第77話 第三王子は 邪神に恐怖する!
父上と母上に似ていることで何故か屈辱的な気分になるのは、なんでだろう、なんでだろう!の『シュウ』です。
突然、バットがエリスに話を振った。
「なんで、エリスが王妃になるのだ?」
「バットはホントにバカねぇ。そんなこともわからないの? 王太子のシュウとエリスが結婚するからじゃない! 今は婚約中ってところかしら」
マリーがバットに邪神の如くツッコミを入れた。
――普段の聖女オブ聖女はそんなこと言わない! やはり、僕が聖女オブ聖女の闇を蘇らせ、邪神マリーを復活させたのがいけなかったのか……
「――!? シュウとエリスが結婚? ホントかエリス! 政略結婚なのか? 本当にシュウで良いのか? 今なら『シュウと婚約破棄をして、田舎でスローライフしながらチート改革!』を起こしても良いんだぞ!」
「バット、いくらネタが無いからといって、流行りの婚約破棄物に乗っちゃダメ。自分のネタを信じるの!」
――マリーがよくわからないことを言い始めやがった!
「バット、心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。シュウ君は、私にとって大事な男性だから……」
「それなら良いんだが、下手な茶番劇をやりたがるから心配してたんだよ」
――悪かったな。下手な茶番劇で、これも遺伝なんだ。僕は昔から受け継がれてきた遺伝子を信じる…… しかし、今まで僕たちの茶番劇は絶賛好評だと思ってたよなぁ、ヤスよ…… 明日からガラス○仮面を読んで、演劇の稽古をやるぞ! そして、ヤス。私たちは紅○女を目指すのよ! オーホホホホホホホホッ! おそろしい子!…… あの子は天才よォー!
「それからこれからどうなさるのですか?」
レイニーが如何にも自分だけは常識人だと言わんばかりに真っ当なことを言い出した。すべての原因は、お前から始まったんだよ!
「そうねぇ、とりあえずバット君も魔法を使えるようになったら良いんじゃない?」
「俺が魔法を!?」
「エリス、良い考えね。これでバットも私たちから逃げれなくなるわ。まさに、傀儡人形だわ! バット! あなたは、はじめから傀儡人形になる運命だったのよ! オーホホホホホホホホッ! おそろしい子!……」
――邪神マリー……
「――!? エリス。やっぱり、最初から俺を傀儡人形にする気マンマンだったじゃないか!」
「バット様、エリス様の勅命ですので反論自体が許されません。もし、反論されるのであれば命を持って反論なさいませ」
「レイニーさん、もし反論したらどうなるのだ?」
「エリス様の命に依り、バット様の命を狩ります」
「バット君。私、そんな命令出してないから!」
エリスは全否定したが、レイニーは……
「エリス様のみ心のままに…… バット様を亡き者にいたします」
「――!? レイニーさん。私、そんなこと一言も頼んでないから」
――エリスを信奉するあまり、逆にエリスを貶めるとは、やるなレイニー!
そんな、やり取りが繰り広げられ結局、バットのハルタンへ強制連行が決まった。
バットよ。共同トイレに入って魔性の洋式便座に魅了され、僕同様に便器を抱いて泣け……
◇
――平日は学院、休日はハルタンにて魔法の特訓と計画遂行の話し合いに費やされ、僕たちは二号生へと進級していた。
生徒会長には、三号生筆頭のゴッシィー・アガシ先輩が務めることになった。卒業したジャキ―・ダイゴウィン先輩に負けず劣らず、素晴らしい漢だ。しかも、何でも切り捨て御免の刀を所持しているという銃刀法違反、検挙待ったなしのちょっと危ない漢だ。そして、非常に頼りになる先輩だ! 今年のサイドチェスト祭も荒れるに荒れるだろう…… レイニーVSアガシ先輩! 間違えた…… フレイルVS切り捨て御免刀だったよ!
◇
僕たちは、ある計画を実行しようとしていた……
サイトチェスト祭が終わって落ち着いたら二号生のみんなに魔女の存在を明かすことである。出来るだけ早く明かしたいが、サイドチェスト祭で忙しい時に魔女問題をぶっ混んだら、みんな大パニック陥り、みんなが今まで温めてきた筋肉を台無しにする危険性があるからだ!
あと、自分たちの都合でみんなに迷惑を掛けるのは最小限にしたいとの理由もあった……
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