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第192話 第三王子は醜い争いを見る!

卒業式を明日に迎え、急遽お母上様の強い要望でハルタン訪れた僕たちを待っていたのは………………  『シュウ』です。




その部屋には、お母上様、お父上様、父上、母上、レーニャさん、レイニーがいた。



「父上、母上。どうしてここへ?」


「お前、二、三日したらフロンシニアスに帰って来るだろ。その打合せだ」


「お義父様、お義母様。お久しぶりです」


「久しぶりね。エリスちゃんも元気だった? シュウちゃんがみんなに迷惑かけてないか心配で心配で…… この子一人だと何にも出来ない子だから……」



――母上は僕を信用していないとみえる…… 母上、レイニーを僕の専属メイドにした時点で僕は何でも一人で出来る子になったんですよ……



「お義母様、シュウ君は無事に務めは果たしています。ご安心下さい」


「それなら良いのだけど。マリーちゃんも明日は卒業式なのにごめんなさいね」


「いえ、ブルース様もとセリーナ様の要望とあらば、いつでも駆け付ける所存です」


「ありがとうね。エリスちゃん、マリーちゃん」


「ところでお母上様。僕に話しとは?」


「その事だけど……」


「それは俺から話すよ」


父上が真剣な顔で僕を見た。


「ジェニシスとパリックの件だ」


「兄上達の?……」


「そうだ。アイツらを支援している者がいることはわかっていたが、ソイツら証拠を掴むまでは至らなかった……」


「兄上達の支援者はわかったのですか?」


「ああ、支援者どころの話しではなかったがな……」


「父上、どういう事ですか?」


「ジェニシスとパリックを持ち上げて、自分達の傀儡にしようとしているようだ」


「兄上達を傀儡にですか? それでその者達は?」


「ピエール・スライダー侯爵、反王族派の連中とアポー正教会だ。アイツらジェニシスかパリックを王に据えたあとアポー正教会を国教にして権力を自分達の物にしたいようだが、そんなことをさせるつもりはない!」


「ピエール・スライダー侯爵と言ったらあまり良い噂を聞かなかったですね」


「そうだ。いつ爵位を剥奪させようか考えていた矢先だ。こちらとしては都合の良い話しだとも言える」


「それで、父上。証拠とかあるのですか?」


「ライアン、クリフ、レイニーが頑張ってくれたからな」


「ライアンとクリフならわかりますが、レイニーが?……」


「シュウちゃん。人を見た目で判断してはいけないわ。レイニーの瞬間移動(テレポート)は役に立ったわ」


「マジですか? レイニーさん?」


僕は疑いの目でレイニーさんを見た。


「ロッシュウ様、言葉も無いようですね。当然です。『クールビューティー』の私ならこれくらいの任務は超余裕なんですよ。褒めてくれても良いんですよ」


「ああ…… さすが自称『クールビューティー』凄いよ……」


棒読みでレイニーを褒め称えた。


「言葉ではなく形で表して欲しいものですね?」


「レイニーさんは何がお望みなんですか?」


「三食昼寝付きのニートですね」


「そ、そこは父上と相談して下さい…… 父上どうでしょうか?」


「まだしもコイツにはやってもらいたい事がたくさんあるからなぁ、あと60年後になるがそれでは良いか? レイニー」


「ふざけんな! この禿()ゲ!」


レイニーさん!? 憤慨!


「なに!? 禿()ゲだと!」


「まあまあ、落ち着きなさい。ブルース、レイニー」


母上が父上とレイニーを落ち着かせようとしたが、


「王妃様! 聞いてください。この禿()ゲ! 私をこき使おうとしてるんですよ」


「俺は禿()ゲじゃねぇーよ!!」


「おい、ブルース。その辺にしておけ!」


お父上様も父上を止めようとしたが、


「いや、ハッキリ言わせてもらう! 俺は禿()げじゃねぇーしぃ! お前は知らないだろうが、俺には熱烈な500万人のファンがいるんだぞ!」



――父上、500万人のファンって…… 反王族派を合せたフロンシニアス王国の全人口じゃないですか!



「しかもモテモテでお誘いをお断りするくらいだぞ!」


「へぇ~ ブルース。私、そんな話し初めて聞いたわよ……」


母上が父上の言葉に静かにお怒りになっているようす……


「い、いや、セリーナ。そんなつもりじゃ……」


「ブルース。あなたも先代国王みたいに命を縮めたいの? それとレイニーもそんなこと言ってると、もっと()()()なるわよ」



「「……………………」」



二人は黙り込んでしまった……



――一体、僕のお祖父様に何があったんだ?レイニーがこれ以上忙しくなる? 地方にでも飛ばされるのかな?



「シュウちゃん」


「はい! 母上」


「あなたがフロンシニアスに戻ったら、あなたを王太子に指命するわ」


「それはまだ早くないですか?」


「今が絶好のチャンスよ。あなたが王太子となれば、アイツらは何か行動に移すはずよ。その時には一気にこちらも勝負に出るわ! どんな風になるか楽しみだわぁ」



――母上、母上。顔、顔! 残酷無比な顔をしないで下さい!




「シュウ…… そう言うことだ。出来る限りのことはするが、自分の身は自分で護るようにな。それとエリスちゃんとマリーちゃん、シュウのこと頼んだよ」


「ハァ~」


「はい、お義父様」


「はい、ブルース様」


「シュウちゃん。わかってると思うけど、ジェニシスとパリックは騙されて、その気になってるだけなの……」


「母上、わかっています。兄上達をどんな手を使っても救ってみせます。任せておいて下さい!」


「シュウちゃん…… 二人をお願いね」


「はい!」



こうして、話し合いは終った……


お読みいただき誠にありがとうございます。

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