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第35話 第三王子は魔物と話す!

はじめての魔物! 最初は驚きもしたが、よく見ると『ぷよぷよ』していて可愛い!

4体が繋がったら消えるのか? 連鎖したら全滅するんじゃないかと心配になる『シュウ』です。



「エリス、ちょっと聞きたいことがあるんだけど?」


「シュウ君、何?」


「気になった事があって、水洗トイレの水ってどうなってるの?」


「村のみんな、魔法が使えるでしょ、予め水洗トイレのタンクに水魔法で水を入れておくのよ。生活魔法は誰にも使えるからシュウ君も生活魔法を使えるようになるよ」


「使えるようになったら便利になるよなぁ」


「何でも出来る訳じゃないけどあれば便利よ」


魔法があれば水汲みもいらなくなるから王宮の使用人たちも楽になるだろうなぁ。しかも汚染されていない綺麗な水。どれだけの人が疫病から救われていくのだろう。

そんなことを考えていると。


「シュウ君。次に行くよ!」


エリスが声を掛けて来た。


「あっ! ゴメン! じゃあ、次は農村部だね」


「そうよ。じゃ、行くわよ! 瞬間移動(テレポート)




一瞬にして、のどかな農村へ着いた――




「姫様。いらっしゃい! よく来てくれたわ! ちょっと姫様に相談したいことがあって」


中年の女性がエリスに話しかけてきた。

ぷっくりした体形で如何にも『おっかちゃん』って感じで親しみやすいそうだ。


「こんにちは! ビアンカさん。何かあったの?」


「姫様にピーマンを見てもらいたくてねぇ。あまり元気がなさそうなの……」


「わかったわ。シュウ君。ゴメンね! ちょっとビアンカさんの畑に行ってくるから。 レーニャ! シュウ君たちを案内してあげてね! 失礼のない様にお願いね」



エリスとビアンカさんは、ピーマン畑へと出かけて行った――



「レーニャさん。ここはハルタンなの?」


「そうですよ」


「じゃ、ここは、あの城壁の中ってこと?」


「そうですよ。ハルタンは広大な魔境の森にありますか、それなりに広いのです。大まかに奥様のお屋敷がある所がハルタンの中心部で商業地区になります。そして、農業地区、工業地区に分かれています」


「ハルタンってもう村じゃなくて国レベルの規模だよなぁ」


「まあ、国を滅ぼすくらいは出来ますから」


「物騒な事は言わないでレーニャさん?」


「姫様に仇なす者は、すべて抹殺です」


「気を付けるよ……」



「よぉ! そこに居るのはレーニャさんじゃないか?」



「「――――!?」」



レーニャさんに声を掛けて来たのは体が緑色で牙が生え、耳は上に向けて尖がったがっしりした大男とこれも同じく緑色の子供位の身長で鼻は長く、目は吊り上がり、口は横に裂け鋭い牙が生えている。耳は上に向けて尖がった人間とは違う生き物だった!



「こんにちは、オーク長のサムソンとゴブリン長のリンリンさん」



――えっ! い、いま、オーク!? ゴブリン!? って言った!? 


――マジか!? マジで!? マジだ!! SHOW 〇IME!



レイニーは小声で話しかけて来た。


「そのネタ前回やりましたよ…… 引き出しが相変わらず少ないですね……」


「レイニー!? いや! 今のは心の声だろ! 何でお前にわかるんだ!」


「私の前では、心の声も意味は無いのです」


「お前はエスパーか! お前、もう魔法とか使えるのか?」


「まだ、教えてもらっていないので使えませんが、なんせ私はパーフェクトですから……」


「そうですか……」





「レーニャさん。姫様と一緒じゃないの? そこの人間、初めて見るんだけど?」


ゴブリン長のリンリンさんが話しかけて来た。


「今、姫様は、ビアンカさんと一緒にピーマン畑に行ってますよ」


「夏休みで学院から帰って来てるって聞いてたから会えると思ってたんだが……」


「姫様はすぐに戻ってくると思いますよ」


「あら! そうなの? 姫様と会うのホント久しぶりね」



――リンリンさんって女性? ゴブリンだからメス? いや、オネェかもしれない? 見た目だけでは判断がつかないもんなぁ……



「それで、そこの人間は?」


「姫様のご友人のフロンシニアス王国第三王子のロッシュウ・ニオ・アルパトス様と専属メイドのレイニー・エントランさんです」


「フロンシニアス王国第三王子のロッシュウ・ニオ・アルパトスと申します。よろしくお願いします。シュウとお呼び下さい」


「ロッシュウ様の専属メイドのレイニー・エントランです。宜しくお願いします」


「オーク族、族長のサムソンだ! シュウ殿、こちらこそよろしく頼む」


「はじめまして、ゴブリン族、族長のリンリンです。シュウちゃんは王子様なのね。姫様と仲良くしてあげてね」


「ところで、シュウ殿。相撲はご存じか?」


「ええ、知ってますよ」


「サムソン。あなたって、すぐ相撲の話しになるんだから……」


「相撲を取ることでお互い理解しあえるもんだ。それに、相撲の発祥はゴブリン族だろうが」


「あの~、リンリンさん。ゴブリン族が相撲の発祥とはどういうことですか?」


「私たちのご先祖様がね、ハルタン様から直接、相撲のご指導をいただいたのよ。そして、ハルタン様とご先祖様で異世界大草原夏場所を開幕して、『夢の15番勝負』でハルタン様がギリギリで勝ったみたいだけど、何故かハルタン様がカッパの姿に変身して相撲取ってたんですって、ハルタン様って変わってるでしょ!」



――ハルタン様、異世界に来てゴブリンに相撲を教えるって、どれだけ相撲好きなんだよ……



「それで、お互い大親友になって、最初はゴブリン族に相撲が広がって、あっという間に全魔族の間で相撲が大流行しちゃったのよ。今でも相撲は魔族の中では族技(ぞくぎ)みたいになったのよね」


――大流行、族技(ぞくぎ)って! ハルタン様は、たぬきのくせに、この異世界にかなり影響与えてないか!



「おい、リンリン! シュウ殿との親睦を深める為に、これからみんな集めてハルタン夏場所やろうぜ!」


「良いわね! じゃ、私たちはみんなを呼んでくるからあなた達はここで待っててね!」


「「「………………」」」



――僕たちは何を見ているのだろう…… オークとゴブリンに会ったら何故か相撲大会が開かれることになってしまった……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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