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第179話 第三王子は納得する!

ウツボ様の魔道具の不正に対しての覚悟を否定するつもりは全く無いが、たかが無期限の筋トレ禁止なのになぁ、と思ってしまう。人の心を持たない、人間のカス『シュウ』です。



「なぁ、バット。無期限の筋トレ禁止って厳しい刑罰なのか?」


僕は人の心を取り戻すべく、バットに聞いてみた。


「シュウ、お前は何もわかっていない。己の筋肉(マッソー)が一日一日と衰えて行くんだ…… その衰えをただ何も出来ず、黙って見ていくしかないんだ。それがどれ程の苦痛で屈辱的な事か…… 俺なら間違いなく発狂して自ら命を断つだろう。それだけ重い処罰ということなんだ……」



「――そうなの……」


「ああ、バットの言う通りだ。私だって無期限の筋トレ禁止なんて考えられないし、考えたくもない…… それだけウツボ様の魔道具に掛ける覚悟というものを見せてもらった……」


マリーは苦悶の表情を浮かべながら頭を抱え込んでしまった。エリスはマリーの肩を抱いて、


「マリー……」


「エリス、ありがとう……」



――なに、これ美味しいの? 僕にはみんなの言っている意味がまったくもって理解できないのだがな……




「法律関係はウツボさんに任せるとして、エリスは何か意見とかないかしら?」


お母上様も目を潤ませながらエリスニ意見を求めた。


「私の方でも公認された取り付け作業者一人ひとりの魔力を記憶をさせた工具を準備するつもりです。その工具を他人が使おうとしても魔道具自体が発動しないように調整します。ハルタンの次期(おさ)として、ソフィアちゃんにも手伝ってもらいます」


エリスも不正に対しての物理的な部分で対策を考えているようだ。


――へぇ~、ハルタンの次期(おさ)はソフィアちゃんなのか? 次期(おさ)はエリスだと思ってたよ。  あっ! そうかエリスは次期王妃になる予定だからハルタンの(おさ)は難しいのか! デヘヘヘヘ、全く頭の弱い第三王子だこと…… 自らのノリツッコミに満足!


「取り付け作業者の研修はどうするつもりだ。ハンマー?」


お父上様はマリーババに聞いた。


「研修に関しては私が担当したいと思います。良いでしょ、お父様?」


「アイリス…… お前がか?」


ウツボ様は驚いたような顔でアイリスちゃんに聞き直した。


「ええ、お父様や皆さんが頑張っているンだもの。私だって、いつまでもお父様の後ろに隠れて、お部屋で自宅警備員をしているわけには行きませんわ!」


「おお、アイリス…… お、お前…… 立派になりおって…… パパ、マジで感動!」



――アイリスちゃん。衝撃の事実! アルラサンド天下一武踏会 初等の部覇者なのにニートやったンかい!



「じゃあ、アイリスちゃんお願いするわね」


お母上がアイリスちゃんにお願いすると


「お母様! 私も! 私も!」


ソフィアちゃんもアイリスちゃんに触発されたのか


「あらあら!? ソフィアちゃんも?」


「ねぇ、良いでしょ? お母様! お父様も良いでしょ? お父様おねがい!」


「ン~、ソフィアちゃんのお願いだからなぁ~ ハルタンの中だけじゃなく外の世界を体験させてみるというのはどうだろうか?」


「全くマルクスはソフィアちゃんには甘いンだから」


「お父様大好き! お母様、お父様も良いって言ってくれたし、良いでしょ?」


「しょうがないわねぇ~ アイリスちゃん、ソフィアちゃんのことお願い出来るかしら」


「ハイ! ソフィアちゃんも一緒だったら私も心強いです!」


「じゃあ、二人とも研修の方はお願いね」


「「ハイ!」」


「良かったわね。二人とも」


「ハイ! エリス様」


「うん、エリス姉様」


こうして、取り付け工事の作業者研修はアイリスちゃんとソフィアちゃんに決まったが、何をやらかすか心配になる……



お母上様が


「あとは、魔法、ハルタン魔物達の事ね」


「でも、もう下水処理施設で水スライムちゃん達が頑張ってるじゃないの?」


マリーママがツッコミを入れた。


僕は真剣な顔で、


「ええ、水スライム達はプロのニートとして頑張っています。トイレの取り付け工事は時間が掛かりますので。その期間を使って下水処理施設の見学期間とし一般公開します。そして、水スライムの存在を公表と図解での下水処理施設の解説をします。自分としては嫌な言い方になりますが、先ずは、見た目で可愛らしい水スライムから魔物さんの情報を流したら良いかと考えます。あと、半分脅しになりますが、洋式トイレもお風呂場もハルタンと魔物さん達の力が必要なのも説明して行きたいと考えています」


「やはり、その方向しか無いよな……」


お父上様もこの問題については難しいようでなんとか納得しなくてはという苦悶の表情をしていた……


「いや、ダメだ! 水スライムを世間の目に晒してはいかん!」


「なぜじゃ、ハンマー?」


学院長がマリーパパの不審な言動に違和感を覚えたのか、マリーパパに聞いてみると、


「そんなこと言わなくてもわかるだろ。ジジィ!」


「訳がわからんから聞いておるんじゃ?」


「水スライムが人目に晒される。その後どうなると思う?」


「わからんのぉ?」


「人に見られるだけで水スライムはストレスが溜まるんだよ!」



――!? なるほど!

お読みいただき誠にありがとうございます。

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