第47話 第三王子は作戦を練る!
――おそろしい子! スーパー天才5歳児、ソフィアちゃん…… しかもチート持ちってなんじゃそりゃー! 少しは僕にもチート分けてくれーと叫びたい『シュウ』です。
修行につぐ修行を重ね、あっという間に2週間が過ぎた……
ついにやりました! なんとか瞬間移動と収納魔法習得!
明日、トレスベン学院へ戻ります。長いようで短かった夏休み! 今日は一日は修行はお休みして、いつもの5人組で農村部へ遊びに行くことになった。
因みに5人全員、瞬間移動を習得している。
「時空の神よ 我が願い 我が道を行く 瞬間移動」
あっという間に農村部へ来ました。とりあえず、ビアンカさんに会いに行こうということになり、ビアンカさん宅へ向かった。
『トン トン』
「ビアンカさん~! エリスです。遊びにきました」
『…………』
「ビアンカさん。居ないみたいですね。シュウ君どうする?」
「畑に行ってるかもしれないね。サムソンさんたちも一緒にいるかも?」
「そうね。じゃ、畑の方に行ってみますか! ソフィアちゃんも畑に行く?」
「うん! エリスお姉ちゃんについていく!」
僕とエリスの間に挟まれ、お手て繋いで畑へと向かった。
「クククッ」
――先日、『宇宙人捕獲』の写真を思い出し、笑いが込み上げて来てしまった……
「どうしたの? シュウ君。突然、笑い出して」
「い、いや! 昔のことを思い出しちゃって、ソフィアちゃん。突然、笑い出しちゃってビックリしただろう。ゴメンね」
「シュウお兄ちゃん! へん!」
――ソフィアちゃんに変人扱いされちゃったYO! マズいぞ! 非常にマズいぞ! ホントマズいぞ! ソフィアちゃんに変人扱いされちゃったら死んじゃうYO!
「ソフィアちゃん。ロッシュウ様は、これが通常運転なのです。気にすることはありませんよ」
――レイニー、テメーは僕のソフィアちゃんに何を教えてだYO!
◇
いました! 仲間と共に畑で農作業しているビアンカさんが! でも、サムソンさんたちがいない!
「こんにちは。ビアンカさん! 明日、トレスベン学院へ戻るので挨拶に来ました!」
エリスは大きな声で農作業しているビアンカさんに声を掛けた。
「やあ、姫様! 明日帰るって! もう少しで休憩だから待っててもらえるかぁー!」
「良いわよ―!」
――僕たちは草原に座り、ビアンカさん達の休憩時間を待った。ソフィアちゃんは葉っぱや虫を探して動き回り、虫を見つけては僕に教えて、捕まえて欲しいとせがんだ。いくら小さなチート持ち幼女でも子供はこどもなんだなぁとしみじみと感じる……
「姫様。お待たせ! 明日あっちに帰るって? また、会えなくなるのかぁー」
「時々、戻ってくるからその時に、また顔を出すわ。ところでサムソン達はどうしたの?」
「門外に出て警備の任に当たってるよ」
「そう、帰る前にみんなに会いたかったわ」
「仕方ないさぁ、警備も大切だからね」
◇
「じゃあ、そろそろ戻らないと…… ビアンカさん達も元気でね」
「姫様たちも気を付けるんだよ」
「ビアンカさん、お世話になりました。また、遊びに来ます」
「シュウ君も元気でね。姫様のこと頼んだよ!」
「ハイ!」
「ソフィアちゃんはいっぱい遊びに来るんだよ。待ってるからね」
「ハイ! またくるね! またねー」
僕たちは農村部をあとにした……
エリスのお屋敷に着き、少しエリスと話す為ため時間をもらった。ロビーでエリスを待っていると着替えて来たエリスがやって来た。ソフィアちゃんはお昼寝タイムとのことでネムネム中!
「やあ、エリス。明日はいよいよトレスベン学院に戻るだね」
「そうね。また、みんなに会えるね」
「みんな元気にしてると良いけどね」
「筋トレして鍛えてるから風邪なんか引いてる時間なんてないわよ」
「フフフ。そうだよな」
「そうよ。ところでシュウ君、話しって何?」
「その事なんだけど、父上に僕たちの事を話そうと思うんだ」
「避けては通れない問題ね」
「そう、この問題を解決しないと僕たちは婚約は出来ても結婚は出来ない」
「そうね……」
「今の僕はフロンシニアス王国に戻れない以上、父上に会うことは出来ない」
「瞬間移動でお義父様に会いに行くのはどうかな?」
「ん~、それも考えてみたけど、トレスベン学院を卒業するまで戻らないと父上との約束があるから出来ないんだ! 僕は父上との約束だけは守りたいんだ……」
「そう。じゃ、お義父様をこちらへお呼びしたら良いんじゃないかしら」
「エリス、それはどういうことだい?」
「視察とかの理由を付けて、フロンシニアスの国境近くまで来ていただいて、お忍びでアルラサンド王国まで来てもらうの」
「お忍びと言っても時間がかかるんじゃないのかい?」
「それは、レイニーさんがいるじゃない! レイニーさんに瞬間移動を使って貰えばいいのよ! 当然、私も行くわ」
「――!? 父上にいきなり魔法を見せるのは……」
「大丈夫よ! 瞬間移動を使うときは睡眠魔法、『スリープ』を使うわ。寝てる間にあっという間に違う場所に移動してたらお義父様も驚くこと間違いないわ」
「エリス。君は、意外に過激な所があるんだね…… 鬼だわ……」
「それはね。私たちの将来が掛かってるんですもの、私も鬼でも何でもなるわよ!」
「そうか。わかった! レイニーに父上に謁見するよう頼んでみるよ」
――レイニーが大人しく僕の言う事を聞いてくれるとは思えないが…… いや、我に秘策あり! これで行こう!
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