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第177話 第三王子はスローガンの恐ろしさを知る!

エリスにおんぶに抱っこの甲斐性ない男の見本の中の見本! 見本オブ見本『シュウ』です。




工事の開始から半年が過ぎ、僕らは最上級生である三号生になった。工事の方もほぼ完成に至った。座学と課外授業である工事と両立し、良く頑張ったと思う。今回の事業の最大の功労者は誰であろう、ブラック企業上司のレイニーだった。なんで?と思う方もいらっしゃるだろうが、『過労○必死絶対確定(しんでもはたらけ)』と言う、とんでもない回復魔法を提案、開発、実用したからである。あとは、更なるブラック企業社畜戦士スローガンが提唱者だからだ!


『我らはブラック企業社畜戦士! 喜んで休日出勤! 喜んでサービス残業! 喜んで徹夜! 喜んで朝帰り! 喜んで現場で寝泊まり! 喜んで家には帰りません! ブラック企業バンザイ! ブラック企業社畜上司レイニー様バンザイ! ブラック企業社畜戦士バンザイ!』



――恐ろしい…… 恐ろしすぎる…… あまりにも恐ろしきブラック企業社畜戦士スローガン! レイニーはいつも定時上がりなのに誰一人、レイニーに文句を言う人間がいなかったことに驚きだ! 



僕はみんなに聞いてみた。


「なんで定時に帰るレイニーに文句を言わないンだ?」



「何を言っているんだ? 寝ないで筋トレが出来るンだぞ。国民の為に工事も進む、ついでに筋トレも出来る。両得じゃないか、どこにレイニー様を批判する必要がある」


「感謝してもしきれない程の恩を感じている」


「シュウ、お前にはわかるまい! この筋肉(マッスル)に込められたみんなの思いを!」


「見ろよ! プロテイン使用と工事による筋トレの効果を!」


「レイニーさんは神! マジで神! 今度からレイニーさんを『筋肉の現人神』として崇拝しようぜ!」



――筋肉の現人神 レイニー爆誕!!



「おお、それは良い考えだ! 早速、『筋肉の現人神』のご神体を作ろうぜ!


「そうだな。ヤルかぁ!」


レイニーのご神体を作り始めた男性陣!


「おい、もっとお胸様を大きくしろよ!」


「股下も長めにな!」


「モデル体型だぞ! モデル体型!」


――男性陣のみんなから筋肉の現人神と崇拝されたら、レイニー本人も大変喜んでくれるだろう…… ご神体がレイニー本人とはかけ離れていく……



「シュウ、お前もどうだ?」


「僕は遠慮させてもらうよ…… お前ら楽しそうだな?」


「スゲー 楽しい! 沼にハマりそうだ」


「そ、そうか…… それなら良かったよ」


僕は彼らの強い意思に何も言うことが出来なかった…… レイニーさんの洗脳って恐いな…… そして、彼らの将来がフィギュアにハマるヲタクになりませんように……   





お城のリフォームも終わり、学院のリフォームも終わった。あとは、ごく一部の下水道整備となっていた。 



リフォームが終わった、その後は想像以上の出来事が起こった。学院生からその家族へ、その家族から貴族、庶民へと噂話が広がり、お城ではウツボ様、アイリスちゃんから貴族へと話しが広がり、ウツボ様も定められた時間帯であれば、貴族、庶民でも自由に見学できるように一般公開にしている。実際に魔道具を目にしたいと連日、貴族や庶民達がお城へ訪れているとの事だった。その為かお城が流行スポットと化した。



全室、照明器具を使い、場所によってはシャンデリア風に改装し、共同トイレの数を増やした。学院も同様に一般公開にしている。その結果、見学者の中から途中入学の希望者が続出し、学院長も将来の紳士淑女(ボディービルダー)が一人でも多く増える事に大変喜んでいるようだ。僕は学院長の教育者としての思いに尊敬を禁じ得ない。



誰もが魔道具に興味を持ち、どこで購入出来るのかとウツボ様と学院長に詰め寄る有り様だった。


「もう少し待て、後日発表する」


「照明器具等の事はのち程、国王陛下よりご発表になる。それまで待たれよ」


と、のらりくらりと躱しているらしい。







後日、ハルタンでの会合が開かれた。


お母上様が


「なんとかここまで来たわね」


「そうだな。ウツボいつ頃の発表になりそうだ」


お父上様がウツボ様に問いかける。


「ン~まだだ。もう少し購入意欲が欲しいところだな」


「学院の方も連日来賓者で大盛況になっておる」


「そのようだな。マリーから聞いてるぞ、ジジィ」


「途中入学の希望者も増えておる。どこで買えるのかとうるさいて困っておるよ」


「ふぅ。国王であるウツボ本人には問い詰めるのは難しいからな……」


マリーパパは大きなため息をついた。



――すぐに魔道具について発表しても良かったが、もっとたくさんの人に魔道具見てもらい購入意欲を高めてから発表となった。


お読みいただき誠にありがとうございます。

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