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第203話 第三王子はレイニーの秘密を聞く!

父上の言葉にとても嫌な予感する『シュウ』です。




「父上、面白い事とは?」


「ピエールの後ろにアポー正教会が居るのがわかっていたからな。今頃、アリエス達とお前の仲間達がアポー正教会の各拠点を潰して…… いや、『アポー正教会ぶっ壊す!』 を合言葉にすべての拠点をぶっ壊していると思うぞ」


「いつの間に、だから僕がアポー正教会をと言った時、冷静だったのですね。でも、すべての拠点がよくわかりましたね?」


「ああ、レイニーに頼んでたからな。よくやったぞ、レイニー!」


「お前の為じゃねぇーよ」



――レイニーはどんな時でも父上には辛辣だなぁ……



「父上、アポー正教会の関係者はどうなるんですか?」


「ぶっ殺されるんじゃねーのか?」


「そんな軽いノリで良いんですか?」


「アイツらは生きてるよりあの世へバイバイした方が世の中のためになるだろう」


「しょうがないわよ。救いようが無いおバカさんなんだもん」


「母上までそんな軽いノリで……」


「もし息があったとしたら、フロンシニアスに来て、ブラック企業に就職だな」


「そうね。ブルース、それは良い考えね! 死んでも地獄、生きても地獄。それくらいのサービスしてあげなきゃ、あの人が可哀想でしょう」


「酷い……」


「「「……………………」」」


父上と母上の言葉に全員、ドン引きしていた……



「あっ! 母上! レイニーが父よりの妹と言うのは本当ですか?」


「ええ、レイニーはブルースの正真正銘の妹よ」


「「「――!?」」」


「……………………」


レイニーはブスッとした顔をしていた……



「――よく意味がわからないのですが?」


「それはな……」


「ブルース。あなたの口からじゃあ、言いにくいでしょう。私から説明してあげるわ」


「セリーナ。頼む」


「先ずは先代の国王がね。ちょっと、やらかしちゃってね」


「先代の国王?」


「そう、あなた達のお祖父様ね。自分の権力をちらつかせて、当時私の専属メイドに手を出しちゃって…… 妊娠させちゃったのよ。酷い話しよね…… そのメイドさん、子供が出来たとわかった時には、もうどうしようも出来なくて、私に相談して来たのよ。それで私、ブルースに相談する前にお義母様、当時の王妃様、あなた達のお祖母様に相談したのよ」


「いきなりお祖母様にですか?」


「そうよ。そうしたら先代国王に『お前には責任ってものが無いのか! このゲスヤロウが!』って、大変お怒りになられてね、先代の国王にボコボコに鉄拳制裁を加えたのよ。その結果、間接的にその時の傷が原因になって崩御されたわ」


「どんだけ制裁を加えたのですか? 間接的って、ほとんど直接的じゃないですか!」


「あれはさすがに酷かった……」


「父上も見ていたのですか?」


ジェニシス兄上が父上に聞いた。


「ああ、鬼神の如く残虐で、死神の如く生命を削り取り、神などこの世には存在しないのだと確信するほどだったぞ」


「それからそのメイドはどうなったのですか?」


パリック兄上も気になるらしく母上に聞いた。


「お義母様はそのままにメイドに子供の事は私達に任せて、あなたは自分の幸せを一番に考えなさいって、言ってくだされたのだけど…… お腹の子は自分で育てたと言って、私達の元から去って行ったわ。王家としては生活に困らないように最大限に援助したわ。でもね……」


「「「でもね……?」」」


さすが兄弟! 息ぴったりに母上に聞き直した。


「レイニーが5歳の時に、ふとした風邪で亡くなってしまったの…… 私達からしたら先代国王のやらかしだったかも知れないけど、お義母様をはじめ、私達も彼女親子がもっと幸せになって欲しかったと願わずに要られなかったのに」


「「「……………………」」」


「彼女が亡くなって、お義母様とブルースが残された子供を彼女の代わりに幸せにするんだと言ってレイニーを引き取ったのよ。私も賛成はしたわ」


「でもね。レイニーったら、お義母様と私には懐いてくれたんだけど、ブルースには懐いてくれなかったのよ」


「こんなヤツ、兄上ではありません。私の家族は、実母と先代王妃のお義母様と王妃様であるセリーナ姉様だけです!」


「お前なぁ、たまには兄として敬って良いと思うぞ? なぁ、レイニー。兄上と言ってみてくれよ?」


「イヤだ! こんな禿げに!」



「じゃ、レイニーって、王族と言うことですよね?」


僕はレイニーが王族としてではなく闇部隊に居るのか疑問に思い、母上に聞いてみた。


「この子って、王族なんて面倒臭いって言い出しちゃってね。あと王位継承権に巻き込まれないって。ブルースもほとほと困り果てしまってたの。そこでレイニーの格闘センスに目を付けてブルースの部下として闇部隊に入ったのよ」


「そうだったんですか……」


「お前らのばあ様とセリーナがレイニーを甘やかすから仕事以外は何にも出来ないポンコツになったってことさ」


「確かに……」


「ロッシュウ様、何か言いましたか?」


「いえ、別に……」



――そうかぁ……  レイニーが父上の妹だったとわかる気がする。 父上に対して辛辣過ぎるほど辛辣だ。普通なら不敬罪で処刑になってもおかしくないのに、しかも殴り合いまでしてたしな。それでも父上はレイニーの言動をすべて許していた。それは、兄妹だったからなんだな。そして、義理の姉である母上には従順だった。これは、義姉として本当に慕っていただけだったんだな…… そして、僕はあることに気がついた……



「レイニーってさあ、僕達から見たらレイニーは僕らのおばさ……」



――!? 僕の喉元に短剣が光っていた……



「それ以上続きを言ったら、マジで殺しますよ……」


「―― はい……」

お読みいただき誠にありがとうございます。

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