第79話 大狂乱!サイドチェスト祭!2
サイドチェスト祭のクライマックスが始まり、僕とエリスは他愛もない会話を楽しんでいる『シュウ』です。
邪悪の根源が両手にフレイムをぶんまわしながら、三号生の集団に特攻を仕掛けた。
三号生の男子生徒たちがタイミングは今だ!と言わんばかりにTバックのビキニパンツ中にある股間部分に手を入れた!そして、股間部分にある物を握りしめた!
一号生、二号生をはじめ観客の女性人から悲鳴と非難の声が上がった!
「キャーッ! 変態!」
「ブツを掴みやがったぁぁぁぁ!」
「公然わいせつ罪! タイホー!」
「犯罪者集団! ちゃんと風呂入っとるんかぁーい!」
非難GO! GO!の嵐の中でも、三号生の男子生徒たちは動じない。鋼の精神である!
レイニーが三号生に近づこうとした瞬間。男子生徒たちは股間からある物を取り出した!
ある物とは…… 『投網』だった!
まあ、Tバックのビキニパンツしか履いていない状態で投網を隠す場所といったら、あそこしかないよな! 『打倒!レイニー!』に燃えてる三号生の意気込みに『あっぱれ!』を送りたい。
男子生徒たちはレイニーめがけ一斉に投網を投げた! 最初はフレイルで投網を凪払っていたが、徐々にフレイルが投網に絡み付き、レイニーの動きが鈍る。
数の暴力の前では、さすがのレイニーもどうすることも出来ず捕縛されてしまった…… 得意のフレイルを封じ込まれ、レイニー絶対絶命のピンチ……
捕縛されたレイニーを三号生たちが囲む!
この中をアガシ先輩が前に出る! そして、アガシ先輩がレイニーに声をかけた。
「待っていたぞ! この時を! ジャキー先輩たちがなし得なかった夢、レイニーさんを紳士淑女愛好家にすると…… ジャッキー先輩はじめ、前三号生に捧げる! 俺たちの筋肉を!」
レイニーを取り囲んだ三号生は、360度どこから見てもゴリマッチョたちのポージング! ある者は腹筋を、ある者は上腕二頭筋を、ある者は大腿四頭筋を、ある者はケツ筋を…… レイニーの目の前で披露し始めた…… レイニーの為に、ここまでしてくれる三号生の先輩たちに感謝と感動の想いに熱い物が込み上げる…… 吐きたい!
でも、あの投網って、確か股間から出したよな? ――!? 物に直接当たってたんじゃないのか!? な、なんと末恐ろしい地獄のような恐ろしい投網なんだ! そこまで、考えての行動なら三号生を称賛するしかあるまい! パチパチ!
そして、地獄の投網の中で、レイニーは動かなくなった……
――ついに、邪悪の根元は滅びたか。さすが、脳筋と見せかけての超エリート集団! 昨年と同じ鉄は踏まない。三号生を統率するアガシ先輩、なんて恐ろしい漢《マッソー》なんだ。
三号生たちは、動かなくなったレイニーに対して、まだこれでもかとポージングを晒していた……
投網の中で、意識を失い白目になっていても、三号生を睨めつけているレイニーがついに痙攣を始めた。別にレイニーがどうなろうとも気にはしないが、何か嫌な予感がするよね。などとエリスと話していた。
――白目になっても睨むって、器用な事の出来るレイニーさんってすごいよねー(棒)
『プツン』
『デーンデーンデーーン デデデデデデ デーンデーンデーーン デッデッデデデデ ドゥードゥドゥードゥドゥードゥドゥードゥードゥードゥードゥドゥー チャンチャンチャチャチャチャン♪……』
――ん!? 白馬に乗った王子様!? いや! 白馬に乗った、もの凄いヤンチャな上様(将軍様)のテーマが聞こえたような気がした。それと同時に母上の闘気に似たものを察知した!? こんなところに、あの母上が来ることはない! 何が起こった!
「ゆ、ゆ、許さんぞ!!!! この虫ケラどもがぁぁぁぁ!!」
痙攣をしていたレイニーがいきなり立ち上がり、物騒な事を言い始めた!
父上や母上のように闘気は出てはいないが、ものすごい圧を感じる。
――また、茶番劇がはじまるのかな? 自分が演じるのは楽しいが、下手な茶番劇を見るのは苦痛で飽きる。レイニーには、最高の演技を魅せてもらいたい! レイニーには、僕や父上、母上のように一流の役者になれるのだろうか……
レイニーは、投網を素手で引きちぎり、投網から抜け出した!
――しかも、素手って良いのか? レイニー…… その投網は直物の網ですよ。
――僕はあの物が触れただろう、投網には触りたくない! 三号生の女子生徒もあの投網には一向に近づこうとしない…… 複雑な乙女心があるのだろう……
復活した邪悪の根源がフレイルを両手に持ち三号生に襲いかかった! 逃げ惑う三号生、彼らには対抗すべき武器は持っていない! あるとすれば、鋼と化した己の筋肉と紳士と淑女の嗜みのみ! どうする三号生!
『カキーン!』
そこに現れたのは、一人の漢! その漢こそ、三号生筆頭ゴッシィー・アガシ、その漢である!
アガシ先輩はレイニーのフレイルを斬捨て御免刀で受け止め、逃げ遅れた女子生徒を護ったのである。なんて漢らしい!
フレイルと斬捨て御免刀の打ち合いは続く、両者の間につけ入る隙がない。もうその間に入った日にはフレイルと斬捨て御免刀の餌食になるだろう……
周りの人間にはたた、黙って見守るしかなかった……
――ただ、何でも切ってしまう斬捨て御免刀でもレイニーのフレイルを切れないとは……
確かあの有名な石川五ェ門の子孫が持っているって斬○剣でもコンニャクは切れなかったよな。あのフレイルはコンニャクで出来ているのか?
二人の攻防の中、アガシ先輩はレイニーに問いかける。
「レイニーさん! なぜ、筋肉を理解しない? 筋肉を知らないと人生のほとんどをドブに捨てているようなものだぞ!」
「………………」
「筋肉こそ、最強の矛と盾なのだ! レイニーさん、あなたも紳士淑女になるべきだ! さあ、キミも筋肉ダルマの扉を開くのだ!」
「………………」
――すみません。アガシ先輩、言っている意味が僕にはよくわかりません……
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