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第26話 第三王子はマザコン!?

レイニーに僕が此処とは違う世界、日本と呼ばれた国で生まれ育った事、そして、フロンシニアス王国第三王子ロッシュウ・ニオ・アルパトスとして生まれ変わった事、僕が前々世では51歳で愛する妻、子供たち家族に見守られながら病で亡くなった事や前世では川で溺れた幼馴染を助けようとして逆に川で溺れて7歳で亡くなった事を教えた……


レイニーにしては珍しく僕の話しを大人しく聞いていた……



「これがエリスにしか言っていない僕の秘密だよ……」



などと言ってクールに決める『シュウ』です。


レイニーさんは驚いたが様子だったが、何かを話したそうに僕を見た。


「レイニーさん。何か質問があれば答えられる範囲でお答えします」


――僕は、空気の読める(おとこ)なのだ!


「では、遠慮なく質問させていただきます。前世、前々世、今世合わせて中身は71歳の爺じゃないですか? エリスさん、コレで良いんですか?」


レイニーは僕に指を指した。


――!? レイニーは僕じゃなく、一番先にエリスに質問しやがった! しかも僕の事を『71歳の爺』最後には『コレ』呼ばわり。今まで歳の事は気付かない振りをしてたのに直球ド真ん中にぶち込んで来た! おそろしい子!…… レイニー!



「私は歳の事は気にしてないわ。今を生きているシュウ君はシュウ君なんだもん」


エリスはレイニーの質問を返してあげた。やさしいなぁ~。そして、ありがとう! 最後の言葉は意味不明だけど……



「道理でおかしいと思ったんですよ。ロッシュウ様に優しくしてくれる女性がいるのは!」


――おかしいと思ったのは、そこか!? そこなのか!? 何故そこなんだー!


「僕にだって! 優しくしてくれる女性(ひと)はいるよ!」


「えっ!? 誰…… 誰なの?」


エリスは般若顔で僕を睨んだ。




「え~と……」




――誰もいなかった……   涙が出そう……






いや! いた! 僕に優しくしてくれる女性(ひと)が!……




「――母上!」



僕は、自信満々、声高らかに言い切った!



エリスとレイニーは、雨に打たれて、とても可哀想な子犬を見るような目で僕を見つめていた……



「え~と、なんて言ったら良いか…… シュウ君、マザコン?」


エリスからマザコン疑惑を掛けられた!


「はっ!? そ、そんなことないよ! 全世界の男の子は母親とかと仲良いじゃん!」


「全員とは言わないけど……」


「キモッ!」



エリスとレイニーにすべてを拒否された……  レイニーさん、王妃様と第三王子の親子愛を否定したら王妃様がマジ泣きするぞ!



「マザコンの話しは置いといて、話しを進めよう。 エリスは大賢者・エリス・フォンティーヌ様の記憶とかあるの?」


僕はマザコン疑惑を逸らす為、話題を変えた。


「チッ! マザコンを誤魔化そうとしやがって」


レイニーさんは舌打ちし、暴言をはいた。


「………………」


ここでツッコんだらレイニーさんの思うつぼだと思いスルーをするーことにした。


「逃げやがって……」


追い打ちをかけるレイニーさん、僕も黙ってはいられない。


「そこまで言うのであれば、僕にも考えがある」


「………………」


二人は黙り込み僕の言葉を待った。






「――僕は筋肉ゴリマッチョになるぞ!」

「「やめろーーーー!」」



――エリスとレイニーはダブルで僕を全力で拒絶した……


「もう冗談は止めて話しを続けよう」


エリスは話し始める。


「私にもエリス・フォンティーヌ様の記憶は無いわ。だた、感じるのエリスの心が…… あとね、レイニーさんはエリス・フォンティーヌ様の専属メイド。レイニー・ホォルトさんの生まれ変わりみたいね」


「ハイ!? 私にも!」


レイニーも突然の事で少し驚いたようだったが、何か納得した顔になっていた。


「なるほど、エリスさんとはどおりで以前から気が合うと思っていました。そういう事なら納得です。これよりはエリス様へ忠誠をお誓い致します。今後ともよろしくお願いいたします」


レイニーはそう言って、その場に両膝をつきエリスに忠誠を誓って、エリスの横に座った。。


「レイニーさん、よろしくね!」


「ハイ!」



――忠誠を誓う相手を間違ってない? 何となくコイツの忠誠心の無さに僕もなぜか、納得ができた。



「話しは戻すけど、エリスにはエリス・フォンティーヌ様の記憶は無いってことで良いんだよね?」


「そうよ。だからあまり気にしなくても良いよ。シュウ君はシュウ君! 私は私ってこと!」


「そうかぁ、わかったよ。生まれ変わりは気にしないことにするよ」


「それが良いと思うよ」


エリスは温かな笑顔で答えてくれた。 ――僕はその笑顔になぜかとても安心した気持ちになった。もしかしたらこれが、ロッシュウ・ルーン・アルパトスとエリス・フォンティーヌの微かに残る記憶なのかもしれない……



「じゃ、そろそろ私の実家に行こうか!」


エリスは立ち上がり出発する準備を始めた。


「エリス、ここから魔女の村まで遠いの?」


「ええ、歩いたら遠いわよ。でも、私の瞬間移動の魔法テレポートであっという間に着くわよ」


「僕たちも一緒に!?」


「そうよ。」


「じゃあ、二人とも私の手を握って」


僕はエリスの手を掴んだ…… エリスの手、すべすべでやわらかいなぁ……

そんなことを考えた瞬間、目の前の風景が変わった……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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