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第189話 第三王子は2人に出会う!

無職とニートの闇に堕ち、自宅警備員に就職しようとしたが、懐かしいあの二人に就職をダメにされた『シュウ』です。闇に堕ちる前は無職、ニートを簡単に考えていた。ソフィアちゃんやアイリスちゃんの言う通り、恐ろしいものだった。40秒で就職しな! さすがの僕でも心がえぐられた……



トボトボと歩く僕、二人の姿は見えない。声だけが僕の前の方から聞こえる……



「あのさ~、どこまで歩くんだよ?」



「あなたの覚悟が決まるまでよ」



「簡単に無気力ダメ! ゼッタイ!」



「そうかぁ。覚悟か……」



「信念と覚悟がなきゃ、この先人を救って行くことは出来ないわよ」



「私を助けてくれようとした時の事を思い出したら?」



「ああ、あの時は無我夢中だったから何も考えてなかったよ。ところで君はあの後、助かったの?」



「――ナイショ」



「教えてくれたって良いじゃないか?」



「ナイショって言ったらナイショなの! しつこい男は嫌われるわよ!」



「そんなにしつこいかぁ? しつこくないだろ? ホントに君は相変わらずだなぁ」



「どういう意味よ!」



「勝ち気というかなんというか…… 小さい頃は素直で可愛かったのに」



「小さい頃って! だいたいあなたと私は同じ年じゃない!」



「まあまあ、二人とも言い争いしないの」



「わかったわよ……」



「うん……」



「私は一人ぼっちになった時、あなたの一言で、私は救われたわ」



「結局、僕は君を一人にしないって約束、やぶっちゃったけど…… ゴメン……」



「謝らなくても良いわよ。あの時はあの時で一生懸命に生きたんだもん。天国に行くのが早いか遅いかの違いしか無いのよ。命あるものは、いずれ死ぬ運命にあるんだから……」



「君はあの後、幸せにだったのかい?」



「――それは…… 恥ずかしいからナイショにしておくわ」



「そうかぁ……」



「私たち、なんだかんだ言って、あなたに(たす)けられたんだよ」



「そうね。次は私たち以外の人たちも(たす)けてあげて」



「……………………」



「あなたなら出来るわ。一生懸命に為れば良いのよ。さすがに何も考えていなかったのは衝撃的だったけど……」



「――ゴメン」



「そんな意味で言ったんじゃないけど…… でも思い出して、アルラサンドの人達はまだ幸せだと思うけど、フロンシニアスの人達は苦しんでいるわ。お父さんとお母さんがなんとかしようと頑張ってるけど……」



「そうだね。フロンシニアスの人達は未だに悲惨な暮らしをしてたんだよなぁ……」



「じゃあ、もう自分が何をすべきか思い出したでしょ?」



「ああ、思い出したよ。 二人ともありがとうね」



「お礼なんて要らないわよ! その代わり、みんなを(たす)けてあげて!」



「ああ、なんとかしてみせるよ」



「お願いね」



「ああ、わかってる」



「私たちはずっとあなたの側にいるからね」



「ありがとう、二人とも。それじゃ、行ってくるよ。二人に良い報告が出来るように頑張るよ! またね!」



「じゃあ、あなた。いってらっしゃい」



「私たちが側にいること忘れないで!」







「ウッ!?」


目を開けると僕はベットに寝かされていた。ベットの側にエリスとお母上様がボクの顔を覗き込みエリスは僕の手を握っていた……


「お母様! シュウ君の意識が戻ったわ!」


「シュウ君。あまり人を心配させるもんじゃないわよ」


「本当に心配したんだからね!」



「エリス…… お母上様……」



「まあ、良いわ。シュウ君、あなた二日間目を覚まさなかったのよ」


「そんなにですか?」


僕はエリスから手伝ってもらい身体を起こした。


「そうよ。あなたが闇に堕ちて、エリスがあなたの暴走を止めてから今日で二日目よ」


「そんなに僕は…… 寝てたんですか?」


「まあ、目を覚ましたのならもう大丈夫ね。みんなに伝えて来るからあとは、エリスお願いね」


「はい、お母様」


お母上様はそう言って部屋から出て行った。


「エリス…… ごめん。心配させちゃったね」


「良いのよ。私のことは……」


「僕はずっと夢を見てたよ……」


「夢?」


「ああ、真っ暗な闇の中に妻と幼馴染みが現れたんだ。二人はその闇の世界から僕を助けてくれたんだ。声だけだったけど…… あの二人が居なかったら僕はそのまま闇の住人になるところだったよ。あの二人には感謝の言葉しかないよ……」


「――たぶん…… 二人ともシュウ君の事が心配だったのよ。だから助けてくれたんだと思うわ」


エリスはニコニコしながら僕を見つめていた。


「そうかもしれないね。だから僕はあの二人にも心配させないように頑張ってみるよ。エリス」


「ええ、私も側でシュウ君を支えるから安心して」


「ありがとう。エリス」


「うん!」


「ところで僕が眠ってる間、汚水処理場とハルタンの店はどうなったの?」


「マリーパパが汚水処理場に行ってくれてるわ。あとでお礼を言ってあげて」


「そっかぁ、マリーパパが僕の代わりをしてくれてたんだぁ。あとでお礼を言っておくよ。それで、ハルタンの店は?」


「相変わらず予約で大繁盛よ。シュウ君が倒れた後にいろいろな事が決まったのよ。これもシュウ君がアイデアを出してくれたから、みんな色々考えてくれてたわ」


「たとえば?」


「マリーパパの主導で魔導具の講習会を開くことになったわ。それで各レベルに合わせて国家試験をするの。試験を合格した資格保持者だけが魔導具の取り付けの許可が降りることになったのよ。ただね、5級を合格した者だけが4級に進めるという段階制にしたの。どんな大貴族でも例外は認めないということも決まったわ」



「そうかぁ……」

お読みいただき誠にありがとうございます。

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