Unlucky wolf
この村は、牧歌的であり外界から遮断されているように草原や山々があり青々が生い茂っていた
近くに大きな街もない、まさに田舎である
その周りの家々と比べるとひとまわり大きな
レンガ造りの村長の家がありその中の寝室に
ヴァンと言う村長の息子である10歳という少年がいる
ふと見ただけでは女性と見間違えるように綺麗な茶髪で肩まで伸びていて
そして男としては体全身が細く、儚さを帯びている少年がいる
そして年齢の割におとなびた雰囲気をしていた
不幸な事に天性的なもので足が弱く、歩くこともできなかった。それを不憫に思われてこれまで大切に育てれてきた動くことができないため本を読んで過ごしている
朝日が昇りだんだん村人が活動し始めた
今日から協会へ行き勉強をする事になった
しかし協会まで歩く事ができない為、これから紹介されるメイドに運んでもらう事になる
これからの方を考えると非常に憂鬱である
いくら村長の息子であれ歩くことができない事は子供のコミュニケーションにおいて致命的すぎると
あくびを噛み締めているとコンコンとドアがノックされる
「ヴァン朝食を持ってきたぞ」
ヴァンの父親のオスラーが入ってきた今日も気骨のある男らしい顔でとてもイケオジだいつも明るく、見た目の通り村の皆に頼られている
息子の僕には甘いがしっかり厳しいところがある
「今日から協会へ行のだな、調子はどうだ」
「父さんいつも通り元気だよ」
「しかし当日になると不安になってくるな本当に大丈夫か?」
「父さんの心配しすぎだよ」
「うむむ、そうか頑張れよ」
朝食が食べ終わるとお前の従者を呼んでくると部屋を出ていった
少しするとオスラーが今日紹介される従者を連れてきた
「今日から従者となる事になるアメリアです。どうかよろしくお願いしますヴァン様」
アメリアは綺麗に手を揃えてまるで自分の主人にする様にお辞儀をする、長い黒髪を纏めてポニーテールをしている顔はキリッとしているがよく見ると可愛らしい姿をしているおそらく化粧などは控えめになっていて美人さんと言えるだろう
そしてメイド服を着ていた
「ヴァン様?」
「こいつはなんというか固いやつなんだ、良いやつなんだがな」
オスラーは頭を掻きながら言いにくいそうにしている
「これから仕える事になるので形だけでもと」
と言い再びお辞儀したする
「できたら僕の方がお世話になりっぱなしになるから畏まらない方が嬉しいな」
「すみません、それはいただけません。それに言葉から姿勢を記すことが大切ですので、その上こう話す様に躾けられたのでこちらの方が喋りやすいのです」
これはどうやっても気安く話してもらえない様だ
「なら僕の方から気を軽くして話していくけど良いかい?」
「構いません」
父の言う通り固そうだ
「……そろそろ協会へ行く時間でございます」
「協会に行ってきます」
「ああ行ってらっしゃい」
「ヴァンのことはお任せください」
家を出ようとするとちょうどいいタイミングでヴァンの弟のデイビッドをあやしている母親のグレイスが出てきた二児の母親とは思えないような綺麗な容姿をしている
デイビッドは寝ている様だ
母はいってらっしゃいと手を振ってくれている
僕も振り返しておく
グレイスを見ていると自分もデイビッドと同じ格好をしていて
その上、女性にお姫様抱っこされているのがとても恥ずかしい
初めて協会へ行く門出だと言うのに格好がつかない
顔を手で隠しているとアメリアはどうかしましたかと心配している
これからも外に出るたび恥をかく事になるのかと
家から協会の道のりはとても長かった
リアル人狼の様なものを書きました