第196話 第三王子は悪役顔に恐怖する!
今日はエリスと共に、フロンシニアスに帰る! 何があってもフロンシニアス王国国民をを護ると決意する『シュウ』です。
「シュウ君、マリー達が来たわよ」
「ああ、ついに出発だね」
「大丈夫! 私が側にいるから」
「僕は大丈夫だよ。エリスも無理はしないでね」
「あなたの為なら少しは無理するかも」
「ハハハハ。その時はお願いします」
「はい! 任されました!」
「二人とも朝から何を遊んでるんだか」
「「マリーおはよう」」
「エリスにシュウ、おはよう。今日はよろしくお願いね」
「ええ、マリーがいるだけで心強いわ」
「何かあったときは任せてちょうだい」
「マリーパパさん、ママさん。おはようございます。今日はすみませんがよろしくお願いします」
「おはよう。お前、昨日とは何か雰囲気が違うなぁ」
「そうですか? 自分ではわからないですけど……」
「シュウ君おはよう。顔がしっかりしてるというか、なんだろう?」
「多分、今日フロンシニアスに戻るので緊張しているかも」
「そうなのか? まあ、三年ぶりの里帰りだからな」
「ええ、そうですね。じゃあ、そろそろ出発しますか? エリス準備は良いか?」
「いつでも良いわよ」
「では、瞬間移動」
◇
僕たちは王都から一番近い町に着いた。
「くっさぁ~。どうなっているんだ?」
「汚物だらけで歩道まともに歩けないじゃない!」
「すみません。フロンシニアスの人達ってトイレとかあまり気にしないと言うか、すみません。すぐに馬車を借りて来ますから」
「早く頼むぞ。臭くてたまらん!」
僕たちは、一台の馬車を借り王都へ向かった。
◇
王都に付き、門番に
「お疲れ様。僕だ、ロッシュウだ。今、帰ったよ。すまないが門を開けてくれないか?」
「はっ! お帰りなさいませ。ロッシュウ様! 国王陛下よりロッシュウ様がお戻りなられると聞いておりました。暫しお待ちを」
城門の扉が開く。
――おや、街並みが綺麗になっている? どうしてだ? 僕がいた時は汚物まみれだったぞ?
「ここがフロンシニアスなのね。綺麗な街並みじゃない? シュウの話しと違うじゃない?」
「マリー。僕も街の変わりように驚いてるよ。一体どうしたんだろう?」
街並みの違和感を感じながら王宮へ向かった。王宮の前に付き、衛兵に
「やあ、みんな久しぶりだね」
「ロッシュウ様、お帰りなさいませ。只今、宰相殿に報告して参ります。暫しお待ちください。では」
「よろしく頼みます」
衛兵の一人が王宮の中へと向い。残った衛兵に声を掛けられた。
「ロッシュウ様。お久しぶりでございます」
「三年ぶりだね」
「そうですね。もうそんなになりますか」
「みんな元気だったかい?」
「おかげさまでみんな元気です。ロッシュウ様も立派になられまして」
「僕はそんなに変わってないと思うけど」
「何を仰います。体格など立派になっておりますよ。お心が変わっておらず安心いたしました。我々下の者に気さくにお話しになられますのはロッシュウ様だけでございます」
「そう言ってもらえたら僕も嬉しいよ。街並みを見たけど随分変わったように感じたけど?」
「ええ、国王陛下がロッシュウ様がお帰りになられるからと街並みを衛生的にするようにとの要請が御座いまして……」
「そうだったのかぁ、父上がねぇ。うん、街並みが綺麗になって僕も嬉しいよ」
「そう言って頂けましたら我々も頑張った甲斐がございます」
衛兵と久しぶりに話し込んでいると、宰相のアーロン・アルファイブがやって来た。
「ロッシュウ様、お帰りなさいませ」
「ただいま、アーロン。元気にしてたかい?」
「いいえ」
「どうして何かあったのかい?」
「ロッシュウ様、あなたの所為ですよ。陛下がすぐにハルタンへ行きたがって大変だったのですよ。反省して下さい」
「すみません……」
「おっと、ロッシュウ様、エリス様、パワーネット公爵家の皆様。陛下がお待ちになっております。どうぞこちらへ」
宰相のアーロン・アルファイブが僕たちを父上達がいる。応接室へ案内をしてくれた。
『コン コン』
「シュウです。ただいま戻りました」
「おお、待っていたぞ! シュウ。エリスちゃん、ハンマー達もよく来てくれた。感謝する」
「お義父様、お義母様。お待たせしました」
「ああ、ブルースの頼みだ。俺はいつでも駆けつけるぜ」
「さぁ、みんな。固い事は無しで、座って頂戴」
マリーパパは、僕に親指を向けながら
「ブルース。いつコイツの王太子の発表はいつするんだ?」
「明日だ! その為に、フロンシニアス王国全貴族を呼んである。明日、一気に片を付ける! 俺を舐めたヤツらがどうなるか楽しみだ! フフフフッ」
父上が悪役顔をして、素敵な事を言い始めた。
「そうか。明日が楽しみだな…… 俺にもちゃんと獲物は残しておけよ」
「ああ、とびっきりのディナーをごちそうしてやる。楽しみにしていろよ。特にエミーには、メインディッシュを用意してやるからな」
「「「クッ ククククククッ」」」
父上、マリーパパ、マリーママはこの世の者とは思えないほどゲス顔になっていた。
「ブルース様! その……」
「どしたんだい? マリーちゃん」
「――是非、私もお仲間に加えて下さい!」
「さすが…… 背中に鬼の形相を持つ男の血を引く者よ…… わかった! ともに『ザ・成敗』しようぞ!」
「ブルース様。ありがとうございます! 明日の事を考えると血がたぎります!」
「なんと!? 心を強い! マリーちゃん、期待しているよ!」
「ハイ!」
――なんなんだろう。 和やかな雰囲気なのに殺伐とした会話は……
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