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第191話 第三王子はハルタンへ赴く!

魔導具の普及に伴う改変が僕らの予想以上の早さに驚きを隠せない『シュウ』です。



僕は卒業まで残り少ない学院生活を満喫していた。



「ヤス、とんでもない事になったな」


「俺、何かしちゃいました?」


「何かしちゃいました。じゃねぇーよ! お前ら全てがヤりすぎだよ!」


「そうかな?」


「早すぎるンだよ!」


「ウツボ様がハルタンは存在する発言かい?」


「そうだよ。もう少しゆっくりとハルタンの存在を認知してもらうはずだったのに…… なんでこうなった?」


「それだけみんなが魔導具を求めているってことだよ」


「おかけで僕は過労○するところだったンだぞ!」


「あの時は酷かったよね」


「ああ、ハルタンって何? 水スライム以外に魔物がいるってホントなの?って、もっと講習会を増やしてくれ! 試験日を増やしてくれって! そのおかげでこっちはバタバタさぁ」


「俺たちも魔導具の取り付けにかり出されたよ。僕は取り付け係だったけど、バットたちはゾンビ化してたよね」


「当たり前だよ。地方の汚水処理場建設はキツかったと思うぞ」


「あの時は『王都のヤツらだけズルい! 地方の俺達には何も無いのか? 魔導具の恩恵は無いのか! ふざけるな!モブ』だもん。もう無茶苦茶だったもんね」


「僕だって何がなんだかわけもわからず試験問題や土管、それ以外も結構作ってたもんなぁ」


「そのおかげで相撲も地方巡業出来るまで人気になったしね」


「そういえばヤス、お前ら卒業したら高等部に行きながらマリーのところの劇場で研修生になるんだろ?」


「うん、これもボスのおかげさぁ。メアリーと二人、役者の玉子として頑張るつもりさ」


「相撲部屋も開設するって聞いてだぞ」


「ああ、バット、ダンベル、テッチャン、サプリ、パトリック、メアリーでお互い相撲部屋を作って大会を開く事になってるよ。ビルダーも学生相撲の会長になったみたいだし、アルラサンドは益々、相撲が発展すると思う」


「お前ら高等部に行きながらだろ? スゲーよな」


「そんなことないよ。シュウ、お前はフロンシニアスに帰るンだろ?」


「ああ、フロンシニアスに帰るよ。アルラサンドに来てもう三年になるんだよなぁ」


「そうだなぁ、あと少しで卒業だからなぁ。楽しい時間って早く過ぎてしまうもんだよ」


「そうだよな。色々とあったけど楽しかったよ」


「マリーもアイリス様の腹心になったみたいだし」


「バットもだろ?」


「うん、バットとは、アイリス様の下で建設系の組織を立ち上げるリーダーになるみたいだよ」


「バットも凄い出世だよな」


「みんなのまとめ役が合ってるからね」


「僕にはみんなに振り回されているとしか見えないけどな」


「だから、そこが良いんだよ」


「そ、そうか」




「シュウ君、ちょっと良いかな?」


「エリス。どうしたの?」


「あっ!? 俺はこの辺で……」


僕とエリスに気を遣ったのか、ヤスはみんなのいる所へ戻って行った。



「――エリス。どうかしたの?」


「あのね…… お母様が卒業前に話しておきたいことがあるからハルタンに来てくれって」


「卒業前に?」


「そう、大事な話しがあるみたいよ」


「一体、なんの話しだろう」


「……………………」


「エリスは知ってるの?」


「詳しく…………」


「そ、そうなんだ」


「詳しくはお母様からお願い」


「わかったよ。お母上様から聞くよ」


「それでいつにする?」


「明後日でも良いかな?」


「明後日ね。じゃあ、お母様に伝えておくわ」


「うん、ありがとうね」


「もう少しで卒業だね」


「ああ、もうすぐフロンシニアスに帰るんだね」


「ええ、でも大丈夫よ、私も付いていくから。あとマリーとマリーパパとマリーママも一緒よ」


「ハァ!? そんな話し聞いてないよ!」


「シュウ! 俺を呼んだか?」


「テッチャン!?」


ヤス達と話していたテッチャンが僕に呼ばれたと思ったのか僕の方を見ていた。


「何か用か?」


「別に呼んでないよ~」


「そうか…… 呼ばれたと思ったんだけどな」


テッチャンは頭を掻きながらヤス達の話しに戻った。



「ごめん、エリス。マリー一家も一緒ってホントなの?」


「ええ、本当よ。ずっと前の話しだけど、お義父様からマリーパパに届いた手紙の事、覚えてる?」


「そういえば、そういう事もあったよな。確か……」


「そう、卒業式が終わったら魔導具を持ってフロンシニアスに来てくれって」


「それで一緒に……」


「そういう事よ。みんな一緒で心強いでしょ?」


「バレてたか……」


「勿論よ。シュウ君の事なら私は何でも知ってるわ。フロンシニアスに帰るの不安なんでしょ?」


「そうなんだよ。今、フロンシニアスがどんな事になってるか、父上から知らされていないんだ。直に話すって言ったきり音沙汰無しだからなぁ」


「多分、お義父様達今、忙しいと思うわよ」


「そうなのかな?」


「シュウ君を迎え入れる準備とか!?」


「あの父上がそんなことするとは思えないけど」


「お義父様もお義母様もシュウ君の事大事にしてると思うよ」


「それは僕だって感じるけど……」


「明後日なればわかるわ」


「うん、わかったよ」





エリスとマリーと僕はハルタンに訪れた。なぜ、マリーが?と思ったが、マリーもお母上様から声がかかっていたらしい。


お母上様の執務室の前についた。


『コン コン』


「エリスです。シュウ君とマリーをお連れしました」


「おかえりなさい。3人とも入って」


「「「失礼します。」」」



――!? えっ!?

お読みいただき誠にありがとうございます。

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