フォレストジャガーの群れ
フォレストジャガー単体の戦闘能力は軽視できるわけではないが、対処できないほど高いものではない。
しかし、それは単体でのことであって、あの時の様に集団戦闘になるとその力は何倍にもなる。
「カイ! どうする!?」
「ギル、こっちにも周り込まれた。かなり前から囲まれていたらしい。全部を相手にしたらやられる。」
「てことは・・・」
「ああ、一点突破だ。ティア! 行けるか!?」
「当たり前でしょ!」
ティアは回復系のスキルを主体としている回復担当ではあるが、複数の役割をこなせなければ一流とは呼べないという信条から攻撃スキルについても取得している。
それも、対集団戦用の物を好んで取得していた。
おそらくは性格的な物と相性がいいのだと思うが、ギルと私が撃ち漏らした敵が発生する場合を集団戦闘による物量で起こりえると彼女は考えたんだろう。
結局のところ、彼女のそういう面倒見の良さにいつも私たちは助けられていたという事なんだ。
いや、『私が』かな・・・
「我、火を放つ者。爆炎を求める者。焔よ、我が手に集いて目の前の敵を焼き払え。フレアバレット!!」
ティアの体内に蓄えられたプラーナが炎へと変換され手のひらから放たれた。
進行方向のフォレストジャガーたちが爆炎に巻き込まれる。
「今だ、全力で駆け抜けろ!!」
爆炎によってできた突破口へ向けてギルが突入し先導する。
それに連動してモスボー達は瞬時に行動を開始してくれた。
彼らもまた修羅場を潜り抜けてきただけあってこちらの意図を理解するのが早く、そこには救われる部分が大きかった。
私はモスボー達を先に行かせて殿を務める。
とったポジション的にもそれが最適だったし、なにより、ここに、この場に、彼が来ているのかを確かめる為に最適だった。
「ギル! ティア! ここは俺が受け持つ!」
「私も残るわ!」
「ダメだ!!」
その時の私はよほど激しい圧を放っていたのだろう、直接意識を向けたティアだけでなく周囲に居たフォレストジャガー達も圧倒され間合いを取るほどだった。
「俺がここで押さえる。ティアは俺が打ち漏らした奴らを確実に1体ずつ仕留めてくれ!」
我ながら、よく口が回ってもっともらしい事を言ったものだと思う。
ティアもこれにはすんなり納得した。
「わかった。無理は禁物よ。」
「ああ、こんなところで死ぬつもりはない!」
残された私は、襲い掛かってきたフォレストジャガーに対応しながらそれがヴェルナかどうかを確かめていた。




