第45話 第三王子はお休み! エリスとお母様……
お母上様とソフィアちゃんの頬ずりを見て心が癒される『シュウ』です。
「お母様。このあと、お時間よろしいでしょうか?」
「ええ、良いわよ」
「みんな悪いけど先に部屋に戻ってもらっていいかな? お母様と少しお話をしたくて……」
「ああ、かまわないよ」
エリスはお母上様と話しがあるようで僕たち四人は部屋へ戻ることにした。
「レーニャ、レイニーさん、ソフィアちゃんの事、よろしくね」
「はい、姫様。 ソフィアちゃん、先に部屋に行きましょうね」
レーニャさんとレイニーはソフィアちゃんの両隣に立ち手を繋いで部屋を出て行った…… そのうしろ姿を見て『宇宙人捕獲』写真を思い出したことは墓場まで持って行こう……
◇
「先ずはソフィアちゃんの事です。まだ、詳しい事は話してくれませんがソフィアちゃんは何かのきっかけで突然、魔法が発動してしまったのではないかと思います。魔力が制御出来ない状態での使用は暴走、暴発を起こします。それで、ソフィアちゃんのご両親は……」
「そう……」
「ご両親には、『人間じゃない』と言われたようで……」
「まだ小さいのに辛い思いをしてきたのね。あの娘には懐かしい温もりを感じるのよ。それで、マルクスと相談してソフィアちゃんを正式に私の娘として迎えようと思うの。エリスはどうかしら?」
「ソフィアちゃんが本当の妹に! 賛成です!」
「ありがとう…… エリス」
「お母様。あと、シュウ君の魔力と魔法属性に関して、大魔導士、ロッシュウ・ルーン・アルパトス様の生まれ変わりということもあり、ある程度は把握していたつもりでしたが、ここまでとは思いませんでした。治癒属性、火属性、時空属性、風属性、雷属性、氷属性、爆裂属性、土属性、闇属性、光属性。11属性の内の10属性です! レイニーさんも治癒属性、火炎属性、時空属性、爆裂属性、闇属性の5属性でした」
「エリス、それは本当なの!? 規格外じゃない! 大魔導士、ロッシュウ・ルーン・アルパトス様ですら8属性だったと聞いているわ!」
「さらに驚きはソフィアちゃんです。私と同じ全属性を持っています!」
「――やはり…… そうなのね……」
「…………」
「ソフィアちゃん。あの娘を見ていると本当に懐かしく感じるわ」
「お母様、遥か昔に処刑された娘さんの事でしょうか?」
「――えぇ、そうよ。私とエリス、あなただけの秘密。今も魔女の長を務めてるけど、前世の私は、魔女の長として、大きな過ちを起こしたわ。いくら娘を殺されたとは言え、私は、それ以上の命を奪ってしまったわ…… ソフィアちゃんが殺されてしまった娘の生まれ変わり…… 記憶を思い出した時、その時は私の過ちを許してくれるかしら……」
「お母様! それ以上、ご自分を責めるのは! それにきっと、ソフィアちゃんはお母様を許してくれると思うわ」
「――そ、そうね。エリス、ありがとう…… エリス、あなたが本当に娘で良かったわ」
「それに私にはシュウ君が居てくれるもの」
「そうね。彼なら魔法を使う者、使わざる者、人間では無い者、すべての希望になるはず……」
「ええ、シュウ君は私たちの希望…… そして、私の愛する旦那様になる人だもの」
「私の知らない間に随分と仲良くなったじゃない。最初はエリス・フォンティーヌ様とロッシュウ・ルーン・アルパトス様の生まれ変わりで一緒に居ると思っていたけどそれだけじゃないみたいね。安心したわエリス。あなたが幸せになってくれることが私の願いの一つなのよ」
「ソフィアちゃんもでしょ!」
「フフフ、そうだったわね」
「そうよ! 私の妹になるんだもの!」
「こんな私が二人の娘たちにかこまれる日が来るなんて夢にも思わなかったわよ」
「ソフィアちゃんを大事にしてあげてね」
「勿論よ! 嘗て娘だった子が長い年月を経て私の元へ帰ってくれたんですもの」
「――本当にシュウ君と出会ってから何かわからないけど、私たちにとっても良い方向に向かっている感じがするの。魔女と呼ばれる私たちになんの偏見も恐れもなく、魔物さん達にも偏見も恐れない。そんな人って今までいなかったわ」
「エリス。シュウ君を大事にするのよ」
「はい、私の大事な旦那様だから……」
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