第97話 第三王子は反応に衝撃をうける!
アルラサンド王国の国民は、やはり筋肉に毒されていることを知る『シュウ』です。ロッキ○と暴れん坊(乱暴)って、そのうちストリートプロレスラーのモヒカンザンギエ○が出てきて怖そうだな……
日が昇り、エリスのお屋敷まで戻ってきました。軽く朝食を済ませ、みんなで『ハルタン』の視察という名の観光へ出掛けた。
はじめに下水道処理施設へ行き、二号生のみんなにとっては未知との遭遇である、水スライムとのご対面となる。
「今更ながらだけどハルタンって嫌な臭いしないわよね?」
「アルラサンドより臭くないわ」
――アルラサンド王国は僕からしたら無臭に近いです。一度おいでよ、フロンシニアス王国!! マジで鼻が曲がるぞ! 表通りはなんとか歩けるが、汚物通りと呼ばれているところを歩いてごらんごらんなさい。地面に積み重なった汚物をでまともに歩けないから……
さあ、来ました! 処理施設中心部!
「きゃゃゃゃゃゃゃゃ!!!!」
あちらこちらで女性陣の悲鳴が施設内で響いた!
――やはり、魔物との未知との遭遇は衝撃的だよなぁ……
「チョー!かわいい!」
「マジで一つ欲しい!」
「ぷよぷよしてる!」
「4つ並べたら消えるのかな?」
「連鎖よ、連鎖! 全消しよ!」
『ガクッ!?』
僕は、女性陣の反応に膝から崩れ落ちた……
――衝撃の意味が違うんかーーい!!
女性陣の反応に昇天しそうになりましたわぁ! 最後の方は水スライムの大虐殺やんけぇぇーーーー!!
◇
「おお、なんだこの広さは!?」
ビルダーが驚愕した顔で呟いていた……
「ここで、汚物水を処理して、綺麗な水にして、川に流すんだよ」
僕は、ここぞとばかりにドヤ顔で説明をした。
「あの半透明なぷよぷよしたものはなんだ?」
「あれは、水スライムという魔物だよ」
「あ、あれが魔物!?……」
――うん、うん! 普通はこの反応だよ。普通は! しかし、僕は、女性陣の反応をお手本にしてみる。
「かわいいだろ?」
「ハァー!? 何いってんだ! 魔物だぞ! どこが可愛いだよ!」
――ここは強気で行く!
「ぷよぷよして可愛いだろ?」
「お前、『たぬき』なのか? 普通は怖いだろ? まさか、お前は怖くないのか?」
「ああ、怖くないよ、僕の精神は豆腐で出来てるからね」
「豆腐って朝食で出てきたヤツだろ? 柔らかすぎじゃねぇーか!」
――ナイス、ツッコミ! ビルダー、ありがとう。君はやっぱり良いヤツだよ! あと、何時いかなる時も感謝を忘れてはいけない。
「元々、大人しい魔物だよ。襲ったりしてこないから大丈夫だよ」
「ホントか?」
「本当だよ。エサになる汚物を食べてるだけであとはニート生活だからな」
「シュウ。ニート生活ってなんだ?」
「働かないで自宅警備員している人のことだよ」
「自宅で警備員しているんじゃ、働いていることになるんじゃないのか?」
「自宅警備員というのは名誉職みたいなもんだよ」
「そうか…… 自宅警備員は名誉職なんだな。すごく高い地位なんだな」
「……………………」
――ちょっと違う気がしないではないが、大体は当たってるからヨシとしよう……
「一匹欲しくなっただろ?」
「いらんわ!」
――即答ですか? 即答なんですね。その言葉を聞いた水スライムさんは大号泣ですよ……
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