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第209話 シュウとエリスの結婚式!

あまりにも緊張し過ぎてカミカミ、ガチガチ、ムキムキに固まる『シュウ』です。



レイニーさんの誘導で謁見の間控え室に向かう。


「ロッシュウ様、そんなにガチガチになったらまた何かやらかしますよ」


「レイニーさん、それはわかるけど僕は緊張するなと言われると余計に緊張してしまうタイプなんだよ。それともう少しそろそろロッシュウじゃなくてシュウでも良いんですよ」


「ロッシュウ様がヘタレなのは知っていますが、ヘタレはヘタレなりにヘタレていれば良いのです。それとあなたの事をシュウとでも呼んだら王族籍に戻らなくては行けませんので、それは出来ません」



――()()()()()()()は身内に対して辛辣なヘタレのオンパレードですか?



謁見の間控え室に着くとまだ、エリスは来ていないようだ。すでにお母上様への特別公爵位の授爵儀も終っており、父上と母上達は結婚式用の衣装にに着替えてから結婚式が始まる事にはなっていた。この異世界で初めて披露される衣装とあって準備までには時間がかかるのだろう。



「国王陛下のおでましである!」



「「「オォォォォオーー!!!!」」」



「オオー!? なんだ? あのドレスは!?」


「なんて綺麗なドレスなの?」


「王妃様、アリエス様のドレスの刺繍が素晴らしいわ」


「国王陛下、ジェニシス様、パリック様、なんと威厳のあるお姿なんだ! マルクス様もなんと勇敢なお姿なんだ!」


「ソフィア様のドレスも華やかで素敵!」



謁見の間控え室まで各国の招待客、貴族たちから称賛の声が聞こえて来た!


「レイニーさん、みんな驚いているみたいだね。あの衣装」


「みなさまにとっては初めて見る衣装ですから…… エリス様はもっとお綺麗だと思いますよ」


「僕はまだ見せてもらえてないけど、レイニーさんは見たんだよね?」


「ええ、エリス様の試着の時におりましたので、お美しいかったですよ。ロッシュウ様に見せるのが勿体無いくらいに……」



「――そうですか……」



――レイニーさんはどこまでいってもレイニーさんのままだった……



『コン コン』


「エリス様がご到着されました」


「エリス、レーニャさん。どうぞ」


『ガチャ』


レーニャさんを先頭なエリスが部屋に入ってきた!


「――!?」


「シュウ君。どうかしら?」



「……………………」



「ロッシュウ様、返事、返事」


レイニーさんは僕の肘を突っついた。


「――あっ!? あまりの綺麗さで声が出なかった…… エリスよく似合ってるよ。本当に綺麗だ……」


「ありがとう。シュウ君」


「お世辞とかじゃなくて本当に綺麗だよ」


「そう行っても貰えると嬉しいわ。シュウ君も良く似合って男らしく感じるわ」


「デヘヘへへ ありがとうエリス」


「ロッシュウ様の場合、馬子にも衣装ですから」


「レイニーさんも相変わらずね」


「ロッシュウ様、エリス様。そろそろお時間のようです」


「ああ、レーニャさん。じゃあエリス。僕たちも行こうか?」


「はい……」


レイニーさん、レーニャさんを先頭に僕とエリスは謁見の間に入場した。



「「「キャーーーーーー!!!!」」」


「エリス様! 素敵!」


「王妃様と同じで見たことのないドレスだわ!」


「エリス様のステラクラウンが素敵すぎるわ!」


「王妃様達と違って純白のドレスよ!」


「綺麗……」



「王太子は馬子にも衣装だな」


「服に着られているって感じかしら」



――自分でもわかっていたが、やっぱりそうだったか……



異世界初の神様が居ない日本ではお馴染みの神前結婚式だった。


エリスは鮮やかな白色の糸で刺繍された鶴の柄の白無垢に打ち掛け、角隠しと最も格式の高い花嫁衣裳だった。


母上達は鮮やかな糸で幾何学的に刺繍された同じ柄の黒留袖、母上の帯は金色、お母上様は銀色の帯とお互いの関係がより密接であることの意味合いもあるのだろう。ソフィアちゃんは青色を基調とし、カラフル色で刺繍された花の素晴らしい色留袖。来賓客達から称賛の声が上がるのは当然だろう。



僕を含めた新郎側はフロンシニアス王国の紋章が入った黒五つ紋付き羽織袴。お父上様はハルタン王国の紋章の入った羽織袴だった。



僕とエリスが玉座の前に進むと



――!?



中央には徳利を持った日本でもお馴染みのたぬきの置物がおいてあった!?



――ハルタン様か? ハルタン様なのか? きっと母上が気を遣ってくれたんだろうが、王宮にたぬきの置物は…… 母上には申し訳ないがたぬきの置物は合わないと思う……




「これより、王太子ロッシュウ・ニオ・アルパトスとエリス・フォンテーヌの結婚の儀を行う」


父上の宣言で結婚の儀が始まった。この異世界には神主が居ないので、父上からの僕たち二人に向けた祝福の言葉をいただき、ハルタン特産の人間用の日本酒で三三九度の三献の儀が行われて、厳かに結婚の儀が終わった。


その後は民衆に向けたパレードになるのだが、今回はパレードは翌日にし披露宴となった。


トレスベン学院の関係者、ハルタンの人々、魔物さん達、と招待客が多すぎるので庭園で披露宴を開くことなり、僕ら二人と親族関係者、来賓客、貴族達は庭園と移動した。庭園にはすでに招待客が待っており、みんながエリスの花嫁衣裳を見た瞬間、披露宴の進行を無視するかのようにたくさんの女性陣がエリスや母上達の周りの集まり、結婚のお祝いと衣裳についての称賛と質問責めにあっていた。


男性陣はその異様な光景に呆然としていた……




僕とエリスはお色直しの為、中座をし控え室に向かった。僕の衣装はそのままだが、エリスは明るい色を基調とし、花や鶴の刺繍された鮮やかな色打掛に着替え、白無垢とはまた違がう感じの、エリスにイメージにピッタリとあった色打掛だった。


「エリス。白無垢も良かったけど、色打掛のエリスも凄く綺麗だよ」


「エヘヘ ありがとう。みんなが待っているから行きましょう!」


「うん!」



招待客達の前に立った僕ら…… いや、エリスかぁ…… みんなの目はエリス一点に集中した。


先ほどと同じく女性陣はエリスに群がり、男性陣はあまりの美しさに言葉を失っていた……



そして、楽しい時間は過ぎ、披露宴最後にぼくはタキシード、エリスは純白のウェディングドレスに着替えた。



「やっぱり何を着てもエリスは可愛いし、綺麗だよ」


「ありがとう。これから二人っきりで話したいから人払いお願い出来るかしら」


エリスは、そう言って、お付きのメイドさん達を下げさせた。



――僕はエリスも少しはイチャラブでもってしたいのかな? と思い腕を差し出した。エリスはニコニコしながら自分の手を僕の腕に絡ませた。エリスは、


「シュウ君、夫婦になった今だから聞きたいことがあるんだけど良いかな?」


「なんだい?」


「前の奥さんと幼馴染みさんのこと、今どう思ってる?」


「はい?」



――エリスの唐突な質問に戸惑ってしまった……


お読みいただき誠にありがとうございます。

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