第190話 第三王子はガチ勢に困惑する!
僕が二日間のプチニートをしている間に色々と決まった事があったみたいだが、良く考えるとまたもやボッチじゃねぇーかよと憤りを覚える『シュウ』です。
「具体的には、5級から始まって、5級は照明器具の取り付け、4級はシュウ君と私が考えた量産型冷蔵庫、3級は洋式水洗トイレ、2級は量産型システムキッチン、1級は量産型ユニットバスよ。量産型ユニットバスは銭湯風風呂場を家庭用に規模を小さくした物よ。あとね、試験は基本的には筆記試験になるんだけど、読み書き出来ない人もいるからそういう人達の為に口頭でやり取りでの試験も考えているわ」
「そんなに決まったのかぁ」
「それとね。魔法という言葉はこれから使わずに魔法のことは『魔導』と呼ぶことになったのよ」
「魔導?」
「魔法だとやはり抵抗感があるでしょ。だから新しい不思議な力、『魔導』にしたのよ。これなら魔導具、魔導石も受け入れやすいでしょ」
「そうだね。良く考えてあると思うよ」
「ありがとうね。シュウ君」
「魔物さんたちはどうなったの?」
「魔物さんたちのことわね、これからよ。先ずは水スライムの人気を確固たるものにするために、お土産グッツを作ることになったわ。講習会が進めば、オーク族、ゴブリン族、リザードマン族、ミノタウロス族、コボルト族のぬいぐるみやキーホルダーなんかを作る予定よ。やはり目玉になるのは水スライムとマヌルヌコ様ね。当たればお金が『ガッポ ガッポ』入ってくるってマリーがうれしそうに言ってたわ……」
――恐るべし守銭奴!
「それとね。バット君とダンベル君達がね。ハルタンを相撲の聖地にしたいって言ってたわ。その為に、アルラサンドで相撲を普及させるって有志を募ってたわ」
「アイツ等はアイツ等なりにハルタンの事、考えてくれてるんだな」
「そうだね。仲間がいるって、すごい事なんだね」
「僕たちも頑張らないとね」
「うん」
――数ヵ月後
アルラサンド王国は今、新しい時代を迎えている――
魔導具により人々の生活水準が格段に向上し、王都は魔導具で溢れ、その流れは各地方まで伸びている。この流れの第一功労者は意外にもバットとダンベル達の『相撲推進委員会』のメンバーだった。
バット曰く、
「俺たちが時代を変える! 時代は変革を求めている!」
ダンベル曰く、
「この世の格闘は相撲に集約されている!」
サプリ曰く、
「相撲を国技にしてみせる! 完全に国技にしてみせる! ヒャッハー!お前ら相撲やるぞ!」
パトリック曰く、
「相撲を知らないだと! 相撲マスターの俺が教えてやろう!」
ビルダー曰く、
「健全な教育は相撲から始まる。俺が将来、最強の弟子を育ててみせる!」
デッチャン曰く、
「ヤバイよ ヤバいよ! 相撲ヤバイよ!」
ヤス曰く、
「横綱は世界を救う108煩悩! 犯人は俺!」
メアリー嬢曰く、
「力士モテモテ! モテ期到来!」
そして、みんなの合言葉は、
「相撲の聖地『ハルタン』で、巡業開催!」
の意気込みで、学院から普及が始まった。学院長の後押しもあり、あっという間に学院中に広がった。そして、大々的に世間に広まるきっかけが、2年連続途中中止になったサイドチェスト祭だった。さすがに2年連続の中止は運営側に問題があるとして、内容を見直すことになった。
その結果、サイドチェスト祭の名前をそのままに、内容を相撲大会に変更したのだ。伝統である院部異陀阿夏獲威夢印魔津猪と僕たちの提案した戯灼羅餓は休憩間のパフォーマンスとして残った……
――中止の原因でもあった、院部異陀阿夏獲威夢印魔津猪を残すとは…… なんて恐れ知らずな……
新生サイドチェスト祭は観客から超大絶賛となり、アルラサンド王国では各地方で相撲巡業が開かれるまでに人々に浸透して行った。
相撲推進委員会は恐ろしい事に
『相撲の聖地ハルタンで、巡業開催!』
マリーパパ主宰の講習会の前に相撲の聖地『ハルタン』と大々的に言葉にしたのだ。
周りの人々は『ハルタン』?となったが、追い討ちを掛けるように、第二功労者でもあるヒスト・リーファン先生の『魔境の森の魔導の村【ハルタン】入門!』という書籍が発売した。
書籍には、ハルタン関係者としてお母上様の目にモザイクを掛けられた肖像画が記載され、ゴシップなのかと疑念を持たれたが、学院側から相撲が広まると『ホントにハルタンってあるんじゃね?』『あの本、ゴシップじゃなかったの?』という流れになり、大ベストセラーとなった。
そこに目を付けた守銭奴のマリーが『魔境の森の魔導の村』というミュージカルを公演を行った。
ベストセラー書籍のミュージカルとなればヒットしないわけがない。連日、大満員御礼となり公演も延長された。
さすがのウツボ様もこの流れに逆らうことも出来ずにハルタンの存在をついに明かした……
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