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第183話 第三王子は発明をする!

マリーパパの水スライム愛に溺れるそうなるどころか溺死してしまう『シュウ』です。




「それで、シュウ。汚水処理場のどうなっている? 俺にはお前だけが頼りだ。水スライムを助けてやってくれ」


マリーパパの渾身のお願いをされ下手に逆らった日には、パワーネット公爵家の全勢力を持って僕を具に掛かるだろう……


「大丈夫です! 汚水プールの周りには僕が考案した大型ガラスを設置し、全体をガラス張りにしました。これで見学者からのエサやりは出来なくなります」


「お前のことだ、ガラス張りをしたのは良いが、プールサイドに行くためのドアを付け忘れたとか無いよな?」


「それはありません。厳重な扉を作りましたから」


「お前のことだ、扉に鍵を付け忘れたなど無いよな?」


「それもありません。ここにプールサイドの鍵があります」


僕はマリーパパにプールサイドに入るための鍵を見せた。


「お前のことだ、その鍵を紛失するかも知れん、俺が預かろう。さっさと鍵をよこせ」


「はい……」


僕は鍵をマリーパパに渡した。マリーパパは嬉しそうに目をキラキラさせていた……


「あと、水スライムの生体について詳しく解説を書いた紙も貼って置きました。文字がわからない人や目の不自由な方用にあらかじめ魔導石に解説を記録させ、その日に魔導石に触ったら、魔導石から音声が流れるようにしました」


「魔導石から声が出るだと!?」


その場に居たエリスを除く全員が僕の方を見た。 


「えっ? なに? どうしたのみんな?」


「シュウちゃん! 魔導石から声が出るの?」


「はい、出ますよ。エリスは知ってるよね?」


「ええ、わ、わかるわよ。見たことないけど……」


「シュウ君。今、その魔導石ある?」


「ありますよ。これです」


収納魔法から録音済みの魔導石を取り出し、みんなの前に置いた。


マリーが、


「シュウ…… 触っても良いか?」


「あっ、良いよ。魔導石に触ってみて」



――魔導石から声が聞こえるのがそんなにスゴいことなのか? 日本だと観光地の案内とか、録音機能か付いた物がたくさんあったのに……



マリーは恐る恐る魔導石に触った。


『ここ、汚水処理場は、汚れた水を綺麗にして川へ流す施設です……』



「ソ、ソフィアちゃんの声…… ソフィアちゃんはどこ? どこにいるの?」


「はい! ここにいますよ。セリーナお姉様!」



――母上は、まだソフィアちゃんにセリーナお姉様と呼ばせてたンかい!



「ここにソフィアちゃんが…… でも、魔導石からソフィアちゃんの声が……」


「え、え、えっ!? なんで…… ソフィアちゃんの声が……」


エリス以外の人間がパニック状態となった。



「え~とっ。以前、ソフィアちゃんに協力してもらって声を録音してたんですよ」


「そ、その録音ってなんなの?」


「あっ! 録音ですね。この魔導石にソフィアの声を記憶させてたんですよ。魔導石に触るとソフィアちゃんの声が再生…… 記憶していたソフィアちゃんの声が流れる感じです」


「ロッシュウ様、私も録音させて貰っても良いですか?」



――!? どこから現れたレイニー上司殿!



「レイニーさんか? 別に良いよ。はい、新しい魔導石。みんな静かにしててね。僕が合図するから合図したら何か言ってみて」


「了解」


「では、いくよ」


僕は魔導石を10回連続ポンポンと叩いた。これが録音スタートの合図にしている。


「スタート……」


「もももぶももももぶのうち モモもブモモもモブのうち もももぶももももぶのうち モモもブモモもモブはだいさんおうじのうち」



―なんちゅう早口言葉だよ! モブだらけじゃネェーか!



「さぁ、再生を!」


レイニーさんは恐れることなく魔導石に触った。


『もももぶももももぶのうち モモもブモモもモブのうち もももぶももももぶのうち モモもブモモもモブはだいさんおうじのうち』


「早口言葉もイケるとわ。なかなか手強いですね。次は負けませんよ」



――レイニーさん。あなた何に勝負を挑んでいるんですか? この声、あなた自身ですから!



「お前、スゲーこと考えるな」


「俺にもやらせてくれよ」


「私にもやらせて」


「私も、もう一回やりたい!」


「ソフィアちゃん! 私と一緒に録音してみない?」


「うん、アイリスちゃん一緒にやろう」



「みんなまだ魔導石、いっぱいあるから押さないで!」 



――エリス以外のみんなが僕から魔導石を奪う為に襲いかかって来た…… 特にソフィアちゃんとアイリスちゃんの攻撃がマジで凄まじい…… 



みんなは僕から録音用魔導石を強奪すると各々散らばって録音を始めた。魔導石を10回連続ポンポンと叩くと、前の録音の音声に上書きされるので何度も録音出来るようにしている。


一方、僕はみんなから揉みくちゃにされ、ボロボロになっていた。そこへエリスが近付いて、


「シュウ君…… 私たちも一緒に録音しようか?」


「うん……」



みんなが夢中で録音を楽しんでいる中、僕とエリスも一緒に録音を楽しんだ…… 恥ずかしい……



遊び疲れた、みなさま方はこの魔導石を使っての案内を了承してくれた。内容については改めて考えることになった。



魔導具の発表と言い、汚水処理場の件も合わせて、小さい一歩だけど確実に前に進んでいる。


お読みいただき誠にありがとうございます。

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