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第41話 第三王子は祝賀会に出る!

主役なのに乾杯の音頭をやらされた『シュウ』です。



祝賀会は、異世界ハルタン夏場所の出場者をはじめ、観客も一つとなって盛り上がった。


暫くするとビアンカさんがみんなの前に立ち、


「ここで、異世界ハルタン夏場所! 成績発表するわよ!」


「一回戦

〇サムソン   対 ●コゴブ

〇トーカゲ   対 ●タロウ

〇ミノノモンタ 対 ●オーグル

〇リンリン   対 ●ボルト


二回戦

〇シュウ    対 ●トーカゲ

〇エリス    対 ●リンリン


準決勝

〇サムソン   対 ●シュウ

〇エリス    対 ●ミノノモンタ


決勝戦

〇エリス    対 ●サムソン」


「優勝 エリス・フォンティーヌ姫様!」


「おおおおおおおお!」

「おめでとう。姫様!」

『パチパチパチパチパチパチパチパチ』


盛大な歓声と拍手が巻き起こった!


「姫様、前へどうぞ!」


「えっ! 私……!?」


「さぁ、姫様どうぞ!」 


エリスはキョトンとした顔で前に出た。


「優勝した姫様から一言おねがいします。」


――どうみても無茶ぶりに見える…… 別名、サプライズイベント!


「えーと、急に一言って言われても何を言って良いかわからないけど、みんな強くなってた! 次は、負けちゃうかもしれないなぁ~! サムソンさんなんか、もう横綱でも良いんじゃないかと思うけどみんなはどうかな?」


「サムソンの横綱昇進! 賛成!」


会場から次々とサムソンさんの横綱昇進を賛成する声が上がったが……



「姫様、申し訳ない! 俺は、姫様を倒してから正真正銘の横綱になりたい!」


――サムソンさん自身から横綱昇進の固辞の申し入れがあった。サムソンさんは相撲に対してどこまでも心身に打ち込んでいるんだろうな……


「そう、それは、残念だわ。そんなこと言って後悔しないでね。私もまだまだ負ける気はないからね!」



「うおおおおおおおお!」

「次、姫様、倒す」

「私も姫様に土を付けるからね!」

「拙者も次は負けないでござる!」

「姫様を倒すのはオラだべ!」

「打倒! 姫様!」



エリスの一言で、みんな大盛り上がりになった。




「続けるわよー! 準優勝 サムソン!」


「凄かったぞ! サムソン!」


「サムソン、前へどうぞ!」


「俺もか!? マジか!?」


「当たり前田のクラッカー!」


――いつのネタだよ! 日本と異世界のネタは共通なんだなぁ~



「んじゃ、サムソンから一言!」


「やっぱり、姫様は強かった! リンリンの時もそうだが土俵際からの大逆転! さすが横綱!」



「3位は…… シュウさんとミノノモンタ! 前に出て来て!」


僕は照れながらミノノモンタさんとみんなの前へ出た。


「先ずは、シュウさん! 一言お願い」


「え~……」


「話しが長げーよ!」

「話しがつまんな~い!」


「まだ何も言ってねーよ!」

「「「「「「ハハハハハハハハハハハハ!」」」」」」



会場から何故か話しが長い、つまらないとクレームが出て笑われた! クレームをつけた声の先を見るとレーニャさんとレイニーの最凶コンビだった! こんな時にでもあの最凶コンビはボケるのか…… ツッコミを入れる僕も僕だが……



「じゃ、ミノノモンタ一言」


「今日はたのしかったべ。姫様と取組み出来て良かったべ」


「んじゃ、以上でおしまい! みんなー、まだまだ食べ物もお酒もあるから今日は飲み明かそう!」


「おう!」



――僕は、一言も満足に言えず終わってしまった…… これで良いのか?



エリスが声を掛けて来た。 


「シュウ君、もうみんなに受け入れてもらって良かった」


「私の手前、みんな、仲良くしてくれているんじゃないかと思ったけど、そんなことなかったね」


「そうだね。みんな良い人たちだよ」


「ねぇ、シュウ君。あの時、私に言ってくれたのは本気なの?」


「えっ!? もちろん、本気だよ! ムードとか無くてゴメンね」


「そんなことないよ。私はとても嬉しかったよ」



「「…………………」」



僕は、エリスの手を握ろうとした時――




「ひめさまー! ソフィアちゃんがジュースこぼしちゃった!」


アニーちゃんとサリーちゃんがエリスの所まで慌てて駆け寄って来た。


「どうしたの? そんなに慌てて」


エリスはやさしく、アニーちゃんとサリーちゃんに答えた。


「あのね、ソフィアちゃんがジュースこぼしちゃったの」


「ソフィアちゃんって?」


「いっしょにいた、あのこだよ!」


アニーちゃんとサリーちゃんは女の子に指をさした。


――!? あの、女の子の名前はソフィアって言うんだ! 恐るべし、世紀末の救世主! あの難攻不落のソフィアちゃんとコミュニケーションを取れるなんて…… 

僕たちには、一言も話してくれなかったのに…… アタイ、くやしい!



「まぁ大変! 急いでソフィアの所に行きましょ」


エリスはそう言って、エリスと僕はソフィアの元へ急いだ!


――僕は煩悩を持ってはイケナイのだろうか?


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