表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/211

第9話 禁断の入学式

泡を吐いて倒れているレイニーを引き摺りながら寮へと戻る途中で、突然目を覚ましたレイニーに激怒されて、その場に正座をさせられ説教を喰らう『シュウ』です。


喰らう…… レイニーさん! 貴女の拳が私の顔面にめり込んでいるのですが……


「なんですか!? あの人達、全裸ですよ! 全裸! 信じられない! あの筋肉ダルマ! キショッ! キモッ! グロ! 頭の脳みそのかわりに筋肉が入ってるんじゃない! 全員〇ね!」


レイニーさん…… こわい…… あと、『頭の脳みそのかわりに筋肉が入ってるんじゃない!』 と言いましたが、それを『脳筋』と言います。


パーフェクトボデェに感激しているものだと思っていたが、パーフェクトボデェに対する扱いが酷いです。それと最後の『全員〇ね!』 その一言は…… 相当やばいです……


「レイニーさん、落ち着いて!」


「あの筋肉ダルマが近づいて来るのを考えると…… いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「――どんどん迫ってくるよ!マッチョのインベーダーゲーム!」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ! やめてよぉぉぉぉぉぉぉ!」


昔のご老体弁〇士さんかな? レイニーさん、また顔が真っ青になってますよ……


「まぁ、聞いてよ。君がパーフェクトボデェに感動して倒れているうちに学院長と話をして、僕の身分はプロテイン商人の子息として学院へ通うことになったよ。 レイニーも周りから僕が第三王子とわからないようにしてくれ。これでモブ顔の僕に友達が出来る可能性が少し出てきた訳ですよ!」


「もう、どうでもいいです」


全てを諦めた無表情のレイニーさんと寮の前で別れた。 



入学の準備を進めて数日後、ついに入学式当日を迎えた。



学院と寮の同じ敷地内にある為、徒歩での通学となる。

学院指定の制服に着替え、持ち物よし! 忘れ物なし! 指差し呼称をし、万全の体勢整え学院へ向かった。


貴族でも平民でも構わない。兎に角、僕と友達になってくれたらそれでいい! ボッチだけは勘弁してほしい。と願いながら登校した。


「ロッシュウ様、ついに始まりましたね。楽しいボッチ生活……」


後ろから付いてくるレイニーさんはとんでもない呪詛をぶち込んできた!


「な、なんてことを…… なんてことを……」


僕は、全人生を掛けレイニーを劇場版・無限マッチョの闇に落とす事をここに誓う!


学院内の大講堂に着き、新入生が座る席を見渡し空いている席を探した。ほぼ席は埋まっていたが何とか見つけ座ることが出来た。


「ねぇ君、僕パトリック・シュナイダーって言うんだ。パトリックって呼んでね!」


隣りに座った金髪の男子生徒が馴れ馴れしく、声をかけてきた。


「あぁ、僕はロッシュウ・アルパトスだ。こちらこそよろしく! 僕の事はシュウって呼んでくれたら良いよ」


満面の笑みで答えた。ボッチにならない為なら何でもやるぜ! ――ドヤ顔


本名はロッシュウ・ニオ・アルパトスだが第三王子の立場を隠す為、ロッシュウ・アルパトスと名乗る事にしていた。


自己紹介を済ませ、初対面のせいか、ぎこちない会話だったがそれなりに親しい仲になった。


「シュウ、そろそろ式典がはじまるよ」


「じゃ、続きは式典が終わったらまた教室で」



式辞が始まり……



「式辞 トレスベン学院学院長…… ポウジン・グランド殿」


ポウジン・グランド学院長が!?…… ビキニパンツ一丁にネクタイを締め壇上へ上がってる!?  鋼の筋肉が正装とは…… マジだったんかぁーい! しかも秘書二人を引き連れて…… ビキニパンツ一丁にネクタイを締めての紳士の嗜み姿で! マッチョ・ジェントルメン……


学院長をセンターに両脇サイドには秘書二人が斜め後ろに立ち。


「私がポウジン・グランドである! 入学おめでとう! これが私が君たちに贈る式辞だ! 以上!」


ポウジン・グランド学院長が次々とポージングを披露し、秘書二人が『サイドリラックスポーズ右側』『サイドリラックスポーズ左側』で学院長に花を添える。新入生からは賞賛の声が次々と上がる!


「いい血管出てるよ!」

「肉詰まりすぎです密です‼ 筋肉は密でいいんだよ!」

「ケツのキレがバームクーヘン!」

「しぐれ煮!」

「プロテインにイースト菌混ざってんのかい!」

「後ろにもマッチョいっぱい。劇場版無限マッチョ!」

「プロテイン飲んだシルバニアファミリーか!」

「筋肉国宝!国立アルラサンド美術館に展示したい!」


さ、さすが…… ポウジン・グランド学院長! 学院長と秘書の二人は数々の賞賛の声を独占したのである。


粛々と式典は進み。


「誓いの言葉、一号生筆頭…… マリー・パワーネット」


マリー・パワーネットとか言う女子生徒が壇上に上がって誓いの言葉を述べる。


「オッス! オラ、マリー・パワーネット! 筋肉がワクワクすっぞ! 以上」


こ、これが一号生筆頭…… 強い! 強すぎるぞ! マリー・パワーネット!


絵画から飛び出してきそうな金髪の筋肉スレンダー美少女! そんな美少女が『筋肉がワクワクすっぞ!』って…… 恐るべしアルラサンドの美少女!


パトリック情報によると筋肉インマッチョ公爵と背中に鬼の顔を持つ公爵などの二つ名をいただく、パワーネット公爵の令嬢だそうだ。道理で威圧感がハンパないと思った。


こうして衝撃の入学式が粛々と終わりをつげた。


お読みいただき、誠にありがとうございます。

少しでも面白い! 続きが読みたい! と思って頂けましたら『ブックマーク』『評価』をお願いします。

『感想』もお待ちしております。



『評価』ボタン押して頂けましたらモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ