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マオと猫型亜人が先行し、狼型亜人は後に続いた。

洞窟を進むと後ろから音がした。

ドスン!スン、スン!

何かが鼻を鳴らす音だ。

狼型亜人『まずい!天井に張り付いてたんだ!どうします?!隊長!』狼型亜人は小さく叫ぶ。

猫型亜人『ヤツがニオイのもとだ。奥に逃げなきゃ!』

マオ『俺が先頭、真ん中に猫、シンガリは狼、お前がやってくれ!』

前にも敵が潜んでいるかもしれない。その場合は、マオなら魔法で切り抜けられる。

マオ『いくぞ!』

猫&狼『『了解。』』

3人はゆっくり早く奥へ進んだ。

曲がり角で猫型亜人が叫ぶ。

猫型亜人「!前からもなんかくるよ!?」

マオ「!?」

狼型亜人「くそ!二匹いやがるのか!?」

洞窟の曲がり角からでてきたのは目の退化した洞窟の岩肌によく似たゴツゴツした大きな人型のバケモノだった。

手に吸盤が付いている、これで天井に貼り付けるのだろう。

猫型亜人「耳、鼻が発達してるのかな?」

狼型亜人「冷静に分析してる場合か!?」

狼型亜人は腰の剣を抜いた。

狼型亜人「隊長!時間稼ぎますから、前のを早めに倒して下さい!」狼型亜人が一声、咆哮すると後ろのバケモノに立ち向かっていった。

マオ「こうなりゃ、やってやらぁ!」

マオはこの時、力加減を間違った。

ズバぁ!

マオの右手の一薙でバケモノは両断されたが洞窟も一緒に崩れた。

とっさに後ろに下がったは、いいものの、

猫型亜人「行き止まりになっちゃったよ!」

狼型亜人「えええー!なんてこったい!?」

マオ「後ろのもやればいいだろ!俺はもう逃げない!」

狼型亜人「逃げ場は隊長が塞いだでしょー!?」

マオと狼型亜人は場所を入れ替えた。マオの力では味方にも当たってしまう。

マオ「マフのところで教わったんだ、くらいやがれ!」

両手から放たれる無数の光弾、しかし、マオのソレはマフのものより威力が大きかった。

バケモノはミンチのように弾けた。

ついでにバケモノを貫通した光弾が洞窟を破壊する。

猫型亜人「うわー!崩れるー!」

3人は、這々の体で渓谷の割れ目、広間に戻ってきた。

狼型亜人「ハァハァ、だからやめとこうって言ったんです。」

猫型亜人「、ング。まさか、アソコまで加減ができないなんて……」

マオ「なんとか生きてるんだから、いいじゃん。」

3人は呼吸を整えると外に出て、後続と合流した。


マフ「だめねアナタ。力加減を知らないの?できないの?閉所は加減しなきゃ。」

おほぉ!ありがとうございます!

そのジト目がたまらない!マオは悶絶した。

マオが恍惚とした顔で身をよじってるのを見て、マフはドン引きした。

後続のゴブリン部隊と交代するように渓谷を離れたマオ達。先程の戦闘報告のレポートを入力するため端末の置いてある地上の転送装置のある施設に入った。

マオが端末に書き込もうとすると、そこに何処からともなくターマもやってきた。

ターマ「お手伝いしましょう。」

マオ「え?あ、ありがとう。正直、文字の入力は苦手なんだ。」

ターマ「ですよね。分かります。」

グサッ

けど、それがいい!マオは一生懸命、脳筋の言葉、少ない語彙で状況を説明した。

それを、ターマは自分なりの解釈、補足を交えながら緻密な言語で文章を構築していった。

マオ達は、仕上げに、頭脳職奴隷のイギギ達に見てもらう事にした。

イギギA「すごいな!マオ!この文章は素晴らしいよ!」

マオ「いや、ターマに手伝ってもらったんだ。」

マオの後ろ隣でターマも褒められて照れている。

イギギB「これなら添削も要らないな。新しく導入された亜人の特徴もよく書けてる。」

イギギA「きっとやつ……違った、キーリス様もお喜びになるだろう!」


いくらテクノロジーが発達しても全てが最新式に置換されない。資源には限りがある。議長室の電話の受話器もそう。この手にした紙の束の報告書もそうだろう。

キーリスは苦笑いした。

今日もいるかな彼女?また、赤面してでてくるのかな?

キーリス「議長。」


議長「キーリス。コレは本当かね?」

キーリス「リュウオウに対抗するためです。」

議長は報告書を机に置くと、手を組んで、くるりと椅子を回して、大きな青い星を見た。

議長「我々のやってることは神の領域だなぁ。」

キーリス「つくづくそう思います。」

議長「それで?やつらは泳がせるのかね?」

議長はキーリスに向き直った。

キーリス「やつらはマオを懐柔しようと試みてる、ならそうしてもらうだけです。」

議長「君の切り札は?」

キーリス「この船の気象兵器です。」

議長はため息をついた。

議長「コレを君が私のところに持ってきたときから、うすうすはそうじゃないかと思っていたが。」

キーリス「資源開発し尽くしたらこの星は要らないでしょ?気象兵器の使用許可を出して下さい!」

議長「君はホントにドライなやつだな。」

キーリス「でないと、遺伝子工学なんてできませんよ。」


村の屋敷に戻った。マオとターマは席についた。

マオは閃いて、ターマに新しい亜人たちを呼んでもらった。

猫型亜人と狼型亜人だ。二人は屋敷にやってくると、何を言われるのかと神妙な顔でマオの言葉を待った。

マオ「亜人が増えてきたから、二人に個人を特定する名前をつけようと思うんだ。」

猫型亜人&狼型亜人「「俺たちにも名前をくれるんですか?」」

マオ「うん!これからよろしく頼むよ、2人とも。」

しばらく、マオは上を向いて考えた。

マオ『ニャンとワンだと安直過ぎるよなぁ。かと言って、俺ってあんまり語彙がないからなぁ』

ターマ『私が考えましょうか?』

ん?頭の中にターマの声が聞こえる。幻聴か?と思ってマオはターマの方を向く。ターマはそれにウィンクして応えた。

あぁ、この子は俺の癒し、頭脳、

足りないもの全てをくれる。そんな気がする。

俺は支配されたい願望があるのかもしれない。

ターマ『ニーアとアッシュなんでどうでしょう?』

マオ『なるほど、アッシュはなんで?』

ターマ『えーと、毛並がその灰色だから……。』

マオは恥ずかしがるターマにキュンとした。

マオは2人に名前を与えた。

猫型亜人にはニーア。

狼型亜人にはアッシュ。

ニーア「いいね!」

アッシュ「俺はアッシュかぁ、かっこいいな!」

二人の亜人達が喜ぶ姿を見て、マオと、ターマも喜んだ。

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