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第182話 第三王子は水スライム愛に溺れる!

異世界の価値観がおかしいのか、アルラサンド王国の価値観がおかしいのか理解が出来ない『シュウ』です。どうみても不敬罪だろ!


「販売元は『ハルタン』! 我々の生活を豊かにし、アルラサンド王国の善き友である」


マリーパパはハッキリとした口調で魔境の森の魔女の村『ハルタン』の名を口にした。



「お前、ハルタンって聞いたことあるか?」


「聞いたこともねぇ名前だな」


「ハルタンってなんだぁ?」


「オラ、知らねぇ」



「おお、そうだろ。『ハルタン』なんて始めて聞く名前だろう! しかしだ、そのハルタンの知りたかったらあの川。『虎の川。別名鬼のパンツ』の側にある大きな建物があるだろう?」



「筋肉鬼ダルマ公爵! あのおっきい建物のことか?」



「おう、そうだ。照明器具を全て取り付けるには時間が掛かる。お前達もただ待っているだけではつまらないでだろう? 取り付けまでに掛かる期間をあの建物の中を一般公開とする! あの建物の名を『汚水処理施場』という。この建物がなければ、洋式トイレや銭湯風風呂場など、これから販売される魔導具の数々も活用出来ない。汚水処理場があってこその魔導具なのだ!」



「その汚水処理場が無かったら、あのトイレも風呂場も使えないってことか?」



「そうだ! あの汚水処理場が魔導具の心臓部と言っても過言ではない! 噂話しを真に受けるのではなく、自分の目で確かめて欲しい。あとな、注意事項があってな…… 施設内には我々が見たこともない生物がいる。その生き物にエサをヤらないようにな! エサをやったヤツは俺がソイツを殺す! 完璧に殺す! 女、子供、老人に関わらず確実に殺す! 良いな、わかったか!」



――マリーパパの水スライム愛が止まらない……



「それでよぉ。照明器具は一から売ってくれるんだ?」


「10年後とか言わないよな? 言ったら反乱おこすぞ!」


「皆のもの。安心するがよい! ハルタンの店1号店が完成次第販売開始となる!」



「で、完成するのはいつなんだって聞いてるンだよ!」


「早く吐けよ! 筋肉鬼ダルマ公爵!」


「早く言えよ! 言わないと大量リンゴを屋敷に送るぞ!」



「わかった、わかった! 照明器具の販売は一ヶ月後とする。おっと、忘れるところであった。販売には貴族、民衆の身分は関係ない。様々な照明器具を準備あるから値段と相談して購入するように! あとな、販売開始と言ってもその場で照明器具の申し込みだけだからな! その日に手に渡らないから行列は作らなくても良いぞ!」


「わかったぜ! 筋肉鬼ダルマ公爵!」


お城から貴族、民衆が帰ったあと、城内には三号生と主要メンバーが集まった。お母上様とお父上様。なぜか、父上と母上もいた。



「どうしたんですか? 父上、母上」



「お義父様、お義母様。お久しぶりです」


「よおっ! エリスちゃん。なかなか遊びに来れなくてな」


「あらっ!? エリスちゃん元気にしてた?」


「お陰さまで」


「……………………」



――息子である僕の事はスルーですか? まさか、子供の心を完全に壊す『お母さんスイッチ』発動ですか? 父上は僕に気が付かず、ウツボ様やマリーパパ、学院長のところへ行ってしまった。



「あら? シュウちゃん。そんなところにいたの?」


「ずっと目の前にいました……」


「気が付かなかったわ。ごめんなさいね」


「ところでなんで父上と母上が……」


「遊びに来たのよ」


「良いんですか? 公務をサボって?」


「サボるわけないじゃない。アルラサンドの視察よ。し・さ・つ!」


「刺殺の間違いじゃないですか?」


「口答えするとは良い度胸だな、シュウ? おう?」



――いきなりヤンキーネェちゃんモード全開ですか?



「そ、そのような事はありませんよ。母上がボケたので、ツッコミを入れないとと、思いまして」


「誰が、誰に対してボケたって? おう? 言ってみろや? シュウ?」


「すみません。母上にはそのようなことは一切考えていません……」


「わかれば良いんだよ、わかれば。ケッ」



――速攻でエリスの後ろに隠れた……



「シュウ、エリス。何をしているんだ。早く来いよ」


「ビルダー! 今行くから」


エリスの後ろから逃げるようにビルダーの後ろに隠れた…… 今後は忍者と呼んでくれ!



城内の大広間に全員集まり、会合が開かれた。会合と言っても今回の反省会なのだが……



「水スライムの事、ハッキリ言わなくて良かったの?」


マリーママはマリーパパに聞いた。


「出来ることならアイツらに水スライムの存在を晒したくは無いが仕方がない。もし、水スライムを拐うようなことになったら、俺は地上の生物が消滅するまで闘い続ける気持ちでいる。その為なら俺の力で記憶がぶっ飛ぶまで殴り続けよう!」



――恐るべし、水スライム愛…… 人はここまで愛する者のために凶悪になれるんだろう?

お読みいただき誠にありがとうございます。

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