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第81話 大狂乱!サイドチェスト祭!4

僕は何を見せられているんだろうと考え込む『シュウ』です。まだ、終わらないのかな?



横で座っているエリスを見ると


『フンス! フンス!』と鼻息が荒い。そして、目が輝いている…… 何を期待して興奮してあるんだろう。マリーのことも気になり、マリーを見ると、前のめりにならアガシ先輩とジャキー先輩を鼻息荒く凝視していた。周りから見たら邪神そのものですよ!


筋肉(マッチョ)大好きなマリーならわかるが、筋肉(マッチョ)嫌いのエリスが、ダブル筋肉(ゴリマッソー)に大興奮なんて、BLの世界は深いな……





一号生、二号生、三号生、観客が感動して涙を流している近くでは、別の意味で涙を流す二人。 すみません。訂正です。涙じゃなくヨダレでした。謹んでお詫び申し上げます……



――レイニーといえば、ジャキー先輩とアガシ先輩のやりとりを呆然としながら立ち尽くしていた。暑苦しいダブル筋肉(ゴリマッソー)にドン引きしてるかもしれないなぁ、あの顔は…… どうりで動かないわけだ。



グランドでは、先輩と後輩、卒業生と在校生、夢を託した(おとこ)と託された(おとこ)感動的な物語(チャバンゲキ)をありがとう。と言わんばかりの大喝采が巻き起こった! 学院長と秘書さんの二人も感動で、ドラミング(胸叩き行為)をしている。どの角度から見てもゴリラそのものだった…… あのゴリラども動物園から脱走して来たのかも?



しかし、その感動的な物語(チャバンゲキ)をぶち壊そうとする。空気の読めないヤツがいることをみんなは忘れている…… 僕は知っている。邪悪の根源(レイニー)を……



「私をガン無視していつまでくだらねぇことしてるんじゃねぇ! なめたら、なめたらいかんぜよ!」



――な、懐かしい邦画『鬼龍院〇子の生涯』を再現してくれるとは、レイニーも少しは空気を読めるようになったらしい……

演技はその場の空気が大事なんだ! 相手との間の取り方、急なアドリブでの臨機応変な間の取り方など、演技には空気を読む力が大切なんだ! いま、レイニーは空気を読もうとしている。これでヤローも一流の舞台女優になれるだろう。



レイニーはさらに続ける。


「やはり、キサマらは地獄に落とす。地獄の三丁目すら生ぬるい、地獄の豆腐5丁目だ! お前らにこの意味がわかるか!」



――!? 突然、レイニーが訳のわからないことを言い始め、僕の考えよりも遥か斜め上の行動するレイニー。しかし、地獄の豆腐5丁目ってなんだよ!意味わかんねぇーよ!




レイニーは再びフレイルを持ち構えた。そして、


「今日がお前たちの命日にだと思え! サイドチェスト祭に相応しい皆○しショーだ!」



――レイニーさん…… または、自称『クールビューティー』のレイニーが昨年に引き続き、ぶっ壊れた!



「やめろー レイニーさん、話しが違うじゃないか!?」


「こっち、くんなー!」


「なんで俺の方にくる! あっちにアガシたちがいるぞ!」


「ギャァァァ! 逃げろ! ビキニパンツあげるから許してー!」


レイニーはフレイル二刀流を器用にぶんまわしTバックのビキニパンツを履いている男子生徒を襲い始めた…… 余程、投網(あぶないとあみ)が嫌だっただろう。僕だってあの投網(あぶないとあみ)とは関わりたくない。



――Tバックのビキニパンツなんて誰も欲しがりませんよ…… さっきまでジャキー先輩とアガシ先輩の姿に涙を流していたのに、当然のように先輩二人をレイニーに売るあたり三号生の先輩方には心地よいほど清々しさを感じる……



レイニーはフレイルを地面を置き、落ちていた投網(あぶないとあみ)を黙々と拾い始めた。しかも、素手で……



慈悲深い僕は『おかん』の気持ちになって、レイニーに叫ぶ!


「レイニー! そんな、ばっちぃ投網(あぶないとあみ)はポイしなさい! 今すぐに手を消毒して来なさい! 直物(モロコカン)投網(あぶないとあみ)はバイ菌だらけよ!」



レイニーは僕の声をガン無視し、投網あぶないとあみを拾い続けた…… (おかん)の心(レイニー)知らず。とはよく言ったものだ。



そして、レイニーは集め終えた投網(あぶないとあみ)を三号生の男子生徒たち(ビキニパンツ)に向け、これまでのお返しとばかりに全部、漁師の如く投げた! すべての投網(あぶないとあみ)はきれいに広がり、スローモーションを見ているかのように三号生の男子生徒たち(ビキニパンツ)を捕らえる……






広がった投網(あぶないとあみ)は三号生の男子生徒たち(ビキニパンツ)の頭を越え、僕の方へ飛んできた!? まるで走馬灯を見ているようだった。マジで?


『バサンッ』


投網(あぶないとあみ)は僕の頭から全身をすっぽりと捕らえた! 僕はこの状況に困惑しパニックになった! パニック状態の中、隣にいたエリスはどうなったのか心配になり、エリスの方を見るとそこにはエリスは居なかった…… よく見ると僕から離れた所に立っていた…… いつの間に逃げたんだろう……


パニック状態から徐々に冷静になってきた。冷静になるにつれ直物(モロコカン)投網(あぶないとあみ)である事を思い出してきた。



「ギャァァァァァァァァァァァァァァッ!」



グランドの片隅で僕の悲鳴が響き渡る……



こうして、二年連続でサイトチェスト祭は中止になった……


お読みいただき誠にありがとうございます。

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