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第24話 モブ顔王子は魔境の森で……!

「まずは、シュウ君。あなたはロッシュウ・ルーン・アルパトス様の生まれ変わり。そして私は大賢者・エリス・フォンティーヌ様の生まれ変わりなの……」


「「は い????」



前世、前々世だけではなく『ロッシュウ・ルーン・アルパトス』の生まれ変わり!? 僕って何者なんですか? の『シュウ』です。



「エリス待ってくれ! 急に言われても頭が追い付かないよ! そもそも天地創造の神・ネキザ…… 名前が出てこない…… なんだっけ? とにかく、その人たちって誰?」



――名前を覚えきれなかった…… 僕の頭はそんなに悪くない! 多分……



「――私があなたの味方だって話したの覚えてる?」


「あぁ、覚えてるよ」


「そう、ありがとう。まずは、遥か昔に魔法が盛んな時期があったの、そんな時期に魔法が使えない令嬢がいたの。彼女は魔法を使えないことに悩み苦しんでいたんですって。そんな時、天地創造の神・ネキザアニウス様は眷属の大魔導神・ハルタン様と呼ばれるたぬきを彼女に使わされたの。ハルタン様のご指導を頂いて、彼女は魔法を使えるようになったの。その彼女が後の大賢者・エリス・フォンティーヌ様となられたのよ」


「大魔導神・ハルタン……様は、たぬき!?」


正直、たぬきに様を付けるのはどうかと思ったが、昔からたぬきは人を化かすとか言われているから魔法とか使えたんだろうな。たぬきが魔法の指導するってファンタジーの世界だな。


「シュウ君、ハルタン様を普通のたぬきだと侮ってはダメよ! 大賢者・エリス・フォンティーヌ様を導かれた、たぬきなのよ! 相当、魔力の高い方だったと思うわ」


「そうか、ごめん。話しを続けて」


「そうね、続けるわね。大賢者でもあり王妃でもあるエリス・フォンティーヌ様を心身共に支えられたのが、大魔導士・ティーファンド王国国王ロッシュウ・ルーン・アルパトス様なのよ。その時代、魔法は繁栄を極めるわ。でも、栄枯盛衰(えいこせいすい)って言葉があるように時代が進むにつれて、天地創造の神・ネキザアニウス様、大魔導神・ハルタン様の信仰と共に魔法は衰退していくことになるの。」


エリスって栄枯盛衰(えいこせいすい)って言葉知ってるんだ! べ、別にバカにしてるわけじゃないんだからね! ちょっとした誤解よ!



――ツンデレ乙! ツンデレ要素完遂!



栄枯盛衰(えいこせいすい)って、どう考えても日本の熟語だよな? この世界にも、そんな言葉あるんだなぁ……



「さらに、時代は流れティーファンド王国も滅び、ほとんどの人が魔法を使えなくなったの。まぁ、時代の流れよね…… でもね。そんな中にも魔法を使える人たちは確かにいたの。細々だけどね。そして魔法を使えない者が魔法を使える者に恐怖を覚え、やがて迫害と魔女狩りが始まるの」


ヒスト・リーファン先生の授業で言ってたことだ……


エリスは暗い表情で続けた。


「魔法を使えない者にとって魔法は脅威なのよ。すべての災いを魔法のせい、いや、違うわね。魔女のせい…… 魔女のせいにしたの。その方が自分たちの辛い現実から目を背ける事が出来るから…… そして、利己的な冤罪裁判…… 魔女たちにとっても冤罪を掛けられた女性たちには地獄だったと思うわ。魔法が使えるってだけで普通の人間なのにね……」


「「……………………」」


――僕とレイニーは言葉を失った。


「住む場所も何もかも奪われ、当時の魔女たちは怒りに怒ったわ。でも、エリス・フォンティーヌ様の血筋を受け継いでいた魔女の(おさ)が『怒りの心は争いを生み、慈悲の心は争いを鎮める』って、みんなを食い止めていたの。」


エリスは続ける……


「そんな中、魔女の(おさ)の娘さんが魔法の使えない民衆に捕まったの!」



「「――――!?」」



「魔法を使えば簡単に民衆を退け、逃げられたと思うの。でも娘さんはそれをしなかったわ。魔法を使える人間と魔法を使えない人間の融和、共存共栄を…… 命を掛けて訴えたそうよ。その結果、有罪有りきの裁判で拷問されて処刑されたわ……」



「「――――!?」」



「魔女の(おさ)は娘さんの晒された亡骸を見て、嘆き、悲しみ、民衆や貴族に対して、落胆したみたいなの。周りに居た魔女たちは、その(おさ)の姿を見て、ついに怒りが爆発したわ。魔女の(おさ)は、みんなを止めようとしたけど、最終的には止めることは出来なかった…… そして、魔女の(おさ)を旗頭に、魔女たちは娘さんを処刑した憎きエントロンド帝国へ向け進撃したわ。途中の村や町、都市を攻撃魔法で蹂躙して行ったわ。魔女たちの恨みは相当深かったみたい。文字通り皆殺しと言ってもいい位の惨状だったんだって」



「「……………………」」



「エントロンド帝国の帝都に着いた時、魔女のおさが攻撃魔法で傷ついた女の子を見つけたの。その傷ついた女の子を見て、魔女の(おさ)は自分の娘さんを思いだしたの。娘さんが融和、共存共栄を命を掛けて訴えたことを思い出し、我に返り進軍を辞めたわ」


僕は恐る恐るエリスに聞いた。


「エリス、その後、魔女はどこかに消えたって習ったけど本当はどうなったの?」


「そのあとね。魔女たちは誰にも邪魔をされない安住の地を探したの。そして、やっとの思いで安住の地を見つけたの」


「その…… 安住に地って?」


「シュウ君。今、あなたのいる『魔境の森』よ」



「「えぇーーーーーーっ!?」」




『大魔導神・ハルタン』と『大賢者・エリス・フォンティーヌ』の出会いの物語

『いじめられ公爵令嬢は転生たぬきハルタンの弟子になって大賢者をめざす!』

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