表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/26

フェンリル

帝釈天アニキは剣と札による魔法体系構築の傍ら、カクリヨの研究を続けていた。

帝釈天アニキ「なんだこれは……」

亜人をカクリヨへ送る研究で今回の実験は失敗した。

しかし、大きな光の玉が魔法陣の上には呼び出されていた。カクリヨに送るはずの亜人はその光景に腰を抜かしている。

光『私は、かつて、リュウオウと呼ばれていたもの。』

光から頭に直接、声が聞こえた。

帝釈天『これ喋るのか?』「リュウオウの形ではないのか?」

光『形は滅んだ。あの姿にこだわる理由が私にはない。』

帝釈天「なるほど?」

光『私には今は何もない。必要ならそちらで設定してくれ。』

帝釈天「?そんな事できるのか?じゃあ人型になれる?」

光る球体は人型に姿を変えた。

帝釈天「おおすごい!」猿の亜人達も帝釈天の後ろに集まってその光景に息を呑んだ。

光『次は顔とか?』

帝釈天「顔かぁ……」

帝釈天は端末のモニターにラーヴァナの顔を映した。フラッシュが眩しかったのか片目を閉じかけている。

帝釈天「これとか?」

光は光るのをやめ、その画像の中にあるラーヴァナそっくりの肌艶、顔になった。背丈は帝釈天達と変わらなかったが。

帝釈天『こりゃ面白い。』

猿型亜人A「片目を閉じてる……」

猿型亜人B「どうするんです、これ?」

帝釈天は後ろの猿たちに向き直った。

帝釈天「大発見じゃね?」


キーリスの大陸でもう一つの世界樹、最後の一本。それにはリュウオウはいなかった。

マオ「なんだ、拍子抜けだ。」

キーリス「だからといって俺んとこに来んな。」

遺伝子工学研究室の自分の席で報告書を受け取ったキーリスは早速、端末で宇宙の船にいる議長と連絡を取った。

マオ「?何してんだ?」

キーリス「伐採した世界樹を回収してもらうのさ。」

マオはあんなでかいものをどうやって回収するのか見当もつかなかった。

キーリス「資源回収船“ツキ”を下ろすんだよ。」

マオ「え?アレでかい星じゃないんだ?」

キーリスはマオ達に教えてなかった。知ってて当然みたいな顔をしている。マオにはそれが鼻についた。


資源回収船“ツキ”は海に降ろされた。その速度はゆっくりであったが、海面はすごく上昇し街や村々は水没した。

オペレーション“フェンリル”。夜の空に輝いていた大きな星は今は海に浮かぶ島となった。

世界中から巨人たちが世界樹を運び、闇世の中、解体して月の内部に運ぶ。

その何ヶ月もの間、選ばれた亜人や人間達は天空神殿で過ごした。許容量オーバーで選ばれなかった者達は、今頃、魚たちの餌だろうか?

天空神殿の端から水没した街をイギギ達とラミアが見ていた。

イギギA「計画を知らない、逃げた人間達は全滅だろうか?」

ラミア「かわいそうなことよ。」

そこへ、ヌアザもやってきた。

ラミア「ヌアザ様。」

ヌアザ「奴等には船を作れと啓示を与えておいた。今頃、何処かに浮いてるだろう。」

ヌアザはその場に居た所長イギギと目を合わせ頷いた。

所長イギギ「いよいよ計画を実行に移すときだ。」


帝釈天のグループがカクリヨから魂を呼び出し、名前とか姿形、能力など色々、設定している。

そんな興味の塊に魔女が一団となって彼の元を訪れるのは自然の流れだった。

元マフ直属の魔女集団ということで帝釈天は天空神殿の外庭まで出迎えた。

魔女A「面白い研究をしているそうですね?」

魔女B「カクリヨ技術ぜひ我々も拝見したい。」

帝釈天「おうおう、よく来た。こっちだ。」

帝釈天を先頭に一団はごった返すゴブリンや亜人達をかき分けて、天空神殿の帝釈天の執務室に入っていった。

最後の魔女が扉を閉めた時、帝釈天は背中に強い衝撃と激痛に襲われた。

帝釈天「!?え??!」

一人の魔女が背中に刃物を深々と突き刺している。

ど!どす!前に回った魔女も帝釈天に刃物を持って突進してきた。

帝釈天「こ、だから、女、てやつ、……」ドサッ

魔女A「オキツカカ"ミ。認識してない危機には発動しない、予想通りだ。」

魔女達はその場に居た猿達を素早く処理すると研究データを回収していった。

魔女B 「カクリヨ技術、それはマフ様だけのものだ。」

魔女A「撤収。各自転送。」

魔女達が一人、また一人と虚空に飲み込まれるように消えていった。

魔女C「あとはイギギ達がうまくやる。」

魔女D「我らは隠れるとしよう。」


帝釈天は白い空間に立っていた。

帝釈天「なんだ、ここ?」

向こうには黒い領域も見える。

帝釈天「俺は天空神殿にいただろ?」

すると足元に野原ができた。

帝釈天「?なんだいきなり?どうなってる?」地面には端があり、そこから眼下に黄色の雲が見える。

帝釈天が後ろを向くと、そこにはかつてリュウオウ戦に同行していた、ラセツとカルラの姿があった。

帝釈天「お前ら死んだはずじゃないのか?」

カルラ「お久しぶりです帝釈天様。」

ラセツ「俺ら、今まで光の玉の一部でした。」

帝釈天「光の玉?一部?」

カルラ「マフ様から追い出されましてここを彷徨ってました。」

マフがいる。てことは。

帝釈天「ここがカクリヨ!始めてきた!」

帝釈天は嬉しかった、マフの死後、ここの研究がずっとしたかったからだ。

帝釈天「俺たちでここの謎を解き明かしてやろうぜ!」


月が世界樹回収している最中に人間の一斉蜂起が始まった。各地の高い山々に退避していたゴブリンの集落が隠れていた人間の集団に襲撃されている。

マオ「闇夜に乗じてか?!やるな!」

キーリス「感心してる場合か!さっさと駆除してきてくれ!」

飛べないマオにそれを言うということは、転送装置が水没した今、天空から飛び降りて、一度死んで、泳いでゴブリンのところまで行けと言ってるようなもんだった。

マオ「やだね。ゴブリンなんてほっときゃいいだろ?」

キーリス「あ、あんなでも、一応、俺たちの財産だから。」

キーリスもマオの拒否は予想外だったらしく、自分の発言を咀嚼し反省した。

そこへ、急報が舞い込んできた。

亜人「大変です!イギギ達が反乱を!」

マオとキーリスは驚いた。

キーリス「!何をどうやって?!」『ついにか、くそっこのタイミングで!』

亜人「奴等、黒い剣や銃器で襲ってきてます!今はバリケードで応戦してますが!突破されます!」

マオは現場に急行した。

イギギ「来たぞ!マオだ!近づかせるな!撃て、撃て!」

ドガガガガ……!

マオはバリケードに隠れた。インベントリから光の剣を取り出す。

マオ『まずは!』

マオは銃撃の合間に身を乗り出して、何発か体にもらうも、八柄の剣(時空割断)でイギギたちを一掃した。天空神殿も内側から盛大に破壊された。

ビシュン!

光の剣を起動させたマオは土煙の中に、単身、突撃した。

人影を見つけたら問答無用で切り捨てていく。

イギギ「ゴホッゴホッ鉄騎砲はまだか!ギャア!」(ズバッ)

煙の中、声を発したイギギを切り捨てる。そのマオに斬りかかる人影があった。

ガキィン!!

マオ「?!」

すべてを切り裂くはずの光の剣と切り結んで鍔迫り合いをしてくるそれにマオは驚いた。

イギギ「黒の剣、デスブリンガーさ。驚いたか?」(グググッ)

得意げなイギギの顔が目の前にある。マオも苦笑いで返した。

マオは手元でハチノヒレ(無数の光弾)を放った。

たちまち切り結んでいたイギギの体は吹き飛んで無くなる。

他のイギギ「ダメだ!かなわない!ぐわ!」(ズバッ)

イギギ達は天空神殿の外に逃げた。

マオ「逃がすか!」

そこへ巨大な光るイノシシのような鉄の塊がマオに突進してきた。吹き飛ばされ、天空神殿の壁に激突するマオ

マオ「!…がっ!」マオは後頭部を割られて動かなくなった。

イノシシから電子音声が響く。

光るイノシシ『マカル返しが発動する!今のうちに早く、撤退しろ!』

生き残ったイギギ達は他のイノシシの腹の中に入っていって。全速力で飛び去っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ