表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/211

第4話 追放へのカウントダウン

周りとの価値観の違いから『無能』『役立たず』の烙印を押されたシュウです。


あれから5年の月日がたち12歳になりました。13歳になると王都にあるシニアス学園に通うことになる。


シニアス学園は、フロンシニアス王国最高峰の教育機関であり王族、貴族、優秀な平民も特待生として通うエリートの集う学園である。父上をはじめ、兄上たちもシニアス学園の卒業生だ。


僕も春からシニアス学園の中等部に通う予定だ。これでも、頭の出来は良いほうだと思う。出来ればそうだと思いたい。





春になった現在、僕は隣国の同盟国アルラサンド王国、トレスベン学院へ向かっている。


どうしてこうなった?



――あれは、3か月前へ遡る


夜の7時過ぎに僕が居室でベットの上で怠惰を満喫していると、突然ドアのノックの音が響いた!


「ロッシュウ様! 国王陛下より私室にお呼びが掛かっております。至急、拝謁のご準備を……」


執事長から父上の呼び出しだった。


「わかりました! 準備が整いしだい参ります」


と,返事を返し衣服を整えレイニーと共に父上の私室へ向かった。


この時間帯に呼び出しとは、嫌な予感しかしない。僕の心の中でジェイアラートが高らかに鳴り響いている。


「レイニー この時間に父上からの呼び出しなんて…… 嫌な予感しかしないよ」


「――ロッシュウ様 嫌な予感は合ってると思いますよ。陛下よりお叱りを受けるのはいつもの事ではないでしょうか?」


「ぐぬぬぬ……」


言い返せない自分が憎い!


呆れ顔のレイニーをよそに、父上の私室の前まで着いた。


「レイニーは、ここで待っていてくれ」


レイニーに指示を出しドアの前に立つ衛兵に事情を伝え、ドアをノックした。


「只今、ロッシュウ参上いたしました」


僕の言葉に


「うむ、入れ」


父上からの低い声の返答。


やばいよ! やばいよ! 断罪かよぉ~! 追放か? 追放なのか?

心臓をドキドキさせ、掌は汗ばみ緊張しながら入室した。


「失礼します! 父上!」


「あぁ、ロッシュウよ。よく来た…… そこのソファーに座りなさい」


「はい……」


父上に促されソファーに腰を掛けた。


「どうだ、最近の様子どうじゃ?」


父上は、少し微笑みを浮かべながら話しかけてきた。


「はい 父上、兄上のお役に立てればと勉学に武芸にと勤しんでおります」


「そうか、そうか、小さい頃は、いつも突拍子ないことを言っては皆を困らせておったのぉ」


「ハハハハハッ! 小さな頃のことでございます。その様な事もございました!」


「うん! うん!」


そこには、父と子の他愛のない会話があった。

父上からの断罪じゃなかった!  助かった~! どうなるかと思ったよ!


ここ数年は、『ガリレオ・ガリレイの地動説と天動説の裁判』を思い出し、この世界で常識と思われている以上、どんなに真実を語っても誰にも届かない。知識はあっても、それを実行に移す力が僕には無かった。だたそれだけだった。

僕はそのことを痛感し、大人しくなった。



父上との会話が進み、父上から


「月日は早いものだな。お前も13になるのか大きくなったな……」


「はい! おかげさまで春からは、シニアス学園中等部へ入学致します。」


「ん~ そのことで話しがあったのだ」


「――は はい どのような話しだったでしょうか?」


父上からその言葉を聞いた時、体中から嫌な冷汗が湧き出た。


「ロッシュウ!お前には、隣国の同盟国アルラサンド王国のトレスベン学院へ留学してもらう…… これは決定事項だ! ざまぁ」



「――えっ! えぇぇぇぇぇぇっ!」


お読みいただき、ありがとうございます。

少しでも面白い! 続きが読みたい! と思って頂けましたら

『ブックマーク』『評価』をお願いします。


『評価』ボタン押して頂けましたらモチベーションに繋がりますので、

何卒応援よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ