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第65話 第三王子は目覚める!

まだ、暗闇の中で猛省(もうせい)中の『シュウ』です。



「シュウ君。起きて! もう朝だよ!」


僕を呼んでるエリスの声が聞こえる。


「早く起きて! もうお義父様とお義母様が帰っちゃうわよ!」



――妙にリアルな声だな……



『ガザッ』  


「ハァ! ここはどこだ?」


僕は、起き上がり辺りを見渡した。昨日のミノノモンタさんとリンゴを食べてから少し日本酒を飲んで……


そのあとからの記憶が…… ない!? 『ガンガン』と頭が割れそうで痛い!?


「やっと起きたのね。心配したんだからねシュウ君」


「えっ!? なんのこと?」


「なんのことじゃないわよ! ミノノモンタさんのお酒まで飲んで!」


「ウッ、ちょっと待って!」


僕は、両手で口を押さえ酷い頭痛を我慢をしてトイレに駆け込んだ。胃の中にあるものを吐き出し、少しはスッキリしたがまだ、頭痛が酷い。フラフラになりながら涙目でエリスの元へ戻ってきた。


「エリス、ごめん。吐き気が酷くて、頭もガンガンするし、もう少し横になりたい」


「それは、完全に二日酔いよ。お義父様とお義母様が帰られるまで我慢できないの?」


「申し訳ない。ちょっと無理かも……」


「しょうがないわね。ちょっと待ってて、治癒魔法かけてあげるから」


「エリスさま、ありがとうございます」


「お酒が弱いのにすぐ調子に乗って飲むんだから、魔法かけるわよ。体内にあるアルコールを一所に集めるわ。シュウ君、アルコールを出すのは、上と下どっちが良い?」


「それって、吐くか尿で出すってこと?」


「そうよ。それ以外で外に出すところある?」


「ありません。下でお願いします」



――さすがに鼻の穴とお尻とか、この空気の中で言えなかった……



「じゃ、やるわよ。毒浄化(おさけのみすぎ)



膀胱に…… 





「キターーーー! ちょっとトイレに行ってくる」


僕は、今度は両手で股間を押さえトイレに駆け込んだ! まずい! 漏れそうだ! 


『♂ョォォォォー』


「はぁ~ スッキリしたー!」


トイレにて、大量の尿をダム放流のように放出した…… 満足! 頭痛も良くなった。今度はフラフラしないでエリスの元へ戻ることが出来た。


「エリス、ありがとう」



「別にあ、あ、 あなたの為にやったことじゃないわ! これもお義父様とお義母様の為よ! か、勘違いしないでよね!」


「うん……」



――エリス、ここでツンデレ要素を入れてくるとは、お主、腕を上げたな……



「まだまだです。エリス様! 大変申し上げにくいのですが、そのような物言いですとロッシュウ様の心には響きませんよ」


「――えっ!? まだ、足りないの?」



――!? どこから現れたんだ!レイニー! エリスに何を教えたレイニー! 疫病神のレイニー! ついでに災厄神(さいやくしん)のレイニー! 



「ええ、そうです。では、不肖レイニーがエリス様にお手本をお見せ致します。では……」



エリスは、真剣なまなざしでレイニーを見ている……



――エリスさん。レイニーさんに騙されてはいけませんよ!



「この酔っ払い! テメーが調子乗って慣れない酒飲んでぶっ倒れて、こっちに世話かけさせるんじゃねーよ! このタコたぬき!です。 基本ロッシュウ様はドMですので、これくらいじゃないと萌えません。おわかりになりましたか? エリス様」


「レイニーさん、わかりました! 次は、頑張ります!」



――僕はドMだったのか? まさかとは思っていたが、やはりそうなのか? 

あと『タコたぬき』ってなに?



「――!? いや、いや、レイニーさん! 今のどこにデレの要素が入ってるんだよ! 仮にドMは認めるとして、ツンの上位互換『バトウ(罵倒)』しか入ってねぇーよ! そんな『ツンバト』なんて萌えねぇーよ!」



「えっ!? シュウ君。ドMだったの?」


「エリスさん、そこなの? そこに食いつくの?」


「だって…… 旦那様になる男性(ひと)の性癖とか知りたいじゃない?」


「性癖!? エリスさんに性癖とかまだ早いです! レイニーさん! エリスさんに変な事教えないように!」


「ロッシュウ様、性癖は大事な事です。特にドMは!」


「……………………」


コイツ。とことん僕をドM扱いしたいらしいな。このドSが……



『コン コン』



――!? この邪悪なノックの音…… 僕の第八感がJアラートを鳴り響く。



因みに第一感『視覚』、第二感『聴覚』、第三感『触覚』、第四感『味覚』、第五感『嗅覚』、第六感『直感』、第七感『霊感』、第八感『オカン』 



僕がマザコンと言われる所以である……




「姫様、よろしいてしょうか?」


「レーニャ、どうしたの?」


「ブルース国王陛下とセリーナ王妃がお帰りになる時間になりましたので、お知らせに参りました」


「ありがとう。今、行くわね」


「少しよろしいでしょうか?」


「レーニャ、どうしたの?」


「レイニーさん。あなた、まだまだツンデレ道が甘いわよ。本物のツンデレとはどんなものか、今から見せてあげるわ」


「ロッシュウ様!」


「ハイ!」


「姫様に介抱されるなんてもってのほか、万死に値します。この三流出来損ない第三王子が! 腹を切れ! 今すぐ切れ! 因みに介錯は誰もしません。苦しんで地獄の底まで行って死んでください。以上です」


「………………」



――こ、これは、レイニー以上に酷すぎる! さすがのドMの僕でも心が死んでしまいます。腹を切って死んで、さらに地獄のそこでも死んで、二回死ねってことか? しかも、デレ部分を探してもどこにも見当たらない! しかも、バトウ(罵倒)の最上位互換、アクバ(悪罵)じゃないか!? 『ツンアク』…… マジで泣きそう(泣)



「どうでしたか? レイニーさん、本物のツンデレは」


「ありがとうございます。レーニャ師匠! よくわかりました。日々精進して参ります!」


「姫様もこれ以上のツンデレじゃないとロッシュウ様はお喜びになりませんよ」


「わかりました! レーニャ師匠! 私もっと頑張ります!」



「……………………」



――何かが間違ってる……


お読みいただき誠にありがとうございます。

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