灯りがともっていた。昼の喧騒は消え、夜の静けさが広がり始めている。


「今日はもう休む?」


「……そうだな。さすがに一回落ち着きたい」


体はまだ動く。だが、頭の奥に残る感覚が気になっていた。


(……考えたいな)


あの“最適”に任せる状態。


ふと、視界の端に意識を向ける。


 


『サブスク効果:残り18時間03分』


 


(……結構減ってるな)


 


半日近く動いていたらしい。


(あと、まだこれだけ使えるのか)


その表示を見た瞬間、妙な感覚が広がる。


迷いが消える。


判断がいらない。


ただ従えばいい。


(……楽だな)


 


――でも。


 


(……いいのか、それ)


 


ほんのわずかに引っかかる。


うまくいきすぎている。出来すぎている。


「シン」


レナの声で意識が戻る。


「なに考えてるの」


「いや、ちょっと考えてただけだ」


レナはそれ以上踏み込まない。


ただ、わずかに視線が残る。


(……気づいてるな)


『最適化、継続中』


その表示が、妙に目につく。


(これ、切れたらどうなる)


答えは出ない。


街の灯りが揺れる中、その違和感だけが静かに残り続けていた。

挿絵(By みてみん)

新装備のイメージ画像を生成しました。


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