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第25話 秘密

「シュウ君。今、あなたのいる『魔境の森』よ」


「「えぇーーーーーーっ!?」」


エリスの話しを聞いて、ボケ担当のレイニーとツッコミ担当の僕が全く機能していない。という非常事態に陥っている『シュウ』です。



「こ、ここに魔女が…… 住んでるのかい?」


「な、何かの冗談ですよね!? エリスさん! 魔女がいるって?」


僕とレイニーの質問に、エリスはキョトンとした顔で、


「いるわよ! あなたたちの目の前に!」


「「――!?」」


エリスの一言で、僕とレイニーは言葉を失い、絶句しているとエリスは、さらに追い打ちを掛けるように


「私が魔女っ子! エリス!」


と言い放ち、華麗に一回転してから魔女っ子ポーズを決める!


「「ふんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


僕とレイニーは同時に絶叫した!


「エリスさん! 悪い冗談はやめて下さい! 魔女なんて居る訳ないじゃないですか!」


「あわわわわわわわ」


レイニーは大事なボケを忘れて大混乱! 僕はまぬけな顔で大混乱!


「アハハハハハハ! 二人とも可笑しい!」


エリスはお腹を抱え、大爆笑。


「ヒー ヒー 苦しい…… ごめんね。シュウ君、レイニーさん! 二人の慌てた姿を見てたら可笑しくって。魔境の森に魔女が住んでいるのも本当だし、私が魔女なのも本当よ! それじゃあ、今から魔法を見せてあげるね!」


エリスは右腕を水平にした瞬間!? 指の先の空間が黒く揺らぎ始め,黒い空間に腕を入れ何かを取り出した!? 



――800人分のお土産の一部だった!



「「ぶんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


目の前の信じられない光景に、再度、僕とレイニーは同時に絶叫した!


「て、て、手品だよね!? そうに決まってる!? そうだよね? エリス!」


「アタマガ オカシクナリソウ ワケワカメ……」


自称『クールビューティー』のレイニーさんもついに壊れた…… サイドチェスト祭でも壊れたから、そろそろ可燃ごみに出しても良いかな?……


「本当の魔法よ! 『時空魔法』の一つ『収納魔法』よ。お土産全部、収納魔法に仕舞ってあるの。それと余分にお土産を買って来てるから、今からみんなでお茶にしましょう」


エリスは涼しい顔で、そう言うと魔法を使ってお茶の準備を始めた……



僕たち二人は本当に信じられない光景に血の気が無くなり、白眼になってその場から動けなくなっていた。


「どうしたの? 二人ともしっかりして、お茶が出来たわよ。クッキーでも食べながら話しの続きでもしましょう」


「「…………………………」」


――僕たちはさすがに我に返ったが無言だった……


「じゃ、続けるわよ。」


「あっ、その前に聞きたいことがあるんだけど良いかい?」


僕は疑問に思っていたことを、エリスに聞いてみた。


「いいわよ」


「魔境の森に魔物がいるって聞いてたけど本当なの?」


「あー魔物ね! 魔物さんわね。良き友人であり、一部の低級魔物は私たちのペットみたいなになってるわよ」


「魔物をペット?」


「テイムって魔法があってね。簡単に言えば低級魔物を調教して仲間に出来る魔法のことよ。あとの魔物さんは、私たちが住んでいる村の周辺で防衛の役をしてもらってるわ」


「じゃあエリス。フランシスボ帝国の滅亡って、その魔物たちが……」


「ええ、その通りよ。私たちは安住の地さえあれば、それで良いのよ。それを邪魔しようなんて許せるわけないじゃない。おかげで魔境の森に手を出してはいけなって考えが広がって、今は平和そのものよ。バニアロッサの人達も、私たち魔女の存在は知らないけど、猟や山草の採取したりして、森を活用しながら生活しているわ。 まぁ、一種の共存共栄よね」


「そうなんだ。あと、どうしてエリスは魔境の森から出て、アルラサンドにいたの?」


「それはね、シュウ君。あなたに会うためよ」


「えっ!? 僕に会うために?」


――マジか!? 僕は夢でも見ているのか!? モテ期来襲⁉


「そうよ。昔、不思議な夢を見たの。夢と言うよりは予知夢になるのかな? 夢に中にエリス・フォンティーヌ様が現れて私に語りかけて来るの。


『私は、かつてエリス・フォンティーヌと呼ばれた者。そして、あなたは私の生まれ変わり。どうか私の夫、ロッシュウ・ルーン・アルパトスに会って。彼もまた生まれ変わって、今はロッシュウ・ニオ・アルパトスとなっているはず、トレスベン学院へ入学することになっているはずよ。どうか彼の味方になって欲しいの…… かつて彼が私を助けてくれたように、今度はあなたが彼を助けてあげて…… 私の運命の人を…… お願い……』


それで、私もトレスベン学院へ入学してシュウ君。あなたをずっと見てたのよ。」


「そ、そんな事があったんだ…… でも、僕には前世と前々世の記憶しかないよ。ロッシュウ・ルーン・アルパトスの記憶なんてないよ!」


「はぁ~、ロッシュウ様。今何と言いましたか? 前世と前々世の記憶とか、このレイニーに説明してください!」


――あっ!? しまった。レイニーには内緒にしてたんだった! こいつにバレるの面倒なんだよな……



「…………………………」



僕は黙秘を貫いた!


レイニーは勢いよく僕の襟元を掴み、前後に何度も揺さぶり、


「何、無視してるんですか! 早く吐け! カツ丼でも食うか? 大人しく早く吐け!」


――前にも見た光景が広がった……


「やめろ! 僕は! 犯人じゃない!」


僕は『ヤス』の気持ちがわかったような気がした……


「もういいから早く吐け! 貴様キサマが犯人だろ! 早くゲロちゃいなYO!」


レイニーの攻撃は続き、ついに心が折れてしまった……


「わかった! 話すからもう手を放してやめてくれ!」


「ふん! 分れば良いんですよ。分れば! 始めから素直に白状すれば良いものを! 手間を取らせやがって! チッ」


――舌打ちまでするなんて。これでも僕は第三王子だぞ! なんちゅう扱いだ!



レイニーに僕が此処とは違う世界、日本と呼ばれた国で生まれ育った事、そして、フロンシニアス王国第三王子ロッシュウ・ニオ・アルパトスとして生まれ変わった事、僕が前々世では51歳で愛する妻、子供たち家族に見守られながら病で亡くなった事や前世では川で溺れた幼馴染を助けようとして逆に川で溺れて7歳で亡くなった事を教えた……


レイニーにしては珍しく僕の話しを大人しく聞いていた……


「これがエリスにしか言っていない、僕の秘密だよ……」


お読みいただき誠にありがとうございます。

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