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第201話 第三王子は英雄伝説を間近で見る!

兄上達が僕に謝罪したことに驚いく『シュウ』です。小さい頃は兄上達に甘やかされるだけ甘やかされ、いつの間にか僕に対してドキツイ対応になってしまったが、昔の思い出がある分、どうしても兄上達を心の底から憎むことが出来なかった……



「兄上、もう良いのです。兄上達の苦しみは僕にはわかっています。もうこれで大丈夫です」


「シュウ。私達を許してくれると言うのか? こんな私達を……」


「一体、私達は…… どうしてこんなことを……」


「もう…… 良いのです。全て過ぎたこと、許すと許さないもありません!」


「「シュウー!」」


「兄上ー!」



――僕ら兄弟三人は抱き合い泣いた……



「ジェニシス、パリック…… 良く正気に戻ってくれた…… 父は嬉しく思う…… しかし、王としてお前達を裁かねばならぬ……」


「父上、申し訳ないありません。潔く罰を受ける覚悟は出来ています」


「私もです。覚悟は出来ています。心望むままに」


ジェニシス兄上とパリック兄上はすでに覚悟はしているようだった。


「父上!」


「……………………」


僕は兄上達の情状酌量を訴えようとしたが、父上は首を横に振った……



「これより、裁定を行う! ジェニシス、パリックは国外追放とする。ピエールは爵位剥奪の上、全財産、領地の没収並びアルラサンド王国、パワーネット家にて謹慎。元侯爵一族全ての者は強制労働とする。現在、拘束されている全ての者は国家反逆罪として爵位剥奪の上、財産、領地没収の上、一族全て強制労働とする! 以上だ」



――父上! 自分が気にくわないと言って、結構な冤罪貴族も紛れてるのですが、それは良いんですか? まさか、ついでに粛清する気満々じゃないですか!



「父上! ピエールはともかくそれではあまりにも兄上達の罪が重すぎます!」


「良いんだよ、シュウ。しっかりと自分の罪は償いつもりだ」


「シュウありがとう。お前を殺そうとした私達をかばってくれて……」


「兄上!」



感動的なシーンを邪魔をすかのように



「陛下! ロッシュウ様が不思議な力を使ったのは、まさか…… 魔法では……」


年輩の貴族が国王の許可もなく発言をした。


「ああ、これのことか?」


父上は手のひらから巨大な竜巻の中に雷が光るの柱を貴族に見せた。


「――――――!?」



「陛下……」


「「――!? 父上……」」


「これは魔法じゃないぞ! 魔導と呼ばれている不思議な力だ」



――うん、うん。父上は嘘を言ってない。魔法だけど今は『魔導』と言っているからセーフ!



母上もここぞとばかりに父上よりさらに巨大な炎の柱を見せた。


「――!? 王妃様まで魔導を使えるのか!」


「「……………………」」



――母上、イイ気になって調子こいたことしちゃったから貴族達が驚いてるよ! 兄上達も自分の母親が化け物でも見たかのように黙り込んでしまったじゃないか!



「お、お、王妃様…… 最強……」


「「「王妃様最強! 王妃様最強! 王妃様最強! 王妃様災狂! 王妃様最恐! 王妃災凶」」」



「オメーら! 誰が災凶だって!! ぶっ殺されてぇーのか!! おりゃー!!」



――貴族達の大合唱に母上ブチギレ!!



「「「王妃様再狂! 王妃様再凶! 王妃様再恐! 王妃様災狂! 王妃様災凶! 王妃災恐!」」」



「プチンッ」


『ゴォォォォオ! ゴォォォォオ!』


「お前らを蝋人形にしてやろか? それか、バ○ビー人形とリ○ちゃん人形どっちか選びな!!」



金色の闘気(オーラ)に包まれた。(スーパー)ヤンキーネェチャンが立っていた……



「「アワワワワ……」」



――兄上達は初めて母親の変わり果てた姿を見て、何を思ったのだろうか?



「お前ら! 死にたくなかったら早く帰れ! こうなったら私でも止められない! 急いでこの場から去れ!」


父上は必死になり、貴族達の命を護ろうとしたが、時すでに遅し……



「ギャァァーー! 王妃自ら! ドスッ」


「怒り狂った王妃様、ステキー! ゲフッ」


「グシャ ありがたき幸せ…… パタン」


「憧れの王妃様に殴られるなんて、一生の思い出ですわ! ゴギィ」


「最恐! 再…… ドドドド! ひでぶ~」



またもや、庭園は貴族達の血で赤く染まった……



――この国は、こんなアホな貴族ばかりだけなのか? 領地経営とか本当に大丈夫か? いっそこのまま粛清してもらって、封建主義から民主主義に変えても良いんじゃないのか?



父上は一度ならず二度目の大虐殺とあっては、あまりの惨劇に頭を抱えていた……


「ジェニシス、パリック。良く見ておきなさい。あれがお前達の本当の母親の姿だ…… お前達、もうこれ以上セリーナを怒らせるんじゃないぞ!」



「「―― ハイ……」」



二度目の大粛清のあとエリスの治癒魔法で全員回復させ、


父上は貴族達に向かって、


「もうお前ら帰れ! もう余計なことをしないで、早く帰ってくるくれ!! 衛兵! 犯罪者は牢屋にぶち込んでおけ!」


と、怒鳴り散らした!


スゴスゴと帰る貴族達とトボトボと牢屋に連れて行かれる囚人達…… シュール……



『セリーナ王妃最恐災凶再狂英雄伝説』爆誕!



この母上の蛮行は、この国の子々孫々まで英雄伝説として伝えられることになる。



「ジェニシス、パリック。あとハンマー! みんな俺の執務室まで来てくれ! 家族会議を開く」



「父上! 私達もですか?」


兄上達は父上が自分達のことを家族と言ってくれたことに戸惑っていた。


「お前達、何を言っている。お前達は俺達の家族に決まっているだろう?」


「「――ハイ…… ありがとうございます」」


「さあ、いくぞ!」


「ブルース。家族会議だろ? 俺達も良いのか?」


「ハンマー、お前達も居てくれた方が助かる」


「おお、わかった」



父上を先頭に母上、ジェニシス兄上、パリック兄上、マリーパパ、マリーママ、マリー、エリス、レイニー、僕は父上の執務室へと向かった……

お読みいただき誠にありがとうございます。

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