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第62話 第三王子は語る!

――ああ、妻の声だ……


ごめん。もう一人にしないって約束してたのに…… 約束やぶってごめんよ…… 一緒に生きられなくてごめんよ……


謝る事しかできない『シュウ』です。




妻のとの出会いは小学校だった。違うクラスで顔は知っているが、話したことが一度もないそんな関係だった。中学生の時もそうだった。高校はお互い別になり、当然のように疎遠のになった。そして、凍恐の大学に入学し地元から離れた。

『凍恐』と書いて『とうきょう』なかなかのクールさをかもしだしているなぁ。


4年生の正月、地元に帰省した時にたまたま商店街をうろついている時に偶然、彼女に会った。最初は誰かわからなかったが、彼女は、僕の顔を覚えていたようで、彼女の方から声をかけてきた。


彼女の中学生までの顔は覚えていたが、大人になった彼女は別人かと思うほど美人さんに可愛いさを足した魅力的な女性になっていた。彼女曰く、僕は中学生の頃とあまり変わってない。とのお言葉をいただいた。これは、遺伝だからしょうがない。



――まあ、モブ顔はどこまでいってもモブ顔なのだ! ああ、遺伝の恐ろしさよ……



小中の懐かしい話しているうちに東京で別の大学に通っていると聞いた。たまたま、正月で帰省をしてこの商店街が懐かしくてブラついていたみたいだった。同じ凍恐(とうきょう)に居るということでお互い連絡先を交換しその場で別れた。



――まぁ、ノリで連絡先を交換してみたが、彼女みたいな美人さんが僕みたいなモブを相手しないだろうと考えて連絡はしなかった。ヘタレですまん。



凍恐(とうきょう)に戻り数ヶ月過ぎた頃、彼女から連絡が来た。揶揄われているんじゃ無いかと疑ったが、彼女から『なぜ、連絡を寄こさないのか』とブチギレられた…… 理不尽極まりない!


騙されるかもしれないと覚悟を決めて、今度の休日に会うことになった。会ってみると普通の会話で終わりまた、会う約束をした。



そんな感じで友人として、日々を過ごし大学を卒業した。僕は二流企業のサラリーマンに彼女は、成績優秀だったので農業系のお役所に勤めることになった。



就職してから2年後、ある事件が起きた…… 


言っておくが犯人は『ヤス』ではない。ヤスは異世界の人間なのだから……



彼女からの連絡で、地元にいるご両親が交通事故で亡くなったとの知らせだった……

彼女は一人っ子ということで身内がいない。こんな状況の中で頼る相手が僕しかなく、亡くなったご両親の元へ、ついて来て欲しいと涙ながらのお願いだった。僕は二つ返事をし、急いで帰郷するための準備をし、彼女との待ち合わせの場所に向かった。



そこには、泣き腫らし目を赤くした彼女が立っていた……



「「………………」」



会ったのはいいが、彼女になんと声を掛けたら良いかわからなかった……


彼女を励ます言葉すら口に出せなかった……



必要以上の会話はせず、新幹線に乗り地元へと急いだ。



――時間の流れが遅く感じる。一刻も早く彼女にご両親を会わせてあげたい。とにかく早く着いてくれ! 僕はひたすら早くついてくれ。と祈った…… 彼女は下を向き震えている…… 涙がこぼれ落ちていた…… 



僕は、何も言わず彼女の手を握った。彼女は驚いた顔を見せたが、彼女は僕の手を拒否することなく静かに頷き悲しい笑顔を見せた……





数時間後、地元に着き、タクシーに乗りご両親のご遺体のある病院へと向かった。何か夢でも見ているかのような感覚、一秒一秒が長く感じ、信号機すら止まったのではないかと思うほどだった。


周りの走っている車も申し訳ないがものすごく邪魔だ! 頼むからどいてくれと思ってしまう。周りの車はただ走っているだけなのに、どうしても急ぎたい気持ちが優先してしまい自己中心的な考えになってしまう。


きっと、彼女も早く病院に着いてくれと焦る気持ちでいっぱいだろう…… ただご両親に早く会いたいの一心で……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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