第67話 第三王子は緊急会議を開く2!
これからの方針を話し合うために緊急会議が開かれることになったが、会議の中にレイニーも入ることになり、若干の不安が残る『シュウ』です。若干じゃなく大荒れになりそう…… ハルタン様、たすけてー!
僕たちは応接間に入り、レイニーを待つことにした。
「お母上様、レイニーも会議に入るのですか?」
「そうよ。シュウ君は不満でもあるの?」
「そういう訳ではないのですが、ちょっと……」
――不満ではなく、不安です…… きっと、大ボケを入れてくるんだろうなぁ、あのヤローは……
「シュウ君、あの娘もあなたのそばにいるのだから居てもらった方がスムーズに物事が進むわ」
「大丈夫よ、シュウ君。レイニーさんだってこんなところでボケは入れてこないと思うわ」
エリスは、僕の横で微笑んだ。
――エリスは、レイニーを信用しているんだろうなぁ、僕は信じないけど。過去の実績が十分すぎるほどありますから……
◇
『コン コン』
「レイニーです。ただ今戻りました」
レイニーは応接間へ入ってきた。お母上様、お父上様、エリス、レイニー、僕の5人での会議となった。この名前の並びは、カースト制度から来ている。因みにレーニャさんは、ソフィアちゃんと遊んでいる。ソフィアちゃんと遊べるなんてうらやましい……
「じゃあ、全員揃ったことでところで始まるわね」
お母上様が会議の開催を告げる。僕は、レイニーが空気を読んでくれることをハルタン様に願った……
「奥様。確か今日の議題は、ロッシュウ様の性癖『ドM』についてとお伺いしておりますが?」
「僕の性癖『ドM』会議じゃないわぁ!」
――僕は、出だしからボケを入れてくるレイニーさんが恐ろしくなった。レイニーさん、頼むから空気を読んでくれよぉ! あとハルタン様の役立たず、僕の祈りを返せ!
「レイニーさん。今日は、シュウ君の性癖『ドM』の話しじゃないの」
――さすが、お母上様。言うところはちゃんと言ってくれた…… 頼りになります。
「シュウ君が、ドⅯなのはみんな知っているわ。誰にだって性癖はあるは、でもシュウ君がちょっとだけ特殊なだけだから…… 残念な子なのよ」
お母上様が、神妙な顔になった……
――お母上様。全力で前言撤回させていただきます。
「今回は、シュウ君と私の結婚式についてです。私は、オーシャンビューのチャペルで結婚式を挙げるのが良いわ」
――エリス。君まで……
「話しが違うだろ! ハゲ!」
「――!?」
お父上様が、一言も発言していない僕にツッコミを入れて来た。しかも『ハゲ』って、なんて理不尽な…… お父上様は、薄毛に悩む紳士淑女を敵にまわしたな。これで、お父上様の好感度は爆下がり、ざまぁ!
「ボケるのはそこまでよ。真面目に進めるわよ」
お母上様がみんなを窘めてくれた。でも、二番目のボケをブッコんで来たのは、お母上様。あなたですから! 異世界の住人はボケを入れないと死んじゃうYO病でも患っているのかな?
◇
こうして、大荒れに荒れたボケ緊急会議が終わった…… 正直、ツッコミの量が多すぎて、さすがの僕も疲れ、過労〇しそうです……
とりあえず決まったことは、
一号生に魔法、魔女の存在を暴露。
真の友情を育んでから最初にマリーへ相談する。味方を増やす目的だが、その反面、拒絶された場合は、僕たちは学院を去らなければならない可能性がある。
インフラ整備の案と実行性
最低限、下水道工事と浄化槽整備はしておきたい。これだけで、疫病に対して有効的な対
策となる。
食事マナーの改善
手掴みはまだ許せるが、食事中に痰の掃き出し、その場で放尿は許しませんでぇ~。
本当はマナーから道徳心を育むです。
魔道具の販売と市場浸透戦略の構築
便利な道具として、魔法の存在を知ってもらう。ただし、魔法を拒絶された場合、処刑またはマジもんの追放、迫害の一途! ご計画は慎重に……
法律の改正
奴隷制度の撤廃。元々奴隷制度は無いが、今後の事を考えて、魔法が使える者が過酷労働者とならないための法令制定、魔物さん達の人権、あっ!間違えた。魔権でした。魔権の保護。
魔女と魔物の存在の明確化
これがもっとも重要だ。これが出来なければ、全てが無駄になってしまう。
一号生に暴露と基本的には同じだが、一号生はあくまでも学院内、これは国レベルになる。これをやらないとハルタンの人々が秘境の森から堂々と出ることは出来ない。理想を理想で終わらせることは出来ない、現実にしなければならないのだ。
多分、たくさんの人が僕たちの事をそんな、理想が叶う訳がないと笑うだろう。
だか、大理想を掲げ、その目標に向かって進む。それが大事な事だと僕は思う。
自分たちの世代では難しいかも知れないが、次の世代、次々の世代かもしれないが、父上や母上、ハルタンの人達が僕たちの礎となってくれたように、大理想が成就する為に僕たちも礎となればいいと思っている。
昔、大理想を掲げ、大理想を信じ、行い、儚くも処刑された魔女さんの遺志を僕は受け継ぐ!
お読みいただき誠にありがとうございます。
少しでも面白い! 続きが読みたい! と思って頂けましたら『ブックマーク』『評価』『感想』をお願いします。
『評価』『いいね』ボタン押して頂けましたらモチベーションに繋がりますので、応援よろしくお願いします。




