第85話 第三王子は至高な存在!
邪神トマトークミサイルの餌食になり、あまりの理不尽さに涙目になる『シュウ』です
「話が進まないから私から説明するわね。最初に二号生の女性陣には私とマリーで説明をするは、その時はシュウ君にもいてもらうからそのつもりでいてね。女性陣を説得出来たら次は男性陣になるわ。男性陣も私とマリーで説明をするわ。バット君にはみんなのフォローをお願いすることになるわ。ここまでは理解できた?」
「「OKであります! サー!」」
僕とバットは元気いっぱいに返事を返した!
いつ邪神トマトークミサイルが発射されるかわからない状況なので不要なことは極力しない方向へと舵を切った!
「あの~、エリスさん。男性陣の時、僕は何をすればいいのでしょうか?」
「シュウ君は居てくれるだけで良いわ。あとは、みんなに身分を隠していたことを謝罪してくれたらそれで良いわ」
「了解しました!」
「マリー。女性陣にはいつ話すつもり?」
エリスがマリーへ問いかける。
「私としては早い方が良いと思う。そうね。みんなが冬休みの予定入れる前に説得出来れば勝算はあるわ」
「マリー、再来週の休みでどうかしら?」
「そうね。急だとみんなの予定があるかもしれないから明日にでもみんなに緊急会議のお茶会ということで話しておくわ」
「マリー。ありがとうね。頼りになるわ」
「何を言ってるの。私とあなたの仲じゃない。遠慮は無用よ」
――どちらかといえば僕とバットは、いらない子なんじゃないのか?
「シュウ、バット。あなた達にパワーネット公爵家の交渉術が、どういうものか見せてあげるわ」
――マリーの笑顔が邪悪な邪道神のように見えた…… こわいよー!
そしてレイニーは、いつの間にかマリーが用意してくれた高級お菓子と共に……
居なくなっていた……
◇
いよいよ、二号生緊急会議インお茶会が始まりました。午前中は女性陣が集まり午後から男性陣を交えてのお茶会です。午前中と言っても冬場は暗くなるのが早いので、早めに女性陣の会議が始まりました。ただいま、午前8時です。一応、マリーのお屋敷にある大広間にはみんなの声が漏れないよう防音魔法が施されております。これで、大声を出しても大丈夫!
女性陣13名と男性陣はバットと僕の二人です。ハーレムです!
マリーが議長役となり話を進める。
「今日は、みんなに大事な相談事があるの。それは、二号生の全員の協力が必要なことなの。それで、みんなにはこの問題の力になって欲しい! 勿論、タダで協力してくれとは言わないわ。それなりのお返しはさせてもらうつもりよ」
「マリーのお願いだったら何でも聞くわ。その相談事って話してちょうだい」
「ありがとう。みんな! 相談事を話す前にシュウからみんなに話があるみたいなの。シュウあとは、お願いね」
――マリーがいきなり僕に話を振ってきた!? そこに居るだけで良いからと話をされただけで打ち合わせらしいことはしていなかった…… この邪道神め!
「………………」
急に話を振られ戸惑っていると、エリスが助け船を出してくれた!
「ここにいるシュウ君と私、エリスは婚約の運びになりました!」
「……………………」
「――!? えっ! 嘘でしょ? エリス自暴自棄になっちゃダメよ! ちゃんと自分のこと考えて!」
「エリス!? 正気なの? 毒でも飲んだ? 飲んだのなら早くペッしなさい!」
「エリス!? あなたセンスがあると思ったけど男にはセンスが無かったようね……」
「エリス! シュウがプロテインの子息だからなの? そんなに高級プロテインが欲しいの?」
「――!? お金なの? そんなにお金が大事なの? そこにアイはあるんか?」
――!? 散々な言われようだな……(泣)
いや、待てよ!? 女性陣からの罵詈雑言は、僕とエリスの仲に嫉妬しての『ツンバト』じゃないのか? そうか! なかなか可愛いヤツラめ。今回の『ツンバト』は、僕とエリスの仲の良さに免じて許してやろう!
「エリス!? 何を暴走してるの? 違うでしょ! みんな!誤解しないで!二人とも相思相愛だから! あと、みんなに報告するのは、シュウがみんなに秘密にしていたことよ!」
「ごめんなさい。ついみんなにシュウ君のこと早く言いたくて……」
マリーが、あきれ顔で話し始めた。
「もう、私から話すわ。シュウのことなんだけど、みんなには内緒にしていたことがあったの。私もつい最近知ったことなんだけど、シュウって見た目はこんなモブザコ感ハンパないでしょ。でも、実はフロンシニアス王国の第三王子だったのよ! 信じられないわよね! 私だって今だに信じられないもの!」
――聖女オブ聖女のマリーさん。あんたも相当もヒドイよ。バットも僕を憐れみの目でガン見してますよ……
「マリー、言って良い嘘と悪い嘘があるの。今のは超極悪レベルの嘘だわ」
「王子様って爽やかで素敵なイケメンじゃない! モブザコとは違うわ!」
「フロンシニアス王国に絶望したわ」
「でも、フロンシニアス王国の国王様と王妃様って、美男美女で有名じゃなかった?」
「私の爽やかで素敵なイケメン王子様のイメージが崩壊してしまうわ!」
「何でいつもボス役なのか分ったわ。モブザコだから王子様役が出来なかったのね……」
――やはり、『ツンバト』の件は許さん! 最後のメアリー嬢の捨て台詞が心の奥底に天下三名槍のひとつ蜻蛉切が刺さった気がする……
バットが僕のあまりにも悲惨な状況に助け船を出してくれた?
「マリーが言っていることは本当の事だ! その証拠にシュウ、この前の国王陛下と王妃様の肖像画を貸してくれ」
そう言って、僕から父上と母上の肖像画を受け取り、肖像画と僕の顔を見比べながら女性陣に説明をしてくれた…… なんだろう、この虚しさは……
「――!? ま、まさか、こんな奇跡が存在するなんて!」
「遺伝って怖いわね」
「まさに神の領域クラスの神業だわ!」
「シュウの存在自体が至高なものだったのね」
「残念だけど納得したわ……」
「………………」
――解せぬ!
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