第200話 第三王子は 最終奥義を使う!
父上の爆弾発言にドン引きの『シュウ』です。マジでドン引きなんだけど……
「レ、レ、レ、レイニーが父上の妹!? どう言うことですか、母上?」
「シュウちゃん知らなかったっけ?」
「そんなの知りませんよ! 初めて聞きましたよ!」
「あっそう。まあ、それはあとで教えてあげるわ。先ずはコイツらをどうするかね。ブルースどうする?」
「ん~。とりあえず、あとからごちゃごちゃうるせぇしな、面倒くせぇからぶっ殺しておくか?」
――なにその軽いノリでぶっ殺そうとか、マジでヤバイんですけど……
「ち、父上。ちょっと待って下さい!」
「なんだ、シュウ?」
「汚水処理場などの工事なども控えていますので、一族郎党労働者として働かせるというのはどうでしょうか? 犯罪者ではありますが、ちゃんと賃金は払いますが!」
「お前、なかなかえげつないなあ」
「えげつない? それはどう言った意味でしょうか?」
「あれでしょ? 本人は勿論、女、子供、ご隠居、使用人の一族に関わる全てを労働者にして超最低賃金で、さらにレイニーの力で24時間、休日無しで全国土で働かせるってことなんでしょ?」
「……………………」
――父上、母上。ブラックにも程があるぞ! お前らの血は本当に赤なのか? 人としての良心というものは無いのか?
「えっ!? 違うの?」
「違いますよ! 母上! 僕はそこまでブラック企業推進派じゃありません!」
「いや、セリーナの意見で決定!」
――父上の軽いノリで反王族派貴族の処遇が決まった。意識を取り戻したのに貴族は父上の話しを聞いてガクブルしている。僕のせいじゃないぞ!
「しかし、それではあんまりにも…… 父上、ご再考を!」
「いや、その必要はないぞ! 国民も喜ぶし、アイツらも喜んで働いてくれるだろう。ほら、シュウ見てごらん。ヤツらもあんなに喜んでるじゃないか!」
「……………………」
――貴族達は父上達を同じ人間とは思えないようで、父上達が悪魔に魂でも売ったので無いかと疑いたくなる発言で、ドン引きし過ぎて気を失う者が続出してるじゃないか!!
「ブルース!」
「ハンマー、なんだ急に?」
「ごのピエールとかという貴族を俺が貰っても良いか?」
「コイツをか?」
「俺の下で根性を鍛え直す。それで良いよな?」
「――ああ、それは構わないが……」
「オッシャア! マジで助かるぜ!」
「ハンマー、コイツをどうするんだ?」
「んっ。ああ、人間サンドバックにするんだ。たまに生身の人間を殴らないと戦いの勘が鈍ってな。こんなヤツなら殴りがいがあるってもんよ」
「――そうか。好きにしてくれ……」
「ついでにコイツらも連れて行って良いか?」
マリーパパは兄上達を指差した。
「ジェニシスとパリックをか?」
「マリーパパさん! ちょっと待って下さい!」
「なんだシュウ?」
「兄上達の身体から黒いモヤが見えます。多分ですが、闇の中に紛れ込んでいるのかもしれません」
「闇の中?」
「母上…… 暗く深い感情が溢れ出ています…… 何者かに影響されたのかはわかりませんが……」
「シュウ! じゃあどうすれば良いんだ!」
「父上…… 任せて下さい」
僕は気を失ってるいる兄上の元へ近寄り、兄上達に頭に手を置いた。
「闇魔法究極奥義『深底暗黒闇解放魔法』」
兄上達の身体から黒いモヤが浮かび上がる。
「なんだ!? あのお二人から黒い煙が?」
「何が起きてるの? キモい……」
その場に居た貴族達はその異様な光景に怯えた表情を浮かべていた。
兄上達から浮かび上がったモヤが僕の身体に入ってくる。
「シュウ君!」
「シュウちゃん!」
「エリス、母上。僕は大丈夫だから……」
――これが兄上達の心の闇なのか…… なんだごの怨み辛みは…… いや、これは魔法に対する怨念だ! 深い深すぎる怨念…… 魔女を断罪してきた者達の嫉妬、妬み、悪意など様々な感情が僕の身体を襲う……
僕は両手を天に向け、
「闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』」
僕の身体を襲い纏う黒いモヤは、白いモヤに変わり、太陽の光りに照らされキラキラと光り上昇していく。
「黒い煙が…… 白い煙に……」
「何が起こってるいるんだ! あの黒い煙は? あの白い煙は? なんなんだ?」
「綺麗……」
貴族達は全ての負の感情に染まった闇の黒いモヤは、僕の闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』によって浄化され白いモヤとなり、天に昇って行く……
「シュウちゃん! これは?」
母上はそう言いながら僕に近付いてきた。
「兄上達の心の闇を取り出し、じょあかしました。これで兄上達は昔の優しかった兄上達に戻ると思います」
「シュウ君、さっきの魔法って……」
「お母上様から伝授された闇魔法の奥義だよ」
「そうなの…… あんな魔法、初めて見たわ」
「魔法の天才と言われたエリスでも?」
「ええ……」
「んっ、ん~」
「うーん うーん」
兄上達は意識を取り戻しつつあった。
「母上、兄上達が目を覚ましそうです!」
「ジェニシス! パリック!」
『バシッ! バシッ!』
――母上、気付けの為の魂のこもったビンタを喰らったらまた、兄上達が気を失いますよ……
「あっ!」
「うっ!」
兄上達は目を覚ました瞬間、僕に向かって土下座を始めた……
「すまないシュウ! 本当に申し訳ない! 私はお前に何てことを……」
「すまない! お前に行なった数々の悪行! 許してくれとは言えないが謝罪だけでもさせてくれ!」
「ジェニシス兄上…… パリック兄上……」
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