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第87話 第三王子は異世界の文化を変える!

邪悪の根源(レイニー)により、男性陣全員の心を壊す行動に恐怖する『シュウ』です。




「なあ、シュウ。もう、女性を信じることが出来ない…… こうなったら(おとこ)だけの世界を作ろう! なっ、シュウ。 そうだろ!もう女性はいらない!(おとこ)だけでいい!」



――!?バットがついに危ないことを言い始めてしまった……




僕は、バットを慰める為に優しく声をかけた。


「バット。それは違うよ。愛しい女性がいなかったら(おとこ)だけの世界は誰も居なくなってしまうよ。君は僕と違い憎たらしいほどイケメンで性格も良い、勉強も出来るし何より友達思いじゃないか」


「し、しかし…… もう、俺には女性を信じることが出来ない……」


「僕を信じるんだ!バット。親友の僕が言っているんだ。僕を信じてくれ!」


「わかった…… 親友のお前が言ってるんじゃあ、信用するしかないだろう」




「そのセリフ素敵! マリー! 次のアイデアが浮かんだわ! 次の新作は純愛路線で行くわよ!」



「――!? エ、エリス!? いつの間に居たの?」



「さっきから居たわよ。シュウ君って詩人さんなんだね。私にはそんなセリフ言ったこと無いのに…… 嫉妬しちゃうわ」



――!? エリスさん。よだれを拭いてから話して!



「もう、女性陣の話し合いは終わったから男性陣は中に入って良いわよ」


マリーが男性陣に声を掛けた。


「「「あわわわわぅマンボ!」」」


男性陣一同は、マリーの声に反応してビックリしているのか、ふざけているのか分からない状況になってる…… 女性不信が超加速で進み壊れているんだろう…… レイニーの磨きのかかった『ツンアク』は精神を崩壊させる威力があるなぁ……(棒) 



二号生全員が大広間に入り、緊急会議という名のお茶会が始まった。



女性陣の目がキラキラさせ、若干、よだれをキラキラ光らせながら何故か僕を見つめてくる。



――やっと僕の内面がら溢れ出すイケメンっぷりに気付いたようだな! ふぅ、今さら気付いても遅いのだ! 僕は、もうエリスに捕まっているのだから……



マリーがみんなにはあいさつをする。


「二号生のみんな、今日はみんなの貴重な時間をこのお茶会に使ってくれて、ありがとう。もう、女性陣にはある程度の事は話しているけど、男性陣には改めて話すわね。今、二号生の中で重大な問題がおきているの。それで、みんなにはその問題について率直な意見を聞きたいわ。まずは、シュウ。みんなの前に来て」


「ハイ! わかりました!」


マリーに粗相がないよう、軍人さんのように迅速かつ毅然とした態度でみんなの前に出る。背後から邪神トマトークミサイルの恐怖に怯えながら……


「今からシュウからみんなに謝罪があるから聞いてちょうだい」


「え~と、今までみんなを騙していました。すみませんでした!」


腰を90度に曲げ、どこに出しても恥ずかしくない謝罪姿勢だった! 第三王子であり、王太子の僕にここまでさせるとは…… マリーの教育(キョウフ)のお陰だろう……


「シュウ。俺たちに何を騙していたんた?」


パトリックが僕に質問をしてくる。


「実は……    みんな、すまん! 僕は、プロテイン商人の息子じゃなかったんだ!」




「――ハァ~。どういうことだ!シュウ! プロテイン商人の息子じゃないって!」


「シュウ! プロテイン商人の息子って、俺たちを騙していたのか!」


男性陣代表で、ダンベルとデッチャンが僕に詰め寄ってきた。


「い、いや。別に騙したくて騙した訳じゃないんだ……」


ダンベルが僕の襟首を締め上げてきた!


「じゃ、お前は誰の息子だったんだ!」


「く、苦しい…… 僕は……」



「フロンシニアス王国の第三王子よ。信じられないでしょ? みんなに説明している私でも今だに信じられないのよ。わかる?この気持ち!」


マリーが声が出せない僕に変わってみんなに説明してくれたが、その説明が酷すぎる……


「ハイ! 十分理解できます!サー!」


男性陣一同が声を揃えてマリーに返事を返す! いつからここは、海兵隊訓練施設になったんだろう……


「こ、これで僕が何者か、わかっただろう。そろそろ、その手を離してくれたら助かるんだけど」


「お前の都合なんて俺たちにはどうでも良いんだ! プロテイン商人の息子じゃないって事が問題なんだ!」


「ど、どういうこと?」


「みんなでお前から高級プロテインを安く譲って貰う計画が狂うじゃねぇーか!」


「ハァ!? なんじゃそれ!」


「俺たちには重要なことなんだよ! 俺たちにとってプロテイン商人の息子のお前が俺たちの最後の希望だったんだぞ!」


「わ、わかった!わかったよ! 全員に高級プロテインセットを送るよ。だからその手を離してくれ、苦しくて声が出せない」



「――!? ホントか? 本当に高級プロテインセットを俺たちにくれるんだな!」



「ああ、ホントにホント! 約束は絶対に守るよ」


「キャー、なんて素敵な王子様なの!」


「やっぱり王子様は太っ腹じゃないと!」


「やったー! 高級プロテインセットが手に入るぞ!」


「ごめん、シュウ。今まで君を誤解してたよ。君は本当に良いヤツだったんだな!」


「すまん、すまん。俺としたことがつい熱くなってしまった。高級プロテインセットありがとう!」



そう言って、ダンベルは僕から手を離してくれた……



――男性陣ならわかるが、女性陣のさっきまでの僕の扱いがものすごく違いすぎるんじゃないのか? 手のひら『ヒラヒラ』返し過ぎて女性怖い……



「良いんだよ。僕もみんなに身分を内緒にしてたんだから、みんなごめんよ」


「良いさ。そんな事は高級プロテインセットが手に入るんだ。お互い水に流そうじゃないか」 



――みんな…… そんなに僕のことよりも高級プロテインセットの方が大事なんだね……





みなさんはおわかりいただけただろうか?





この僕がとった行動が後に、この異世界の文化を変えることになることを……






キーワードは、年末、お世話になった人への贈り物、セット商品。



これが、異世界における『お歳暮』の始まりである!



(のち)に僕は、『ハムの人』ならぬ『プロテインの人』と呼ばれ超有名人になるのである……




「もう、シュウの事はその辺で良いかしら? じゃ、本題に入るわね」



――マリーが僕を雑に扱う……

 

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